桜の記憶🌸

高校2年生の俺には

学年１の美少女で人気者でもあり学年１の成績をもっている完璧な彼女がいる。

こんな平凡な俺にはもったいないくらいの彼女だ。

家

陽菜乃の家

待ち合わせ時間

優希の家

ｶﾞﾁｬｯ(玄関のドアを開ける)

俺は目を疑った。

家の近くの交差点に救急車とパトカーが止まっていて。

救急車に運ばれていく人は

陽菜乃だった。

病院

もしあのとき

俺が待ち合わせ時間に遅れなかったら、

陽菜乃が俺の家の近くに来ることもなくて

事故に巻き込まれることもなかったのか？

彼女は、、、目を開けない。

１カ月後

俺はあれから毎日陽菜乃の病室に来ている。

ただ、彼女は目を覚まさなかった。

陽菜乃の親友だ。

とうとう迎えてしまった。

高校の卒業式。

陽菜乃は１度も目を覚まさない。

杉野さんの言うとおり。俺が待ち合わせ時間に間に合ってたら、

今頃彼女は笑いながら話しかけてくれていただろう。

1年後

彼女が目を覚ましたらしい。

俺は急いで病院に向かった。

時が止まったように感じた。

ずいぶん前に聞いた看護師の言葉を思い出した。「脳になんらかの傷害がのこるか、記憶障害になるかもしれないの」

せっかく目を覚ましたのに

まともな会話すらできなかった。

そして

彼女は記憶を失ったのだ。

あのときから５年ほどたった

彼女とはもう会っていないし、俺は普通に働いている。

それに今は気になる人だって見つけた。

雰囲気も陽菜乃と少し似ていて、それがまたズキッと胸が苦しくなる。

まぁ、彼女のことなんか名前すら知らないけど

彼女のこともっと知りたいな。陽菜乃のことはもう諦めるか、、、

俺は彼女の名刺をみた。

【野々山】

たしか、陽菜乃の名字は、、 野々山だったよな、

ってまさかな。