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如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
拓篤は私の妊娠を心から喜んでくれて
拓篤の笑顔に私も嬉しい気持ちでいっぱいになった
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
妊娠した私を気遣ってくれる優しい人
この時はそう思っていた
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
酷い吐き気と目眩
立っていることができず座り込んだ私に
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
拓篤の言葉に驚いて固まってしまった
酷い吐き気と目眩でとても動ける状態ではない
そんな私を気遣っているつもりなのだろうか?
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
やっと理解してくれたのかと安堵したのも束の間
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
そう言って出掛けていく拓篤の後ろ姿を呆然と見つめる
決して私を責めるつもりではなかったのだと思う
ただ拓篤の中で私には専業主婦と言う役割があって
拓篤は外で働いてお金を稼ぎ
私は家で家事をしながらそんな拓篤を支える
だからきっと
どんなに悪阻が酷くても手伝うことはない
如月拓篤
妊娠を告げた時の拓篤の言葉
これを思い出した時
最初から協力する気なんてなかったんだと思った
協力する気がないと言うよりも
協力しないのが当たり前だと思っている
これから更に酷くなってできないことも増えていく
それでも拓篤は何もしてくれないのだろうか?
それでも私に
如月拓篤
何て言うのだろうか?
数週間が経過し
それと共に悪阻もどんどん酷くなっていった
酷い吐き気と目眩
まともに取れない食事
それでも家のことを何一つしない拓篤
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
拓篤はそう言って席に着く
でも私は動くことができない
如月拓篤
動けない私の前で椅子に座り
何もせずこちらを見ている拓篤
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
動けない私に向かって放たれた言葉
その言葉があまりにもショックで
私は目眩でふらふらになりながらもトイレに籠った
一日中、吐き続けて既に空っぽになっていた胃の中から
酸っぱくて黄色い液体がわずかに放出される
喉の奥が焼けるようにヒリヒリと痛み
涙が溢れて止まらない
けれど拓篤はトイレまで移動した私を見て
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
そう言ってドアを何度も叩いてくる
如月優子
如月優子
苦しい
辛い
こんな状況でもがんばって料理をした
それを褒めてくれることはなく
ドンドンと扉を叩き続ける
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
次から次へと飛び出る衝撃発言の数々に
私はショックで気を失った
どれくらい時間が経ったのか
気がつくともう空が明るくなっていた
ふらつく身体を何とか起こして居間に戻ると
作った料理が手をつけられず鍋にそのままの状態で置かれていた
如月優子
何故あんな冷たい言い方をしたのか理解できなかった
それでも
子供が生まれたら変わってくれると信じ
悪阻と戦いながら必死に家事をこなした
それからも拓篤は家事を一切、手伝おうとはせず
悪阻が落ち着いて安定期に入る頃には
完全なモラハラ発言を繰り返すようになった
如月拓篤
二言目にはそう言ってネチネチ文句をつけてきて
それは陣痛が始まる直前まで続いた
実家の両親は遠方のため頼ることができず
近くにいる義母がたまに来てくれてはいたが
拓篤は義母の前では私に文句を言うことがないため
義母は普段のモラハラ発言を知らずにいた
陣痛が始まる直前
私は普段と変わらずに家事をこなしていた
その日は祝日で拓篤が家にいたのだが
相変わらず手伝う素振りはなく
如月拓篤
テレビを見ながら床を指差し私を見ようともしない
如月優子
そう返事をして床を掃除しようとした時
如月優子
腹部全体に強い痛みを感じ動けなくなった
如月拓篤
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
拓篤の言葉に血の気が引いていく
如月優子
如月拓篤
話が全く通じない
如月優子
陣痛の痛みに耐えながら必死に訴える
何とか説得して車を出してもらえたが
病院に着くまでずっと文句をいい続け
私に対する労いの言葉もなかった
病院に到着してからは地獄のような時間が続いた
なかなか子宮口が開かず
その間もずっと痛みが続く
帝王切開も覚悟していたが
最後は自然分娩で娘を出産することができた
陣痛が始まってから40時間以上
心身共にへとへとな私に義父母は労いの言葉をかけてくれたが
拓篤は自分のことしか頭になかったのか
如月拓篤
如月拓篤
こんな時に出てきた言葉がこれだ
それも義父母がいない時を狙って言ってくるから質が悪い
如月優子
如月拓篤
如月拓篤
如月拓篤
やっと生まれてきた娘には興味がないのか
助産師さんが新生児室から連れてきた我が子を
如月拓篤
避けるように出ていってしまった
これには助産師さんも驚き
助産師A
如月優子
妙な空気が流れてしまった