遙
ドン
何かを鈍器で殴ったような
鈍い音が響いた
夢だと思った
夢であって欲しいと思った
美月は本当に“レイ”になってしまった
美月がいなくなってから、レイになってから4日後 9月19日
たった4日にしていつもの日常に戻った
………というわけには行かなかった
僕はあの日の夜から固く決心した
遙
遙
僕が美月を好きだと気づいてしまった日から丁度良1ヶ月の今日に
遙
そんなバカなこと考えて、僕は海へ向かった
9月の海
この時期だし、流石に人はいなかった
遙
と、決意した途端、僕は大事なことを思い出した
遙
そう、まだ美月から最後に貰った手紙を読んでいなかった
遙
遙ちゃんへ 遙ちゃんは無反応が多くて、あまり喋らないけど、たまに見せる笑顔が本当に可愛いです!! 私は遙ちゃんが好きです。もちろん恋愛的な意味でね? でも、きっと、遙ちゃんは私が嫌いだと思います。嫌だったらこの手紙も捨てて下さい。私の事嫌いなのに、いつもいつも私と一緒にいてくれてありがとうございました。しつこくてキモいと思いますが、もう一度言います 遙ちゃん、大好きです。
遙
遙
遙
遙
遙
遙
遙
遙
遙
遙
遙
遙
遙
僕は海に向かって叫んだ
遙
遙
遙
遙
遙
次の瞬間何かの記憶が僕の頭の中で暴れた
遙
遙
遙
この世界は僕の失った記憶の世界なんだ
遙
遙
遙
僕はもう何も考えられなくなった
この感情は罪悪感なんてものじゃない、そんな言葉じゃ軽すぎる
僕は海へと入って行った
9月の海は冷たすぎて、すぐに足が麻痺してきた
潜ろうとしたその瞬間
“レイ”
遙
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