実力発表会 会場
最後から2番目の 発表者が終盤を迎えていた
ガミス
ガミス
ガミス
ジュベア
絶望しているでしょうね
リリーナ
リリーナ
ですの♡
ガミス
バイオリン一家のお嬢様が
ガミス
サボったなんて知れたら
ガミス
ガミス
貰えないでしょうね…
ガミス
3人が笑うその横で
ゼーデラとダエルは焦っていた
ゼーデラ
ダエル
演奏が終わり
司会がマイクを取る
司会
ありがとうございました!
司会
司会
なります!
司会
大きな拍手を!
大きな拍手と歓声が会場を包む
…………が
司会
肝心の主役が現れない
司会
来ていない…?
動揺する司会者
その異変に会場はどよめきだす
司会はほかのスタッフに 話しかける
司会
司会
ガミス
サボったのでしょ?
ガミスが声を張り上げる
どよめいた会場はその声で 沈黙に包まれる
ガミス
ガミス
待つなんて無駄でしょう?
ガミスは司会に問いかける
司会
ガミス
お客様もいらっしゃるのよ?
ガミス
ダエル
ゼーデラ
自分の株は上げよう…って魂胆か)
ゼーデラ
ゼーデラ
ゼーデラ
どうしようも…)
司会は暫く黙り込む
…が
司会
司会
確認を取りますので
司会
そう言いかけた時
会場内に響く 凛とした声
会場に滑り込んだ
マリーニとサジー
司会
司会
司会はサジーの方を見る
サジー
ごめんなさい!
司会
マリーニ
申し訳ありません
マリーニ
マリーニ
サジー
サジー・ハートです!
サジー
迷っちゃって!
サジー
案内してくれてたんです!
サジー
私のせいです!
サジー
悪くありません!!
マリーニ
「そんなこと、していないわ」
そう言いかけるマリーニに サジーは目くばせする
サジー
サジー
サジー
サジー
サジーは司会に詰め寄る
ガミス
無いかしら?
ここでもガミスが立ち上がる
ガミス
待たせたのよ
ガミス
済ますつもり?
演奏する資格ない!
再び会場がざわめき出す
だが、意見は2つに割れているようだ
ゼーデラ
ゼーデラ
ゼーデラが立ちあがったその時
サジー
サジー
マイクテスト
サジー
サジーがステージ中央の マイクを取る
マリーニ
サジー
サジー
サジー
すごくナーバスになってて
サジー
マリーニのバイオリンを
聴いたんです!
サジー
サジー
サジー
マリーニ幸せそうで
サジー
サジー
マリーニ
サジー
聴いてもらいたい!
サジー
なってもらいたいんです!
サジーは大きく息を吸う
サジー
サジー
会場に投げかける
ガミス
演説で誰が……
パチ………パチパチ……
ガミス
ガミスがふと横を見ると ダエルが拍手している
ダエル
パチパチパチパチパチパチパチ…
それに釣られて 周りの拍手する
拍手が段々大きくなる
サジー
マリーニ
マリーニは会場をみわたす
この拍手は自分に向けられたもの
胸が熱くなる
マリーニ
マリーニ
バカね本当に……
サジー
サジー
サジー
いいですよね!?
司会
司会
司会
間に合ったことですし……
マリーニ
サジー
サジー
マリーニ
そう言うとサジーは さっさと壇上から降りる
マリーニ
マリーニ
マリーニ
マリーニは観客席へと向き直る
ケースからバイオリンを取り出し
課題曲の楽譜を譜面台に置く
マリーニ
マリーニ
全てサジーのお陰だわ)
マリーニ
少しの間、譜面を見つめていたが
やがてそれを ぱたん、と閉じた
サジー
そんなマリーニの様子をサジーは 心配そうに見つめる
マリーニ
マリーニ
マリーニ
バイオリンを構えると マリーニは声を上げる
マリーニ
マリーニ
弓がバイオリンの弦に触れた瞬間
美しい若葉色の魔法陣が足元に現れる
マリーニ
してから初めてね
優しい緑の光がマリーニを包み そして弾ける
するとマリーニの服装は
美しいドレスに変わっていた
ダエル
ガミス
隠してたの?
会場がザワつく
サジー
マリーニ
美しく優しいバイオリンの音色が 会場のどよめきを一瞬にしてかき消す
サジー
サジー
サジーはすぐに気がついた
励ましながらも 強く背中を押してくれるような
何度も自分を助けてくれたあの曲
サジー
彼女の名前を口にするのも この学校ではタブーなんじゃ……?
いつかのゼーデラの話がふと頭をよぎる
それでもマリーニは 私のために
私のためだけに この曲を選んでくれたんだ
サジー
気がつくとサジーの頬は濡れていた
ダエル
よくあるが……
ダエル
ゼーデラ
マリーニはサジーの事を
想っているのか……
ガミス
タダで済むとでも…
ガミス
彼女の曲である事に 戸惑う者は多かったものの
誰もその演奏を遮ることは出来なかった
それほどまでに マリーニの演奏は
その場にいる全員の心を 掴んではなさなかった
最後のサビへと入る
まるで 歌っているような高音のビブラートに 心も震える
その高鳴りは 初めてエンジェル・メロディの ステージを見たあの感覚
画面越しに輝いていた彼女が 目の前にいるような錯覚さえ覚えた
私の憧れたキラキラは
もう画面越しじゃない
サジー
思わず声が漏れる
最後の1音が伸びやかに響き渡り
一瞬の沈黙
─────そして
割れるような拍手と歓声
会場にいる誰もが スタンディングオベーションをしていた
その先には満足気に微笑む マリーニの姿
会場の空気に鼓動がはやくなる
すごい すごい すごい!
いつかは私も…………
サジー
サジー改めて強く思った
ステージに手を伸ばす
サジー
もうちょっと あと何歩だろう
伸ばした手の指の隙間から ステージの光をぼんやりと見つめていた
その時
マリーニ
その手を暖かい手が包む
サジーはハッと我に返る
サジー
マリーニはサジーの手を握ったまま 強く抱き寄せた
マリーニ
マリーニ
マリーニ
マリーニ
マリーニの声は涙声だった
サジー
サジー
聞けて幸せ!
サジー
サジーも強く抱きしめ返した
鳴り止まない拍手の中 2人はそのまま お互いをはなさなかった
???
???
???
一滴も流れてないけど
???
感動したのは本当よ?
???
???
???
するなんて大した度胸ね
???
相応の罰が必要だわ
???
???
???
気になる子がいるんだぁ
???
???
???
???
とっても興味があるの
???
???
つづく!
キャラクター紹介
次回もお楽しみに!