勾留四日目
この日の最高気温は36.3度
曇ってはいるが蒸し暑く
じめじめとした屋外から警察署内に入ると
そこはもう楽園のような涼しさで
沢田マリカ
思わずそうつぶやいてしまうほどだった
沢田マリカ
三村優真
沢田マリカ
沢田マリカ
沢田マリカ
沢田マリカ
三村優真
三村優真
三村優真
三村優真
嘘をついているようにはどうしても思えない
この青年の眼差しは
いつだって本気で
ずっと彼女のことを心配していて
本当に彼女のことを想っている
そう思った
2010年5月20日
三村が彼女を拉致してから一週間が過ぎた
最初の夜に彼女を抱いた三村だったが
彼女が虐待を受けていていることを知り
その二日後には湿布薬等を購入
治療の前には必ず
身体中の痣や傷に消毒と言う名のキスをして
全ての痣に湿布薬を貼り
切り傷には化膿止めの軟膏を塗り
大サイズの絆創膏を貼る
真新しい傷からは微かな出血もあり
彼女に痛み止の飲み薬を飲ませていた
三村優真
三村の言葉に彼女が頷く
三村優真
三村優真
三村優真
一通りの治療を終えると
三村は彼女をそっと抱き締める
彼女の怪我を気遣い
初日以降は何もしなかった三村だが
寝る前には必ずキスをするようになっていて
最初は戸惑いを見せていた彼女も
すっかりそれを受け入れるようになっていた
三村優真
三村優真
恥ずかしそうに頬を赤らめ
コクりと頷く彼女に
三村は再びキスをした
とろけるような熱く甘いキスの後
またお互いを手錠で繋いで眠りにつく
三村優真
消毒と言う名のキス
それと手錠を用いること以外は
普通の恋人達と何も変わらない
沢田マリカ
三村優真
三村優真
沢田マリカ
三村優真
三村優真
三村優真
三村は愛を求めていた
もしかしたら一目惚れだったのかもしれない
だがまともな愛を知らずに育った三村には
連れ去ると言う方法しか思い付かなかった可能性もある
もし本当に彼女が虐待を受けていたとしたら
そんな三村の差し出した手に
救いを求めたのだろうか?
ブーーっ
ブーーっ
ここでアラームが作動した
沢田マリカ
私を見つめる三村の目の奥には
ずっと彼女の存在があるように思える
もっと知りたい
二人の過ごした三ヶ月を
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