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アルミ
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#カントリーヒューマンズ
ねがてぃぶろっこりー
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第7話、読み終わりました!ナチスとソ連の掛け合いが本当に面白くて、特に「がんばれ」の迷いなさには笑ってしまいました。静かなソ連のペースに振り回されるナチスの心情が丁寧に描かれていて、二人の距離感がじわじわ縮まっていくのが良いですね。終盤の日帝の内面の重みも伝わってきて、この先の展開が気になります。引き続き応援しています!
4日目 午前9時26分
……
ナチス
ナチス
……ん……?
ナチス
ナチス
ナチス
……あ……
もう朝か……。
ソ連
起き上がろうとしたが、上体が上がる寸前でまた寝転がる。
温かい……瞼が重くなる……。
ナチス
体が起き上がった。
ナチスが俺の様子を見かねて、体を引き上げたのだ。
ソ連
……まだ眠いのに……。
ナチス
……そうか、昨日は……
消灯がだいたい9時くらいだったから……。
ナチス
……12時間。
目が半開きのまま、左にいるナチスの顔を見た。
ナチスはしばらく黙った後……盛大に吹き出した。
ナチス
ナチス
ナチス
……笑い声ヤバ……。
人の顔見て、失礼な奴……。
でも、本気で嫌なわけでもなかった。
昨日よりかは、こいつの前で安心できる。
4日目 午前9時54分
……それぞれ菓子を食べ終え、向き合った。
ナチス
ソ連
1日目の探索で、俺はT字の棒を見つけたけれど……
それが役に立つ物だと思わず、捨てていってしまった。
しかし昨日、リビングの部屋でT字の棒を見つけた。
ナチス
ナチス
何のためにあるのかは分からないが……
2個も見つかったなら、きっと攻略に必要な物だ。
行くルートはともかく、 ゲーセン内のどこに捨てたかは行けば分かるだろう。
つまり、ゲーセンさえ見つければいい。
そこでT字の棒を拾って、俺の用は終わり。
ソ連に行きたい場所があったら、その後行けばいい話だ。
ナチス
ソ連は迷わずメモ帳を広げ、ボールペンを握って書き込んだ。
書き終えた字を俺に見せる。
3F
ナチス
ソ連
はっきりと頷いた。
ナチス
予想外だ。
こんなに迷いないのは何故だろう。
行きたい所があるという事は、ヒントに心当たりがあるという事。
何かミスしたんだろうか。
昨日から見ている限り、そんな事は無さそうな人間だが……。
ナチス
ソ連
こくりと頷いた。
……となると、まずはゲーセンだな……。
ルートが分からないけれど、元来た道をたどる事ならできる。
それにしたって不便だ。
2Fで3日間過ごしたが、 未だに全ての廊下を歩いていない気がする。
この3日で、この建造物が広いことは分かった。
広いうえにどこも同じような廊下のため、方向感覚が鈍ってくる。
ここのマップみたいなものがあればいいんだが……。
そんなに親切じゃないか……。
ナチス
立ち上がってドアの方に歩く。
ソ連もメモ帳とペンをしまい、後ろについてきた。
ゲーセンでT字の棒、その次に3F。
2日目に寝た部屋が見つかれば、その後は楽だろう。
ドアを開け、昨日来た方向に進んだ。
廊下に出て、昨日来た道をたどる。
カラフルなドアがたくさんついているだけで、 廊下は相変わらず灰色だ。
どこがどこだか分からない。
全て同じような風景だが、ソ連と会った場所は分かった。
一瞬だけ気まずかったが、ソ連は覚えていなさそうだった。
そこが見えても、興味が無さそうにぼーっと歩いていた。
その様子を見て呆れたが……気まずさは無くなった。
こいつの瞳には、ここがどんな風に映っているんだろう。
色とりどりなのかモノクロなのか、灰色なのか。
楽しいのかつまらないのか、苦しいのか。
そもそも興味が無いということもありそうだが……。
分かりにくいと、逆に気になる。
一昨日の探索では、本当に頭が回っていなかった。
栄養失調になりかけながら、ひたすら探し回った。
