コメント
6件
めっちゃいいですこの太宰さんらしさ、入水という◯中の仕方、どれも素晴らしいです。
織田作之助
家に戻る道中、織田がコンビニに車を停めた。
太宰は敦と二人きりになる。
あんなにも泣き腫らしたのは久しぶりで、
年上が、ということもあり、少し恥ずかしく俯いてしまった。
だが、太宰は勇気を出して、敦にたずねた。
太宰治
中島敦
太宰治
中島敦
顔がぽぽぽ、と赤くなる。
こんなタイミングでよく言おうと思ったな、だなんて思ったが、
敦の言う通り、互いのことをもっと知れた気がして、
熱に酔った勢いで言ってしまおうと思ったのだ。
太宰治
敦はゆっくりと首を縦に振る。
太宰治
太宰治
太宰治
敦の顔がまともに見れない。
敦の呼吸が聞こえる。
中島敦
どん底に落とされた気分だった。
そのはっきりとした口調が太宰の頭を真っ白に染め上げた。
中島敦
中島敦
中島敦
何も頭に入らなかった。
ただ体だけは無意識に動いた。
中島敦
太宰は後部座席から運転席へと座った。
免許は、持っているから問題はない。
中島敦
太宰治
太宰は大声を上げると同時に車のアクセルを踏んだ。
そして慣れない手つきで車を運転する。
中島敦
太宰治
敦は太宰の声に驚き、へなへなと肩を落とす。
そして向かった先は
海だった。
太宰は敦を車から抱き抱えて運び出し、
海の中へひた、ひた、と入り始めた。
中島敦
太宰治
太宰治
水は太宰の腹部まで浸る。
敦は太宰のこの行動に理解ができなかった。
太宰治
太宰治
太宰の目には涙が浮かんでいた。
太宰治
太宰治
太宰治
太宰の涙が敦の頬に滴る。
太宰治
ドボン
海水の中は冷たかった。
敦が苦しそうにもがいている。
太宰はその姿に下半身がきゅっと鳴ったのを感じた。
苦しそうな敦でさえも、可愛らしかった。
そして、自分が今何をしているのか、我にかえった。
だが、敦の苦しそうな顔に心臓が大きく波打ち、
海面から顔を出したくなかった。
このまま二人で死んでやろう。
そう、敦の首をぎゅっと両手で締め上げた。
だが、気分は最悪だった。
バッドエンド
執着の心中