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れいな Reina

“タップしなければ、終わり”

れいな Reina

そんな、安っぽいホラー映画のキャッチにも似た

れいな Reina

でもすこし気になってしまったタイトルをタップする

 『タップオンテラー』 NecoBom

れいな Reina

いつもの帰り 電車のなかで

れいな Reina

TellerNovelを見るのがわたしの習慣だった

れいな Reina

テラーと略す友人もいるけれど

れいな Reina

略すならTNじゃない、と言ったら渋い顔をされた

れいな Reina

英語圏だと頭文字を取るのが普通なんだけどなぁ……

と、無意識に“読み進めていた”ことにやっと違和感を覚えた

れいな Reina

あれ?

わたしの考えていることが表示されてる?

れいな Reina

TellerNovelの画面をタップすると

れいな Reina

わたしがタップしていることが描写されたり

れいな Reina

試しに何か考えようとしたら

れいな Reina

いまここに“この文章”が表示された

れいな Reina

なに……これ

れいな Reina

!!

すると突然スマホが身震いするように振動して

画面が黒く染まってしまった

ねこばん NecoBom

いつの間にか、れいなの周りも真っ暗で

ねこばん NecoBom

一寸の先も見えないほどだった

ねこばん NecoBom

いま自分が電車にいるのかさえもわからないほどの暗闇で

ねこばん NecoBom

れいなは泣きそうになっていた

れいな Reina

“泣きそう”にはなってないけど……

れいな Reina

というか、あなたは誰?

ねこばん NecoBom

拍子抜けだな

ねこばん NecoBom

もっと慌てるかと

れいな Reina

何が起こったのかわからなさすぎるから、驚けないの

れいな Reina

車両の電気が消えて、何にも見えない

そして、どうにも現実味が感じられなかった

ふと、これがホラー映画なら大量のゾンビが襲ってくるシチュエーションだなとさえ思った

おかしな状況で、やけに淡々と考えている自分が不思議だった

れいな Reina

さっきまで人もいたのに、その気配も感じられない

ねこばん NecoBom

でも電車には確かにいるらしい

ねこばん NecoBom

つり革を持っていた手に感触が残ったままだ

ねこばん NecoBom

れいなは冷静に事態を把握しようとしていた

れいな Reina

描写しなくていいから

でも言う通り、つり革だけはまだ手で掴んだまま

しかしそれ以外は暗闇で、もう片方の手を伸ばしてみたけれど何も触れられなかった

れいな Reina

あなたは何者なの?

ねこばん NecoBom

いやあ、紹介はもう済んでるはずだけどね

ねこばん NecoBom

ちょっと上を見れば、ほら『NecoBom』って

れいな Reina

アイコンは見えてるよ、黒猫でしょ?

ねこばん NecoBom

違う違う、そっちじゃなくてさ……

『タップオンテラー』 NecoBom

ねこばん NecoBom

こっち

わたしがいまタップしているTellerNovelのタイトルだ

そしてその作者がここにいる――

れいな Reina

じゃあやっぱり、あなたが犯人なわけね

れいな Reina

こんな意味の分からない状況を作ったのは

ねこばん NecoBom

いやいや、全部ってわけじゃないさ

ねこばん NecoBom

手段はともかく

ねこばん NecoBom

れいなには、ここに来てもらう必要があった

やっぱり何だか、現実味がない

れいな Reina

何が目的なの? わたしをどうするつもり?

ねこばん NecoBom

れいな、君にはこの〈テラー端末〉で

ねこばん NecoBom

僕たちの世界を“作り直して”もらいたい

何かの物語の主人公になった感じだ

れいな Reina

テラー端末とは

ねこばん NecoBom

おい、僕は検索窓じゃないからな

例えばちょっと違うけど、ゲームでキャラクターを動かして遊んでいるような――

れいな Reina

いまはあなたにしか聞けないの

れいな Reina

これ以外の画面に変えらなくなってるし

ねこばん NecoBom

説明をしたいのは山々なんだけどね

ねこばん NecoBom

れいな Reina

どうしたの?

ねこばん NecoBom

とりあえず……

ねこばん NecoBom

逃げた方がいい

れいな Reina

え?

ねこばん NecoBom

さっきの妄想で、ややこしいことになった

れいな Reina

逃げるって? 妄想って? どういうこと?

ひたひたと、素足を引きずるような足音が近づいてくる

れいな Reina

誰か来たっ

ねこばん NecoBom

一応言っとくけど、助けじゃないからな

れいな Reina

何人かいるみたい

れいな Reina

結構足音が重なって聞こえる

何かが来る つり革から手が離れない 汗が頬を伝う

ねこばん NecoBom

おいこれ以上、何か考……

なんだか、ホラー映画みたい

そう思った瞬間、足音が変わった

ねこばん NecoBom

#2 タップオンホラー へ続く

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