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テヘル

くあ〜〜〜…

テヘルは欠伸をし、冷たい檻に手を添え、すりすりと撫でてみる

テヘル

(出れそうにはねえな〜…)

テヘル

にしても暇なんだよなぁ、なんかねーの?

カンカンと檻を叩いてみる

テヘル

おーい、いるんだろ?

退屈そうにそう言うテヘルに、ため息が聞こえてくる

 

煩わしい…お前のような人間に興味はないのじゃ。黙っておれ

 

どうせ大切に育てられてきて、妾のような教養のない人間の苦しみなど知らずに生きてきたんじゃろ

テヘル

よく言われる。そんなこと言わずにさ、アンタも暇じゃねーの?

テヘル

…アヴァ、さん?だっけ?

 

!?なんで知って…!

テヘル

お、当たった、そこに記してあったから

 

アヴァはパッとしゃがみこみ、テヘルの目線の先にあるそれを拾った

テヘル

それ、お守り?だとしたら…

テヘルは記してあった、送り主であろうもう1つの名を見た

 

…聞きたくない、もしそれが名なら言うな

テヘル

…へえ、なんかあった口か?

 

関係ないじゃろ

テヘル

関係ないけど気になるじゃん、バカにはしねえよ

テヘルはしゃがみこんだままのアヴァに向かってまっすぐ目を合わせる

そして、撫でたり叩いたりした冷たい金属の棒をぎゅっと握りしめて微笑んだ

テヘル

ほんと。

 

っ、で、でも

テヘル

いーだろ、それに…

テヘル

どーせここから出られなければ、俺は死ぬんだし。

 

 

はぁ〜〜〜…。そういう問題でもないのじゃが…

 

どうしても聞かねば騒ぐというなら教えてやる…

 

大切なものなんかじゃない、少なくとも今の妾にとっては。

ぎゅ、とお守りを両手で抱えてそういうものだから、テヘルは首を傾げる

テヘル

(それにしては大事そうにしてっけど…)

テヘル

(…まっ、そこまでは話してくんねーか)

 

…お主にも想い人がおるのか?

テヘル

…んー

テヘル

(やっぱり、色恋関係…か。)

テヘル

…色恋は……したくねぇなぁ

 

勿体無いのう

テヘル

あはっ、なにそれ褒めてくれてんの?ありがとな

 

あっ!別に褒めてなどないわ!

テヘル

ふ、そゆとこ

 

…っ〜〜、なんなのじゃお前は

 

黙って仲間か何かを待っていればいいじゃろ!

テヘル

…うーん?アイクのこと?まあ…もしかしたら来るかもな

テヘル

分かんねーけど

 

来ない可能性もあるのか?ふんっ、薄情な相棒じゃ

テヘル

そんなやつじゃねーよ、アイツはすげーいいやつだ

 

知らぬ!

テヘル

で、アヴァさんもやっぱいい人!

 

はぁ?

テヘル

だからこれは聞かなくてもいいけど…善意で言うよ

 

無言のアヴァに対して、テヘルはきれいな赤髪を揺らしながら告げる。

テヘル

テヘル

…アンタ、きっとこんなとこいない方が輝けるよ。

アメリア

…と、この辺りかな

メラ

やっとだー

サミュエル

サミュエルは踏み出した足を止める

サミュエル

…いい血の匂い……これ、テヘルくんだね

アイザック

いい血?まあ血筋はいいだろうけどそんなの感じるの?

アメリア

ほっとけアイザック

既に頭がショートしてそうなサミュエルに苦笑しながら、アメリアはそこを指差す

アメリア

あそこだな

アメリア

ただ…アヴァ1人の監視ではないかもな

アメリア

どれだけ強いやつがいるのか、何人いるのか、はたまた、いないのか。

アメリア

何も情報はないぞ

アメリア

本当に行くのか?アイザック

アメリア

下手すれば…お前が消されるぞ。

アイザック

関係ない、早く潰したい。

アイザック

…じゃ、行くね俺。ここまでありがと

アイザック

もういいから。

アメリアはただ、無言でアイザックを見送った

1人でアイザックがどう動くのか、気になったからだ

アメリア

しかしアイザックは隠れも怯えもせず、まっすぐとそこへ向かった

アメリア

はあ…脳筋か?

ミュール

…彼、本当はどのくらい強いのでしょうか

アメリア

ん?

ミュール

初めて見たときからずっと抑えていましたよね

ミュール

でももし抑えてくれる人がいなくなれば…彼は、もしかしたら、

歯切れは悪く、ミュールはただアイザックを観察する。

そして、誰もいないその奥の奥へ足を進めていく

…その数秒後に、大きな破壊音が響いた。

何にも興味なんてなかった。

ただ誰かが俺にこうしろというのを、いつも遂行するだけ

俺は運良く体や才には恵まれたようで

従ってさえいればお金がもらえて

…そうすれば俺は、死なずに済んだ。

…プライドと倫理観を捨てたら、簡単に金なんて稼げた。

だけどそういう仕事は面倒ごとが多かった

命を狙われることも多々あって

隠れる場所も安心できる場所も得られなかった

…そんで、今はさ

家もお金も、なんでも持っているテヘルに俺は拾われたんだ

そこからは人生、テヘルの言うことだけ聞いていればイージーモードで

やらなきゃだめってことさえやったら、自由で楽で、贅沢な暮らしをくれた

…でも、なんでかな

テヘルと知り合ってから…仕事なんかじゃなくても殺したいと思う人が増えた。

ほら…今だって、本当はめちゃくちゃ昂ってる…

全部、どうでもいい。

だから早く…俺に殺しを、やらせてくれ。

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