意識が朦朧としている中だったから……
どこを歩いていたのかさえ分からない。
ナチス
どこに行っても同じ景色の廊下で、ルートが分からない。
でも確実にここは歩いた。
どうしようか……。
思い出そうとしても、ドアの色なんて覚えていない。
……栄養失調とは恐ろしいものだ。
仕方ない……
ここら辺で片っ端からゲーセンを探す必要がある。
まずは右の廊下に行くか……。
4日目 午前10時57分
日帝
部屋の探索中、引き出しを頭から被ったアメリカに話しかけた。
アメリカ
ケースの中からくぐもった声が聞こえる。
さっきから変わらず独特な調べ方だ。
これは調べているのか……?と思いつつも、アメリカを見る。
日帝
日帝
アメリカが引き出しのケースを脱いだ。
アメリカ
日帝
……昨日、大きな古い廊下につながる鍵を開けた。
そこにあったのは、無数のドア。
「今まで探索してきた建造物と同じような棟が 数え切れないほどある」 という……気が遠くなるような事実にたどり着いた。
怪物になりかけた俺を、アメリカが止めてくれた。
あの時……アメリカは、 俺をあそこにいさせたら駄目だと思ったんだろう。
素早くあの廊下から連れ出してくれたから。
……俺があの廊下にまた戻ったら……
あの事実が蘇って、 またアメリカに迷惑をかけるかもしれない。
……迷惑をかけるのは嫌だ。
それに、俺もあの廊下に戻りたくない。
怪物になりかけたあの廊下。
でも、ここに籠もっているわけにもいかない。
あの廊下に行って、他の生徒と合流しなければならない。
俺は、守る側にいなければならないのだから。
日帝
アメリカ
アメリカから笑顔が消える。
それでも続ける。
日帝
アメリカ
アメリカからひしひしと伝わる疑念と不安。
それを晴らすために、体をしっかりとアメリカに向けた。
日帝
日帝
それでも、行かなければならない。
日帝
日帝
日帝
言い切って、アメリカの顔を見た。
アメリカ
アメリカは少し黙ってから、顔を上げた。
アメリカ
……その質問に拍子抜けする。
日帝
アメリカがぱっと顔を輝かせた。
俺の意見に賛成してくれたようだ。
日帝
その様子に少しほっとする。
日帝
アメリカ
アメリカは元気よく頷き、また調べるのに集中し始めた。
その姿を見て、自然と頬が緩んだ。
1人だったら、ここの攻略にもう少し時間がかかっただろう。
実際に、2人だから解決した部分はあるし。
かと言って他の生徒と手を組んでも、 安心して頼れる相手かどうかは分からない。
こんなにも協力的な生徒はあまりいないだろう。
会ったのがアメリカでよかった。
4日目 午後1時26分
機械音声
機械音声
4日目 午後1時29分
やっと見つけたゲーセンで、心当たりのある通路に着いた。
ナチス
通路の中央にしゃがみ込み、何も無い床を見回す。
絶対にここら辺に落とした。
いらない物だと思ったから、歩いている時にテキトーに落とした。
どこかにしまったり隠したりはしていない。
そのT字の棒も、 しゃがんで探さなくても分かる程度の大きさだった。
だから、ここに来たら普通に道ばたに落ちている……と、 思ったんだが……
……おかしいな……。
確実にここなのに……。
首を傾げていると、後ろにいたソ連がメモ帳を見せてきた。
隠されたんじゃないの
……隠された……
……妨害者に、ってことか。
ナチス
その可能性は十分にある。
攻略のヒントを隠して得するのは妨害者だけだ。
怪物が歩いて蹴ったとか
……言われてみればそれもあるな……。
怪物、見たことないけど……。
ナチス
ソ連
少し黙ってから、小さく頷いた。
まだ遭ったことのない怪物に、少し好奇心が芽生える。
映画に出てくるような怖いやつなんだろうか。
ナチス
ソ連は一瞬固まったが、渋々メモ帳に描いてくれた。
……………………
ナチス
吹き出しそうになるのを堪えた。
参考程度に……人を隣に描いてもらおう……。
ナチス
ソ連
すごく渋っていたが、少ししてから描いてくれた。
……………………
ナチス
親子じゃねえか。DNA一緒だろ。
こりゃあ、本物を見るまでは分からないな……。
もうこの話題はやめよう。
T字の棒がこのゲーセン内にあればいいが……
