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松下一成
成長痛ガチ膝にくる
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私、清水櫻子、21年目の初夏の話だった。
朝日
淡々とした声で私の恋人、朝日は言い放った。頭が一瞬麻痺したような感覚がした。気を紛らわすような明るい声で私は言った。
櫻子
朝日の表情が変わらないのを見て確信してしまった。 嗚呼これは真実なんだと。頭では分かっていても受け入れたく無い。そんな気持ちで私は一瞬でいっぱいになった。
櫻子
信じたく無い。そんな一心で私は少し上ずった声を出しながら滑稽な道化のような動きをした。 陶器のような顔をした朝日がやっと口を開いた。
朝日
頭が殴られるような感覚がする。
朝日
もう聞きたくない
朝日
やめてお願い
朝日
聞きたくない。お願い嘘だと言って
朝日
もうこれ以上現実を突きつけないでくれ
櫻子
私はいつのまにか大声を出していた。息が上がって、涙が溢れていた。 涙を拭ってもう一度、朝日の顔を見つめ直す。 変わらず、どこか飄々としていた表情だった。
櫻子
弱弱しい声で私は言った。 朝日は一瞬なにかを堪えるような顔をした後、意を決したように頷いた。
櫻子
朝日は強がったような声でこう言った。
朝日
涙がまた溢れ出した。
櫻子
朝日
私の中の糸が切れた
櫻子
その言葉を聞いた瞬間、朝日は苦虫を噛み潰したような顔をしながら初めて声を荒あげた。
朝日
いつのまにか私は彼女の胸ぐらを掴みながら叫んでいた
櫻子
きっと今の私の顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだろう。 でも今はそんなことどうでもいい。顔を気にする前に目の前の死を受け入れなければならないのだ。 気づくと朝日が泣いていた。呆然としたような顔で泣いていた。 その後、二人で気が済むまで泣いて泣いて、気づいたらおかしくてたまらなくて、笑っていた。
櫻子
鼻を啜りながら私は言った。
朝日
朝日がからかうような態度で私を突いてきた。
櫻子
朝日は一瞬目を見開いてから少し笑った。そして声を出した。
朝日