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我々怪異研究部!!

第37話 - 身体さがしゲーム!!

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2025年09月06日

#司類

#冬彰

#ホラー

#ほのぼの

#感動

あかまる🍓🐾໊

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司

今週末はどうだ？

類

うぅん、お泊まりかぁ…行きたいんだけどねぇ、

類

君のご家族の迷惑にならない？

司

家族は気にしないと思うんだが…

司

まぁ、類が気になるのなら…家族のいない時に、二人でどうだ？

類

司くんの助平〜

司

どこがだ？！？！

類

ふふ、冗談だよ。

司

ま、全く…！！お前はいつもオレのことを助平扱いして…

類

もう彰人くんたち来てるかな？

司

って、スルーするな！

ガチャッ

類

おや？

司

どうした？

類

見て。机の上にお人形さんがいる。

司

…ほ、本当だ、

司

日本人形…だろうか？状態は綺麗だな。

類

そうだね。昨日まで無かった気がするけど…心当たりはあるかい？

司

いや、全く…彰人と冬弥にも聞いてみるか。

ガチャッ

彰人

こんにちはー

冬弥

こんにちは。

司

おぉ！2人とも、丁度良かった！

冬弥

その机の上の人形は…？

類

あぁ、僕らが来た時からあってね。何か知らない？

彰人

いや、全く。昨日までありませんでしたよね？

司

あぁ、そうなんだ。2人も知らないとなると…

司

この人形は怪異的なものなのか…？

類

まぁ、これまでの経験上ねぇ

冬弥

誰かが置いたとしても、不審ですし…

彰人

呪いの人形だったりして。

司

やめろ、シャレにならん

彰人

けど、日本人形ってちょっと怖いイメージありません？

司

ま、まぁたしかに…不気味ではあるが…

類

髪が伸びる日本人形、とか、よく聞くよね。

冬弥

たしかに、聞いた事あります。

彰人

…これ、どうします？

司

むぅ……ここに置いておくのも不気味だが、無闇に触るのもなぁ…

類

何か無いのかい？突然日本人形がいる、みたいな怪談話。

司

パッと思い付くもので、今の状況と似たようなものは無いな…

司

…なんか怖いし、今日はもう帰るか？

彰人

相変わらずビビりですね。

司

こ、怖いだろう！もし下手なことして呪われたらどうするんだ！

彰人

そのまま置いて帰る方が、呪われそうじゃないですか？

司

ぐ、ぐぬ……言われてみればそうかもしれんが……

類

じゃあ…何か、お供えでもしてから帰る…？

司

お、お供え……？？

冬弥

えっと……クッキーならありますが、

彰人

オレも、お菓子なら色々ありますけど。

司

えぇっと、オレは……この可愛らしいヘアピンしかないな。

類

逆に何で持ってるんだい？

司

今朝洗顔した時に使ったまま、間違えて学校まで付けてきた。

司

類は何かあるのか？

類

そうだねぇ……今朝摘んできたお花ならあるよ。

司

それこそ何故だ？？

類

押し花にしようと思って。

司

お、押し花…

彰人

じゃあ、これ置いて帰りますか？

司

こんなのでいいのか分からんが…まぁ、何もしないよりはな。

司

……よし、

司

じゃあ、今日はこのまま解散するぞ！

冬弥

明日も変わらずあったらどうしますか？

司

そ、その時は……また考えよう！

司

ひとまず、今日は解散とする！気を付けて帰るように！

類

は〜い

彰人

ただいまー、

絵名

あっ、おかえり！

彰人

(なんかテンション高いな)

彰人

今から学校？

絵名

そう。そろそろ出るとこ。

絵名

あ、そうだ。チーズケーキ、アンタの分も買ってあるから。

彰人

？！

彰人

え、あ、は？！どうした？！頭打った？！

絵名

ちょっと、何よ。失礼ね。

彰人

いや、だってお前が……

彰人

何かいい事でもあったのか？

絵名

ふふん、まぁね〜

絵名

っと、早く行かなきゃ！行ってきまーす！

彰人

行ってらっしゃい

彰人

(一瞬別人か、怪異に乗っ取られたのかと思ったが…普通に機嫌良いだけだったな。)

