俺の兄弟は上から順に
紫 桃 橙 青 赤 黄
俺は次男の桃。
赤と黄は双子で、
二人ともよく笑う子だった。
赤は人の為に泣く、
人の痛みに敏感だった。
黄は少し病弱だけど、
それでも人を笑わせる為に 自分でもよく笑っていた。
でも黄の病気は治らず、 俺含め上の4人は黄に付きっきり。
赤は空気のように扱われた。
しだいに赤からの笑顔も消え、
全く笑わない子になった。
泣きもしない。
赤と黄が小学四年生に上がった頃、
それ程でも無いが黄の病気が悪化した。
元々あまり酷い病気では無かったので 悪化したと言っても 日常に支障は無い程度。
それでも"黄に"過保護な兄達は もっともっと黄と一緒に 居るようになった。
その分、家事が出来ないので
赤にお願いした。
...いや、押し付けたのかな。
あれから数年。
赤と黄が高校生にもなった頃、
黄の病気はだいぶ回復して 薬も要らないくらいにまで治った。
赤はと言うと、
ここ最近全然会ってない。
家には帰って来てるんだろうけど みんなが寝た後。
朝早くから家を出るから 会うタイミングが掴めない。
みんなも少し心配している様だったけど 今までの事があり
言うにも言えない様だった。
ある日の昼。
俺がいつもの様に パソコンで仕事をしていると、
紫ーくんから
「みんな集まって、」
と、気持ち落ち込んでるように言った。
俺は駆け足で紫ーくんの元に行き座る。
大体の予想はついてる。
おそらく赤だろう。
みんなが集まったのに目をやると、
赤がいない事が分かる。
少し罪悪感に浸されていると、 紫ーくんが口を開いた。
...と言うもの。
まぁ当たり前に俺は知らない。
とか思っていたら リビングの扉が開いた音がした。
ガチャ、
すぐさま扉に目をやる。
そこには小柄な 女の子の様に可愛らしい、
赤が居た。
軟骨にまで開けたピアス。
誰かからの貰い物であろう 銀のネックレス。
綺麗に整えられた薄い赤髪。
細く長い指に光る金や銀の指輪。
こんなの赤には買えないはずなので 誰かからの貰い物だろう。
俺はそっと口を開ける。
主語が無いから 分からないかも知れない。
でも赤は察したようで、
と、素っ気ない態度を取る。
そこで紫ーくんがみんな疑問に 思っているであろう事を赤に訊ねた。
優しく聞いているが少し圧がかかった 声だった。
それでも赤は何一つ動じす、
と応える。
それから続くように
と言った。
でもまた赤は口を開く。
俺達を睨むように言う。
確かにそうだ。
この家の家賃はほとんど赤が払ってる。
でも一人でこんなに払えるか?
それに金稼いでるって...
思った時にはもう口に出していた。
赤はまた面倒くさそうな顔をして こちらを見る。
その言葉ではっとする。
そう思ったのもつかの間。
赤が泣きそうな声で続ける。
えっ、と声が出そうだった。
「可愛い」って言われる?
「愛してる」って言われる?
一晩過ごす、?
その言葉がぐるぐると頭によぎる。
その時、今までの鋭い目付きが 嘘のように笑顔になった。
小さめのかばんから 何やら封筒を取り出し俺らに見せる。
と言う赤は少し 疲れているようにも見えた。
その時俺の頭の中で
パパ活
この3文字が浮かんだ。
もしこれが本当だったら?
赤は毎日のように夜、 見ず知らずの人に 抱かれているのだろうか。
俺らが...赤の事、ちゃんと 見れていなかったから、?
赤以外の全員が思っているようだった。
そう赤が言った時、 紫ーくんが口を開いた。
少し躊躇しながら応える。
それに赤は、
と寂しそうに笑って見せた。
その瞬間、兄弟みんなが赤に抱きついた
もちろん俺も。
黄が言った途端、 赤の目から涙が溢れ出した。
また赤が笑ってくれると嬉しいな。
244タップお疲れぃ 赤くんパパ活系めっちゃ書いてね? 気のせい?w
コメント
16件
赤くんのパパ活系の物語めっちゃ大好きです…!!!
わわめっちゃすきです;;♡
こういう物語大好き 沢山書いてやってください…… 別に書かなくてもいいですよ……