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結局、理解されなかった
話すと決めた"できない理由"もちゃんと言えぬまま
帰ってきてしまった
恭也
恭也さんはそう言って強引に押し進めようとした
何とか理由を話そうとしたけど
恭也
恭也さんは震えている私の心を無視して
私の心の傷を癒すと言って
恭也
恭也
強引に唇を奪おうとした
愛紗
不安と恐怖で涙が止まらなかった
恭也
ハッキリ違うと言いたかったけど
恐怖で支配された状況ではうまく言葉にできず
愛紗
愛紗
恭也
恭也さんは怒り
二人だけの空間でどうすることもできない
早くこの場から立ち去りたい
家に帰りたいと強く思った
家に帰ればあの子に会えるかもしれないから
愛紗
鞄を掴んで部屋を出た
恭也
傘を持つのも忘れ
逃げるように走った
恭也
愛紗
恭也
恭也
怖い
怖い怖い怖い
愛紗
愛紗
恭也
愛紗
愛紗
恭也
恭也
駅に着いて電車を待っている間も
寄り添ってくれようとする恭也さんが怖かった
涙は止まることなく
電車の中でも震えが止まらない
いつもみたいに人混みから私を守ろうとしてくれる
あんなことがなければ嬉しいはずのことなのに
今はただ怖くてたまらなかった
花火大会の時みたいに私の肩を抱こうとしてきたけど
さりげなく鞄でガードしてやり過ごした
改札までついてきてくれたけど
私は目も合わせられず
無言のまま改札を抜けた
どうしても消えない
あの時の記憶
あの一件の後
私の方から別れを切り出した
元彼A
愛紗
元彼A
愛紗
いきなり胸ぐらを掴まれて
元彼A
そう言われた時
まるで血の気が引くように
自分の中にあった気持ちが冷めていった
それから半年後
元彼A
何人かの同級生の前で突然
元彼はあの一件を武勇伝のように語り始めた
中崎
元彼A
愛紗
愛紗
愛紗
内海
元彼A
愛紗
愛紗
理解できなかった
誇らしげに語る姿に吐き気がした
何も知らない同級生達はニヤニヤと笑みを浮かべ
元彼の言葉を完全に信じているようだった
反撃したくてもできなくて
無理矢理だったって言えなくて
ただ
嘘の否定を繰り返すことしかできなくて
忘れたいのに忘れられない
学生時代の記憶が
私の心を支配し続けている
ギュィィィィィィン!!
明日夢
明日夢
家に着いて
しばらくしたらあの子が来た
明日夢
明日夢
その問いかけにうまく答えることができなかった
いつか出会う運命の人
この子の言うことが信じられなくて
涙が溢れて止まらなくて
明日夢
凄く悲しそうな顔をさせてしまった