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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

今から数百年くらい前のこと。

これは、ある二人の女の子の 『前世の話』である。

エレン

……。

アレン

……。

エレンのイメージ。

アレンのイメージ。

──────。

エレン

……お兄様?

アレン

どうしたんだい?エレン。

エレン

……今日も、この国は、平和なのでしょうか……。

アレン

……きっと、そうだろう。

エレン

そうだよね。

アレン

……エレン。

アレン

……外の様子でも見に行くかい?

エレン

……そうしたいわ。

アレン

行こうか……。

〜お城の庭〜

エレン

……。

アレン

変わらず、だね。

エレン

そうね。

エレン

……国民の歌が聞こえる。

アレン

……そうだね。

エレン

今日も、平和そうで何より。

アレン

……うん。

エレン

……でも、私、怖いの。

アレン

……。

エレン

いつか、この国が『滅びる』んじゃないかって……。

アレン

……。

エレン

お父様もお母様も、何者かに殺されてしまうのでしょうか……。

アレン

……また、そんな夢を見ていたのかい?

エレン

……ずっと、出てくるの。

エレン

『予言』するかのように。

アレン

……。

アレン

信じたくないようで、信じないといけない真実……だよね。

エレン

……えぇ。

エレン

……。

エレンは、しゃがみ、 花達に触れる。 アレンは、それを見守っていた。

アレン

もし、それが本当ならば、俺らは……。

エレン

恐らく……。

エレン

殺される。

アレン

……。

アレン

そっか……。

エレン

……私、死にたくない。

アレン

……。

エレン

折角、お母様とお父様が、私を産んでくれたのに……。

エレン

お兄様にも会えたのに……。

エレン

……どうして、死なないといけないの?

アレン

……。

アレン

……俺だって、死にたくない。

アレンは、エレンと同じように しゃがんだ。

アレン

俺だって、折角、此処の人間として生まれてきたのに……。

アレン

……死ぬのが、怖い。

エレン

……お兄様……。

アレン

いつか、そんな日が来たら、どうなってもいいから、逃げなきゃ……。

アレン

生きたい……。

エレン

……そうね。

二人は、湖を見ながら 心からそう祈った。

だが、そんなのは、 叶うものでは無いと 現実は言った。

街の真ん中で、 王家が十字架に掛けられて 殺される日がやってきてしまった。

アレンとエレンは、 十字架に貼り付けられる前に 消えてゆく父と母を見ていた。

エレン

……。

アレン

……。

敵軍

これより、この国の崩壊が始まる!!!

敵軍

次は王子と王女を燃やす!

アレン

……。

エレン

お兄様……っ。

アレン

……エレン。

アレンは、その時、 エレンを優しく抱いた。

敵軍の警備が来る前に、 アレンは言う事があったのだろうか、 エレンの背中を摩っていた。

アレン

……逃げる事は、出来なかったけど。

アレン

……これが、俺達の結末になったとしても……。

アレン

大丈夫。家族は壊れない。

エレン

……っ。

アレン

……『来世』で、会おうね。

エレン

……お兄様……っ。

アレン

……愛してるよ。エレン。

アレン

家族として、一人の人間として。

アレン

……大丈夫。俺らはまた、会えるから。

エレン

……っ。

アレン

そう、信じて……。

アレン

絶対に、エレンに会いにいくよ。

エレン

……っ。

エレン

私も……っ、お兄様に、『来世』は、会いに行くから……っ!

エレン

お兄様に、会えて良かったわ……っ!

アレン

俺も、エレンに会えて良かった。

アレンは、エレンの額に口付けた。 警備が来るまで、 二人は抱き合っていた。

そして、警備が来ると 二人は十字架の前に来た。

十字架に貼り付けられると そこに炎が広がった。

燃えていく二人の身体。

二人は、 『また会える事』を信じて 燃やされていく。

「また『来世』で会おうね。」

アレンは、その一言のみ言うと、 息を引き取った。

「……また『いつか』……。」

エレンは、それに答えると 彼女も息を引き取った。

その残像は 『彼女達』の記憶には無かった。

〜現在〜 〜春の空間〜

フローラ

……今日も桜が綺麗ね〜♪

マイア

そうですね。

王家の兄妹は、 二人の少女に生まれ変わった。

だが、彼女達には 『人間の頃の記憶が無い』

人間の頃の二人は……。 『実の姉妹』だと言う。

最初は、双子として生まれてきたが フローラではない片方の子……マイアが 生まれたばかりで亡くなった。

今度は双子ではないが 妹として生まれ変われた。

その時の彼女達の名前は。

フローラは 『倉木 花蓮(くらき かれん)』

マイアは 『倉木 美桜(くらき みお)』

二人はそんな事を知らずに 変わらず、この空間の中に居る。

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