前哨戦

なんとブルーノは祓霊者がいない中ウロブランの封印に成功した

僕はすぐさまブルーノに抱きついた

今も絶対忘れない優しい笑みでブルーノは言った

何度も何度も何度も振り返りながら歩いた

その度僕はブルーノに語りかける

ブルーノもそれに返してくれる

いつもは優しいと感じるあの笑顔はその瞬間だけはとても儚く見えた

そこから僕はブルーノの真似をして「僕」と自分を指すようになった

そして苦しいことがあったら空を見るようになった

ブルーノを吸収してブルーノの姿になったウロブランを見た時は心の底から腸が煮え繰り返りそうだった

でも空を見て冷静になる、

本物の僕の愛したブルーノが見てるから

自分に個性を持たせるためにはじめた独特な語尾もやめずに続けてる

僕はブルーノのことが今も頭から離れない

籍入れていたからブルーノが旅立ってから数日後には僕の姓は「アンブレラ」になった

そしてブルーノからもらった記術のペンを使って祓霊者をはじめた

形見みたいな感覚

人を守れるように、ブルーノみたいになれるように祓霊者になった

なのに今の僕はまだ霊を全然祓えない

人も全然救えてない

いずれは僕もブルーノみたいに、

自分の身を挺してでも誰かを救えるような優しい大人になりたい

けどブルーノに繋いでもらった命だから死ぬわけにはいかない

けど、僕も死ぬまでに絶対、

誰かを守れるような傘になりたい