夜になると
三村は再び手錠でお互いを繋ぎ
寄り添うように眠りについた
三村優真
三村優真
三村優真
「ちょっとだけ……」
三村優真
「大丈夫」
「お兄ちゃんよりは平気」
眠る前に彼女が書いた言葉
彼女は兄から性的虐待を受けている
手首を拘束され
身体中を殴られ切りつけられながら
その恐怖で声を失ったのか……
隣で安心したように眠る彼女の頭を撫でながら
三村優真
三村はそっと頬にキスをして……
ブーーっ
ブーーっ
ここでアラームが作動する
十五分と言う時間は本当に少ない
私が医師免許を持った精神科医であれば
もっとちゃんとしたカウンセリングの時間を得られる
臨床心理士と言えば聞こえはいいが
ただのカウンセラーに過ぎないのだ
沢田マリカ
沢田マリカ
事務所に戻り報告書をまとめる
芹沢大和
沢田マリカ
芹沢大和
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
芹沢大和
芹沢さんの言いたいことはわかる
焦ったっていいことはない
でも時間は短いし日数も限られていて
どうしても焦る気持ちが出てしまう
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
芹沢大和
芹沢大和
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
私が聞いているのは
三村の一方的な証言だけで
それを裏付ける確たる証拠もない
でも三村は何度も私に訴えてくる
三村優真
確かに三村は彼女を拉致した
それは本人も認めている
でも監禁の事実は否定し続けていて
"愛していたからそばにいた"
"今でも彼女を愛している"
私にそう訴えかけてくるのだ
少しでいい
少しでいいから
彼女に関する証言があれば……
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