志帆の母
志帆〜!
志帆
何?
志帆の母
あなた、またテスト100点だったの!?
志帆
うん。まあね。
志帆の母
すごいわ!全問100点だなんて!
志帆の母
パパ!今日はお寿司食べに行きましょう!
志帆の父
たまには寿司もいいな。
志帆
ありがとう!お母さん!お父さん!
自分で言うのもだけど、私は勉強も運動もクラスでは上位の方。
そして、みんなから美人!とか、かわいい!とか毎日のように言われる。
凛
志帆!おはよう!
志帆
おはよう。凛。
真紀
志帆〜!ここわかんないの〜!教えて〜!
志帆
いいよ。
凛
志帆。真紀に教えてる間に私志帆の宿題出しとくね!
志帆
ありがとう。凛。
こう私はとても素敵なお姫様のような日々を送っているの!
真紀
じゃ!また明日!
志帆
うん。バイバイ。
志帆
え!?どういうこと!?
志帆
私、何で雲の上にいるの!?
天使
やっと目覚めたか〜
志帆
あなた誰よ!?
天使
僕〜?僕はね〜
天使
天使だよ〜!
志帆
て、天使!?
志帆
(私、夢でも見ているのかしら…。)
天使
これは夢じゃないよ〜?現実さ〜
天使
なんで私が思ったことわかるの?って顔してるね〜
天使
僕は人の心が読めるんだ〜
天使
だから、誰が君のことを嫌いで、誰が君のことを好きなのかも、
天使
君がいつ友達だよっ!って言った人を嫌っているのかも
天使
全部僕にはお見通し!
志帆
あんた…さっきから何を言ってるのよ!?
志帆
というかここはどこ!?
天使
ここは天国だよ〜
志帆
は!?
志帆
なんで私が天国なんかにいるのよ!?
天使
あっれれ〜?君、覚えせないの〜?
天使
君は死んだんだよ?
志帆
は、はぁ?
天使
君は大親友と誓った真紀ちゃんって子と別れたら、
天使
車にひかれて死んだんじゃないか〜
志帆
(たしかに…記憶は定かではないけど…私…真紀と別れてから…)
天使
死んだんだよ?
志帆
本当にあなた、私の考えくることがわかるのね。
天使
そうさ。
志帆
じゃあ、私が今思っていること喋ってみて
天使
いいよ〜
志帆
(現実に戻りたい。早く自分よ目を覚ませ。そして、私をまた成功作にしたてあげろ)
天使
わかった〜!
天使
現実に戻りたい。早く自分よ目を覚ませ。そして、私をまた成功作にしたてあげろ。だね〜?
志帆
本当にわかるんだ!
天使
そうさ〜!
天使
で、これは何度も説明するけど、夢じゃない。
天使
そして君は死んだ。
天使
そして、君は一生現実には戻れないし帰れない。
天使
そして君は一生帰らぬ人となった。もちろん目なんか覚まさない。
天使
そして、君は成功作でもなんでもない。
天使
そして君は…
天使
もう死んだ。
志帆
うるさいっっ!!!!
天使
大声を出さないでよ〜
志帆
私は100年に1度の成功作なのよ!
志帆
勉強もできて、運動神経も良くて、そして優しくて面白くて、可愛くて綺麗で…
志帆
私は勝ち組!そう!勝ち組の中の勝ち組の人間なのよ!
志帆
あんたみたいな天使ごときに死んだ!とか、目を覚ますことはできない!とか…君は成功作でもなんでもない!とか、言われる筋合いは…
志帆
ないんだよっっ!!!!!
天使
君は本当に自分大好き人間だね〜
天使
君、そういうの、なんていうか知ってる?
志帆
は?
天使
そういうのって、「ナルシシスト」っていうんだよ〜!
志帆
私は自他共に認める成功作よ!
天使
何度言えばわかるんだ〜?
天使
君は外見だけ成功作だよね〜
志帆
どういうこと?中身は汚いって言いたいの?
天使
そうさ〜!みんなには私は素晴らしい。という風に振舞っているが、
天使
前真紀ちゃんとはないけど、凛ちゃんってこと喧嘩したときあったよね〜
天使
僕は雲の上から、大人気ない喧嘩だな〜くだらない…と思ってみていたんだ。
天使
そのとき確かに君は心で呟いた。
天使
凛なんて大っ嫌い。私より地位は低いくせに、私に尻尾振って寄って来やがって…
天使
この清潔な私の体に触るんじゃねーよ。この貧乏クソ豚ブサイクが!ってね〜
天使
僕はこの時、人間は怖いもの。恐ろしいものなんだな〜と初めて実感したのを覚えているよ。
志帆
そんなこと思ってなんかっ…
天使
嘘だね。
天使
君はいつもそうやって嘘をつくよね。
天使
僕は嘘つき人間がこの世で1番大っ嫌いなんだ!
志帆
ッ…!
天使
ある日いじめられていた女の子を助けた時もそう。
天使
口では「大丈夫?一緒にお弁当食べよ?」とか行ってたくせに、
天使
これはいじめっ子ちゃんたちへの協力だったんでしょ?
天使
僕知ってるよ〜?だって大丈夫?って話しかけてた時に、
天使
これは作戦だけどね〜!あんたを裏切るねっ!ってさ〜
天使
言ってたよ〜
志帆
ちょっとあんたうるさいわよ!
天使
誰にだって、心が黒い部分はある。
天使
僕はそれは個人差があって、雲の上から見てると、この人はここが黒いけど、ここが白い人なんだ。とか、
天使
この人はさっきの人と違ってここは白いけど、ここがちょっと意地汚いな〜とか、
天使
それはいいと思うんだ。だって必ず人っていうのは黒い部分があるから。
志帆
じゃあ私もっ!
天使
でも!
天使
君は違うんだ。
天使
東西南北上下左右360°。
天使
どこからどう見ても君の心には黒い部分しかない。
天使
ちょっと白っぽいとか、灰色の部分とかそういうのも一切ない。
天使
君の心は真夜中の空のような黒いところしかないんだ!
天使
それを成功作だと?
天使
君の汚い本性を知っていて?その僕が君に成功作と言え?
天使
はははっ!お世辞にも綺麗とは言えないほど黒いんだもの。
天使
つけれないね。そんな素敵な称号は。
天使
君は欲深すぎる。
天使
世の中にはいじめに耐えられなくなって自ら命を絶った者もいるのにさ。
天使
その子は全然欲なんか出さないで人生を終えたよ。
天使
君は無理だろう?そんな人生。
天使
だって君、褒められるこの大好き依存症だもん。
志帆
もぅやめて…
天使
ん?
志帆
もう…私の過去を探るのはやめてくださいっ!
天使
やっとで反省したか。
天使
これからお前は僕のお母さん。つまり女王様に謝罪しに行け。
天使
きっと地獄行きは免れないだろう。
天使
そして、その地獄で、自分の犯してしまったことを反省するがいい。
志帆
はい…