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地図を広げると、他の印とは異なる柔らかな筆跡で
【祈りの丘】と記された場所が目に留まった。
まるで誰かが後からそっと書き加えたようだった。
見つけてほしい。そんな願いが紙の上に静かに息づいていた。
悠馬
犬は静かに悠馬の足元に座り、じっと地図を見つめていた。
犬
悠馬と犬は、地図に導かれるまま【祈りの丘】へ向かって歩き出した。
丘の頂上にたどり着くと、そこには石でできた大きな仏像が立っていた。
犬
犬が仏像に近づくと、静かに座り、目を閉じた。
まるで“祈っている”ようだった。
悠馬
悠馬は仏像の前に立ち、静かに目を閉じた。
その瞬間、頭の中に声が響いてきた。
?
?
?
それは、島で命を失った人々の“祈り”だった。
悠馬はそっと手を合わせた。目を閉じたまま、心の中で語りかける。
悠馬
悠馬
悠馬
その瞬間仏像の足元にある小さな祠から
小さな鍵が浮かび上 がった。
第六の鍵 “祈りの鍵”
悠馬はそっと鍵に触れた。
その瞬間、風が止み、空がさらに澄み渡った。
犬が静かに立ち上がり、悠馬のそばに寄り添う。
犬
悠馬
悠馬は鍵をしまい、仏像の前で深く祈りを掲げた。
犬は静かに頷くように鼻を鳴らし、森の方へと歩き出す。
悠馬もそのあとを追い、足を踏み出す。
最後の鍵を求めて旅は、終わりへと近づいていく。