隅から探さないと、ここにあるのか無いのかさえ分からない。
ここを探すのは時間がかかりそうだ。
3Fの探索もするって朝決めたし……。
3Fに行く時間が無くなったら、ソ連に申し訳ない。
こいつ、ヒント探しにはとことん熱心だからな……。
ナチス
かなりの時間が無駄に溶けた。クソ。
立ち上がって、入り口に歩いていく。
ナチス
ソ連が俺の前に来て、大股で歩き出した。
ペースを合わせる気を全く感じない。
少しは合わせろよ……と言いそうになったが、 ついて行けないほど速いわけじゃないため飲み込む。
ソ連が入り口のドアを開けて出た。俺も続いて行く。
廊下に出た。灰色の空間に、カラフルな目立つドア。
どうしても慣れない。
そういえば、3Fに行くのは初めてだな……。
階段を見るのも初めてかもしれない。
やっと2F以外のフロアに行ける。
ソ連
何も言わずに階段を上っていく。
ソ連の広い背中を、ただ追っているだけ。
ナチス
気まずさはもう無い。
こういうやつだともう分かったから。
思ったほど大人しくないし、むしろ好奇心旺盛に見える。
喋らないけど、人と関わりたくないという意思は感じない。
喋らないこと以外を見れば、皆と同じなのだ。
メモ帳を渡したらすぐに受け取ってくれたし、
バウムクーヘンを奪われたらゼリーを奪ったし、
筆談を通せば自分の意見もしっかり伝えてくれる。
なぜ避けられているのかさっぱり分からない。
寡黙という領域を超えているが、悪い奴には見えない。
喋らないから怖い奴、と勝手に決めつけられているだけだ。
階段を上り終え、目の前に廊下が広がる。
やはり景色は2Fと変わらない。
ソ連
ソ連が振り返った。左の金色の瞳がこちらに向く。
ナチス
ソ連
ソ連は唇の前に人差し指を立てた。
静かにしろ、と唐突に伝えられた。
ナチス
何だろ。
理由は分からないが、なるべく音を立てないように歩く。
――ガタッ
ナチス
廊下に、何かが倒れる音が響き渡る。
喉から出そうになった声を何とか止めた。
ソ連を見るが、平然と歩いている。
なんで歩いてんだよ。
ソ連の肩を軽く2回叩いた。
ソ連
ソ連が眠そうな目でこちらに振り返る。
なんで眠そうなんだよ。
この音の正体が分かっていそうだが、教えてこない。
教えてくれ。マジで怖い。
そわそわしながら、 ソ連の真後ろで片方の手首を掴んでついて行く。
ソ連は「歩きづらい」と言うように俺の頭を小突いた。
それでもまだ進んでいく。
右に曲がって少し進むと、ソ連があるドアの前に飛んでいった。
それが目指していた部屋だろう。
慌ててソ連の背中を追う。
ソ連は部屋のドアを開け、素早く入っていく。
それに続いて俺も入った。
音を立てないよう、慎重にドアを閉めてから……
ソ連の隣に即座に行った。
ナチス
小さな声で喋った。
ナチス
ソ連はポケットからメモ帳を取り出し、開いて見せた。
ナチス
……あの音は怪物だったのか……。
さっさとメモ帳から目を逸らし、ドアの方を見る。
……怪物って、部屋に入ってくるのか……?
床にしゃがんで縮こまっている内に、ソ連は部屋を調べ始める。
焦る様子も何も無い。調べる事しか考えていない。
……せめて少しビビってくれ。
……俺も調べたいのに、怪物が気になって探索できない。
ナチス
ソ連
こちらに見向きもせず、背を向けて頷く。
気にならないのか……。
調べている箱を覗き込んで、ゴソゴソと探っている。
箱の中に興味津々だ。
……怪物に遭ったことがあるって言ってたな。
もう気にならなくなったのか。
羨ましいけど、気にならなくなるのはちょっと嫌だ。
4日目 午後1時34分
機械音声
機械音声
ソ連
箱を覗いていたソ連が急に振り返った。
手に何かを持っている。
ナチス
それは、何かの鍵だった。
少し錆びているが細長く、先端は非現実的な形をしている。
こんなのもあるのか、と鍵を見つめる。
どこかに使えるんだろうが、場所が分からなきゃだめだ。
ソ連
ソ連が黙って立ち上がった。
鍵を持ってドアの方にすたすたと去っていく。
何を考えているのか分からないのは変わらない。
ナチス
俺も立ち上がり、ソ連の後ろを歩いた。
見つけたばかりなのに。せっかちな奴め。
ソ連の隣に並んだ。
