【ACT.1】 はじめてのおはよう
―― ―――― ――――……
柔らかな朝の光が 差し込む。
ゆっくりと目を開けた わたしの視界に 映ったのは……
朔良
おはよう、
羽衣《うい》
羽衣《うい》
朔良
― 朔良《さくら》 ―
羽衣
お、おはよう……
朔良くん
朔良くん
朔良
うん、よく眠れた
みたいだね
みたいだね
わたしのおはように、 朔良くんはやさしく 微笑んで応えてくれた。
わたし……そうだ。 昨夜、朔良くんと……
そして。
空良
ちょっと。
俺もいるってこと、
忘れて貰っちゃ
困るなぁ
俺もいるってこと、
忘れて貰っちゃ
困るなぁ
空良
― 空良《そら》 ―
羽衣
空良くん
朔良くんと空良くんは 双子で、わたしの 幼馴染み。
空良
わかってるよな、
羽衣
羽衣
空良
昨日からお前は、
俺たちのものに
なったんだってこと
俺たちのものに
なったんだってこと
羽衣
!!
空良
俺たちに愛されて、
お前があんな甘い声
あげるなんて
お前があんな甘い声
あげるなんて
空良
……知らなかった
羽衣
――……っ
わたしは恥ずかしくて、 上掛けに顔をうずめた。
そう、わたしは昨夜、 二人と――……
空良
お前は俺たちの
恋人になったんだ
恋人になったんだ
空良
今まで我慢してた
ぶん……
ぶん……
空良
これからはさんざん
可愛がってやる
可愛がってやる
羽衣
そ、空良くん
朔良
こーら、空良
朔良
羽衣が恥ずかし
がってるでしょ
がってるでしょ
空良
恥ずかしいって……、
昨夜はあんなこと
したってのに?
昨夜はあんなこと
したってのに?
朔良
羽衣は女の子
だからね
だからね
朔良
ごめんね、羽衣
朔良
はじめてが
三人で……なんて、
三人で……なんて、
朔良
大変だったよね
羽衣
う、うん……
空良
何言ってんだよ。
あんなによさそうに
喘いでたくせに
あんなによさそうに
喘いでたくせに
羽衣
……!!
朔良
空良!
朔良
もう朝だってこと、
わかってるよね?
わかってるよね?
空良
はいはい
朔良
……ねぇ、羽衣
朔良
僕たちは二人とも、
羽衣のことが大好き
で……
羽衣のことが大好き
で……
朔良
僕も空良も、
どうしても羽衣の
ハジメテが欲しか
ったんだ
どうしても羽衣の
ハジメテが欲しか
ったんだ
羽衣
うん……
朔良
羽衣も同じ気持ち
だったから、
だったから、
朔良
僕たち二人に
身を任せてくれた
んだよね?
身を任せてくれた
んだよね?
羽衣
朔良くん
空良
どーなんだよ、
羽衣
羽衣
空良
羽衣は俺たち
二人ともが好きで、
二人ともが好きで、
空良
どっちかなんて
選べないくらいに
選べないくらいに
空良
好きでいて
くれるんだよな?
くれるんだよな?
羽衣
空良くん……
幼なじみのわたしたち。
小さな頃、二人のお嫁さん にはなれないって知って、 泣きじゃくったっけ。
羽衣
うん……。
わたし、二人の
ことが好き
わたし、二人の
ことが好き
羽衣
朔良くんが好き
で……
空良くんが好き
で……、
で……
空良くんが好き
で……、
羽衣
ひとりなんて
選べない
選べない
朔良
うん、羽衣
羽衣
わたし、ずっと……
二人の恋人に
なりたかった
二人の恋人に
なりたかった
羽衣
……だから、
今は本当に幸せ
今は本当に幸せ
羽衣
二人と恋人に
なれて、結ばれて、
なれて、結ばれて、
羽衣
本当に嬉しい……
朔良
羽衣……僕も
空良
俺だって
同じ気持ちだ
同じ気持ちだ
空良
子供の頃から
ずっと、羽衣だけを
想い続けたんだ
ずっと、羽衣だけを
想い続けたんだ
空良
これからもずっと、
空良
お前を愛し続ける
朔良
僕たちの愛は
ぜんぶ、
ぜんぶ、
朔良
羽衣、
キミのものだよ
キミのものだよ
朔良
愛してる……羽衣
そうしてわたしたちは、 代わる代わる キスを交わした。
わたしは、 朔良くんと空良くん、 ふたりの恋人――……
きっと、これから先も、 ずっと。
ACT.2につづく……➡️







