テラーノベル
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震える字でそう綴られていた。差出人の名はなく、ただ年月だけが「平成二十七年、八月」と記されていた。
遥斗
遥斗は不思議な胸騒ぎを覚えた。
第二章 少女の面影
調べを進めると、その年に同じ町で起きた事故の記事が古い新聞に残っていた。
夏祭りの日、川に落ちた少女を助けようとして、命を落とした子がいたという。 名は 白石美咲。十二歳。遥斗と同じ年齢だった。
「大切な人を守れなかった」――手紙を書いた人物は、きっとその出来事に関わった誰かだ。
調べるうちに、ある先生の名が浮かび上がった。廃校舎でかつて生徒を教えていた教師、 藤堂。
事故のあと、彼は学校を辞め、町から姿を消したと噂されていた。
第三章 罪を抱える大人
夏の終わり、遥斗は勇気を出して、町はずれの小さな古本屋を訪れた。 そこには、白髪混じりの中年の男――藤堂がいた。
藤堂
遥斗
藤堂はしばらく沈黙した後、深く息を吐いた
藤堂
言葉が震えていた。罪を背負い続けた十年間。彼の声は、悔恨と共に閉ざされていたのだ。
第四章 受け継がれる命
遥斗
遥斗はそう問いかけた。 事故の記事には、美咲が最後に友達を川から突き飛ばし、自分だけが流されたと記されていた。 つまり、彼女は誰かを守ったのだ。
遥斗
遥斗の言葉に、藤堂の目に涙があふれた。
藤堂
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