話しかけようとしたが、怪物がいる事を思い出して口を閉じる。
ソ連は来た道を引き返すわけでもなく、 奥へどんどん進んでいく。
どこを目指しているんだ。
何するんだ。
……だめだ、教えてくれそうな感じがしない。
ソ連の右肩を指でつっつく。
ソ連
振り返った顔はすごく嫌そうだ。
でも関係ない。目的地を教えてくれればいい。
ソ連のポケットを指さした。
ソ連は少し立ち止まってから、メモ帳とペンを取り出す。
今ので伝わるのか、と他人事のように思う。
メモ帳とペンを奪い、新しいページに乱雑に書き込んだ。
どこ行くの
ソ連にメモ帳とペンを押し付ける。
ソ連は迷わずペンを走らせた。少しだけ時間が長い。
やっと書き終えると、俺にメモ帳を渡した。
鍵穴あるところ行く いつだか見つけたから分かる
もう見つけてたのか。それなら鍵を使える。
きっとスタート地点がこのフロアなんだろう。
とは言え、色々な場所を探索してるんだな……。
食料も最初の方に見つけていそうだし、 怪物に遭っているみたいだし。
俺なんて瀕死状態でやっと食料を見つけたのに。
こいつはどこか余裕があって、落ち着いている。
何かあっても、そばにいれば 「何とかなるか」と思えるような……絶対的な安心感。
少なくとも、何があるのか分からないここでは頼れる存在だ。
ソ連
……急にソ連が立ち止まった。
周りを見回しても何も無いし、何があったのか分からない。
またメモ帳に何かを書き込み、見せてきた。
鍵穴あるところ分かんなくなった 探す
……
おい!
ナチス
ソ連は何の悪気も無さそうに次の文を書く。
手分けして探そ
いや俺もかよ。
別いいけど……。
ペンを奪い、メモ帳に書いた。
怪物来たらどうすればいい
ソ連は迷いなく書いた。
がんばれ
頑張れじゃねえよ。迷いなく書くな。
思いきり首を横に振る。
ソ連は俺の様子を見た後、メモ帳につけ足した。
俺は怪物いる方探す
ナチス
どうしても手分けしたいらしい。
安全より効率重視なのか。
自分が卑怯に思えてくるが、手分けするならそれが最善だ。
本人が提案したんだし、乗るしかない。
はっきり頷くと、ソ連は前の廊下を指差した。
あっちを探せ、ということだ。
確かに、さっきの音は後ろからだった。
ソ連が怪物にビビってなくてよかった……。
少し肩の力を抜きながら、一旦そこで解散した。
4日目 午後3時58分
機械音声
機械音声
4日目 午後6時04分
部屋の針時計が4時を指す頃に、鍵穴を見つけた。
あるじゃん、と口角が上がったが、そこからだ。
待ち合わせしようとしなかった事が最大のミスだった。
大声を出したら怪物が来るかもしれないし……
ソ連を探すためには 鍵穴がある部屋から離れなければならなかった。
当然、その部屋から離れたら場所が分からなくなる。
でも合流するために部屋を出てソ連を捜した。
見つからなすぎて1時間ほどうろついた。
ソ連が怪物から逃げてきた所で偶然再会し、 また鍵穴がある部屋に迷いながら行った。
本当に地獄絵図だったな……
鍵穴の捜索を始めてから、もう4時間経つかもしれない。
なんとか合流できた事が物凄い奇跡だ。
何時間か前に開けたカーテンの奥に、ドアがある。
真っ青で、所々に染みがついている古いドア。
ナチス
この先に何があるんだろう。
また新しいエリア、とかだったら最悪だ。
ここだけでもかなり広いから、もうこれ以上はいい。
秘密の部屋とかにしてくれ。
ソ連がポケットから鍵を取り出し、鍵穴に入れた。
手首を軽く回してから、鍵をまたポケットにしまう。
さあ、これで開くかどうか。
俺はドアノブに手をかけ、外側にドアを押した。
4日目 午後6時04分
古びた廊下で、アメリカと話をしているところだった。
ガチャッ
突然、手前のドアから音がした。
鍵を回した時に鳴る音。
日帝
アメリカもドアの方に振り返る。
次の瞬間、ドアが開いた。
中から出てきたのは生徒2人。
アメリカ
アメリカ
学校中で「背が高い」と有名な生徒と…
1学年だがサッカー部で副部長を務めている生徒。
どちらも学校内では知れ渡っている生徒だ。
斬新かつ派手な組み合わせに、思わずまばたきを3回した。
