TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

桜笑

夏休みって世界で1番キラキラしてるって思わない?

ぐーっと体を伸ばすと肩が痛む

桜笑

全身筋肉痛だよ〜

 

ふふ、それは良かったね

桜笑

ていうか見習いくんの髪型ってかわいーね

 

かわいい?ああこれか

 

ジャマだからね、きみはソレ、ジャマじゃないの?

桜笑

ジャマなら切ればいいのに

桜笑

あれ、死んでても髪は切れるよね?

桜笑

そうだね、別にあたしはジャマとは思わないよ

 

ふーん…

 

きみはいつもおろしてるよね

そう言うとあたしの点検中で背後にいた見習いくんはあたしの髪に触れる

桜笑

ど、どーしたの?

手であたしの髪を軽くまとめて見習いくんはふむと頷く

 

くくっても似合うと思うけど

桜笑

桜笑

…くくってるのが好きなの?

 

別に

今度結ってみようかと考えていると見習いくんはまた口を開く

 

うん…大丈夫だね

桜笑

ありがとーう

桜笑

ていうかこれ、なんのための点検なの?

 

基本的に僕の役割はきみの情緒を安定させることだし…

 

同時に日常を変えることができたら何かのきっかけになるかなとか

 

死神の見習いなら何も気にせず接せるからラクかなとか

 

────いや、そういった色々な計らいはあるけれど

 

まあ、死因の特定ができればなんだっていいんだ

桜笑

ふーん?

桜笑

よく分かんないけどじゃあ、前にあたしの気分が軽くなったとき

桜笑

見習いくんと会ったあとだったのは偶然かなって思ってたんだけど

桜笑

もしかして何かした?

 

ああ、少しだけね

 

基本的には生者に影響を与えてはいけないからね

 

だけどデスくんが見えるきみは消えてはいけないから

 

そうなりたいと思うならそれを取り除くために頑張らなきゃね

ニコッと笑った見習いくんを凝視する

何故かは分からないし、確信は持てない

だけど、たまに感じていた見習いくんの言葉に対する違和感の

正体に、気づいた気がした

桜笑

────…

 

どうかした?

呆気に取られて言葉を失うあたしに見習いくんは笑いかける

桜笑

なんでも…ない

桜笑

また今度、話すよ♪

ニコッと笑ったあたしは

その奥で、震える手を握りしめた

 

そっか

 

じゃあ帰るね

桜笑

…うん、またね

桜笑

(そうだ、ずっとそうだった)

桜笑

(1番初めから見習いくんは言ってたのに…気づいていなかった)

桜笑

(死神くんも見習いくんも…ずっとそう、言ってたんだ)

2人の発言が脳内に蘇る

…やっぱり、俺が見えるのか?

デスくんが見える存在だから

だけどデスくんが見えるきみは消えてはいけないから

桜笑

(事あるごとに言われるその言葉)

桜笑

(あたしが世界を変えるとか意味のわかんないことを言ってて)

桜笑

(その意味ばっかりに、気を取られてた)

桜笑

(だけど見習いくんはお出かけのときにも、一緒にいるときにはいつも───)

あー…姿自体が見えないんだっけ?

…そうだね

桜笑

(見習いくんの姿もみんなから見えないのなら)

桜笑

(わざわざ死神くんがあたしの前に来て確かめる必要は無い)

桜笑

(それとも…死神と見習いでは見える基準が違うとか?)

桜笑

(どちらにせよ、見習いくんは笑ってるけど…)

桜笑

(あたしにまだ、何かを隠してる…気がする)

そしてそのあとの夏休みは

白也

おい…買いすぎじゃないか?

桜笑

そう言うかいちょーだって

桜笑

あたしお金貯めてるタイプだからね〜

桜笑

あれ、そういえば金欠なんじゃなかったっけ?

白也

ぐっ…

しろ…否、かいちょーとグッズを買いに行ったり

菜乃

はい、次桜笑ね

桜笑

菜乃ちゃんまじで声キレーすぎでしょ

菜乃

ん?別に、ていうかこれ歌える?

桜笑

あ、歌える〜あとでいっしょに歌お!

菜乃とカラオケに行ったり

美桜

『あー分かる分かる』

美桜

『京介そーゆーとこあるよね』

京介

『お前なんの話してんだよ!!』

京介

『俺の話をすんな俺の話を!』

美桜

『うるっさいな褒めてんのに』

美桜

『あ、桜笑ちゃんがだよ?私はバカにしてたけど』

京介

『黙れ!!』

桜笑

あはは、2人とも仲良いね〜

美桜さんと電話したり

瑠々

ちょっと危ないってー!!

瑠々

と見せかけて〜!!!!

桜笑

きゃーー!!!

桜笑

びっしょびしょ〜爆笑

菜乃

桜笑動き回りすぎてやばいでしょ笑

菜乃

さすが夏好き、テンション高い

それからプールにも行った!

夏休みは見習いくんはあまり来ない予定だったので

とにかく遊んで過ごした

すると楽しい日はすぐに過ぎるわけで

夏休みも、もう終わりに近づいた

桜笑

あとはみんなでお祭りか〜

ふふっと笑うと涙が出そうになる

桜笑

楽しすぎて…怖いな

桜笑

こんな幸せがいつかなくなっちゃうんだね

桜笑

なくなる前に死ねるなら…それで十分

京介くんも刹那ちゃんのことはモヤモヤしたままだろうし

あたしも見習いくんのことで気になってるけど

それでも、この最後の夏は最高の思い出を作りたいんだ

きみの笑顔が見たいだけ

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

400

コメント

5

ユーザー

桜笑さんにとって友達と”楽しく”過ごす最初で最後の夏休み、になっちゃうのかな……😢😢 見習いくんとの会話に違和感を感じた桜笑さん、これからどーなるんだろ……💦 夏休み最後の楽しみは夏祭りか〜!!何かありそーな予感……🤭💭((

ユーザー

桜笑ちゃん、最後の夏なんて悲しいな… 最初は死んで見習いくんと結ばれるパターンあると思ってたんだけど、どんどん死ぬって言うのが信じられなくなってます…(>_<)

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