その2人も同じくこちらを見る。
急な鉢合わせにお互い固まった。
アメリカ
……が、その沈黙をアメリカが見事にぶち破る。
アメリカ
アメリカ
日帝
ナチス
ソ連
アメリカは俺の方に向き、ニカッと笑った。
アメリカ
……そこの2人に引かれている気がするが……。
……いや、自己紹介でこの空気を挽回するんだ。
2人も自己紹介する、という空気に持っていこう。
日帝
小さくお辞儀したあと、2人に向いた。
何も言わないが、しっかり見てくれている。
日帝
名前だけでも言ってくれればいい。
ナチス
片方の生徒が軽く手を挙げた。
ナチス
1年の生徒…ナチスは、隣でぼーっと立っているソ連を見た。
ソ連
ソ連はナチスに目をやったが、喋る気配は無い。
ナチス
ナチスがソ連を睨む。
でも、心からのヘイトは感じられない。
ソ連もあまり気にしていないようだ。
もとから仲が良いふうには見えないが、 ここで一緒に行動してきたんだろう。
仲が悪くなくてよかった。
ナチス
日帝
アメリカ
……3年2人と、1年と2年が1人ずつ。
威圧になってしまっていないだろうか……。
萎縮している様子は無いが、ちゃんと見てあげなければ。
唐突すぎてぎくしゃくしているが、 お互いの名前は分かった。
アメリカ
アメリカがまた俺のほうに振り返る。
日帝
短く頷いた。
日帝
日帝
ナチス
ナチスは廊下を見回し……不機嫌そうに顔をしかめる。
ナチス
日帝
攻略までにかかる時間。
やらなければならないノルマの量。
一瞬だけ頭によぎったそれを、奥底に押し込む。
日帝
日帝
生徒が出てくるまで待ち、 全員の安否を確認してからが本番だ。
ナチス
ナチスは怠そうに呟いた。
明らかに上から目線で、生意気な言葉選びだ。
しかし、敵対するような視線ではない。
ナチス
そう言って、ちらちらと俺のほうを窺っている。
俺が視線に気づいていることは、分かっていなさそうだ。
日帝
一番年上であることは悪いことばかりじゃない、 と兄様が言っていた。
やる事が多い分、 成し遂げた瞬間に見える景色が一番高くて美しい。
そう言って、よく頭を撫でてくれた。
俺はまだ、その景色を見たことがない。
日帝
できるだけ柔らかく微笑み、そう返した。
アメリカ
アメリカの声が廊下に響く。
アメリカ
底抜けな明るさが、この廊下の空虚さを埋めてくれた。
アメリカがナチスとソ連を見る。
初めて会った2人に聞くのは良い配慮だ。
ナチス
ナチスがソ連を見上げた。
ソ連は少しアメリカを見てから、 ポケットからメモ帳とペンを取り出した。
日帝
……筆談……?
喋ることができないんだろうか。
ナチスはそれを分かっているのか、特に反応しない。
ソ連はメモ帳に書き込んでから、アメリカに見せた。
アメリカ
アメリカはにこりと笑って了承し、俺の方に向く。
アメリカ
日帝
……喋らないけど、意思ははっきりとしているようだ。
意見が言えない子だったらどう対応しようか、と 不安になったが……
この様子なら、その心配はいらない。
アメリカ
アメリカはもうドアに向かって走り出している。
それを見て呆れながら、静かに歩き出す。
横にいたソ連とナチスを見た。
日帝
ナチス
ソ連
少し変わった2人だが……
一緒に行動できる人数が増えて、少し賑やかになりそうだ。
4日目 午後9時54分
……消灯後。
人数が多くて落ち着かないが…… 不思議と眠れそうな気がする。
あの廊下で初めてドアが開き、初めて生徒が来た。
これは大きな一歩だ。
この調子で、今後も生徒が出てくるだろう。
思ったより早く生徒が集まるかもしれない。
500人を集めるのに場所が必要だから……
人が多くなってきた場合の対応も考えていこう。
……日に日に、胸の奥が重くなっていく。
本当に脱出まで皆を導けるのか、という疑念と…
導かなければならない、という責任。
考えていないはずなのに、ずっとどこかに隠れている。
1人だと、尚更その重みを感じる。
もし、俺のせいで生徒が……
……いや……駄目だ。
考えれば考えるほど、抜け出せなくなる。
腹式呼吸に集中し、ゆっくりと息を吐く。
黒く染まっていく残像が、ぼんやりと浮かぶ。
意識を手放したのは、それから30分後の事だった。