彰人

(明日大嵐かも…)

司

んん……？

司

…ん？

司

(ここは……夢か？)

冬弥

先輩？

司

！

類

あれ、みんないるねぇ

彰人

本当だ。これ夢ですか？

司

わ、分からん。そもそもここがどこなのか…

いらっしゃい。よく来てくれたわね。

司

！？

司

(なんだ？この姿どこかで見た気が…)

類

……君、あのお人形さんかい？

司

！

ふふ、えぇ。お菓子ありがとう、美味しかったわ。

とっても可愛い飾りと、綺麗なお花までくれてありがとう。

司

あ、あぁ。喜んでくれたのなら良かった！

類

用件はそれだけかい？

いいえ、本題は違うわ。

貴方たちからの贈り物が、とても嬉しかったの。だから、お礼をしたくてね。

楽しい楽しい、ゲームにご招待したのよ。

司

ゲーム……？

そう。題して、"身体さがし"ゲーム。

司

か、身体…さがし…？

ルールは簡単。この家のどこかにある「身体」のパーツを時間内に見つけ出すだけ。

司

(この家のどこか……見たところ、この階の部屋数は4つ。)

司

(何階建てかは分からんが、この家の中にあるのならそこまで難しくなさそうだな。)

時間内に最低3つのパーツが見付けられたら合格よ。

司

(3つでいいのか。良心的だな。)

あぁ、言い忘れてたわ。もちろん、何も代償が無いわけじゃない。

時間内に最低3つのパーツも見付けられなかった時は、あなた達の身体の一部を代わりにもらうからね。

司

？！

さて、こんなものかしら。

また何かあれば、いつでも聞きに来てちょうだい。

私はここ…"桜"にいるから。

司

(桜…？)

じゃあ、始めるわよ。ゲームスタート♪

司

！

司

(さっきと同じ場所…だが、あの人形が消えた…)

類

つ、司くん！首…！

司

く、首？

彰人

うわっ、なんか点線出てますよ。

司

点線？！

冬弥

はい。首に1周、切り取り線のようなものが…

司

切り取り線？！？

司

じ、自分では見えんが……

司

もしや、さっき人形の言ってた「失敗した際の代償」の部位か…？

類

だとしたら…君は"頭"ってこと？

彰人

やっば

司

彰人たちには無いのか？

冬弥

えっと……

冬弥

…あっ、腕にあります。

彰人

おぉ、足にある。

司

オレが頭、冬弥が腕、彰人が足…

司

……類は？

類

ちょっと脱いで確認するから、全員あっち向いててね。

司

脱？！

彰人

ほら、司センパイ。セクハラになりますよ。

司

同性だが？！

類

そんなに見たいのかい？やっぱり助平だねぇ

司

違うわっ！！

類

冬弥くん、司くんの目塞いでてね。

冬弥

わ、分かりました。

司

そんなに信用が無いか………

司

どうだ？あったか？

類

…

類

あぁ、中々際どい位置にね。

司

どこだった？

類

線を見る限りは、恐らく"胴体"…と言ったところだろう。

司

！！

彰人

無くなったらヤバいですね。

類

そうだねぇ

冬弥

そういえば、制限時間って…

類

あぁ、さっき脱いだ時に見付けたんだけど、ポケットに砂時計が入っていたんだ。

司

ポケット……む、本当だ。

彰人

なるほど。これが制限時間か。

冬弥

最低3つ見付けなきゃいけないんですよね。

司

あぁ。早いとこ探しに行こう。

司

幸い、この家だけを探せばいいらしいから、そこまで難しくないとは思う。

類

おや、これは何かな？

司

ん？

類

ほら。この扉の隣に『桔梗』って書いてある。

冬弥

桔梗……花ですよね？

彰人

部屋の名前ってこと？

司

あぁ、旅館とかでも「〇〇の間」とか言うな。

類

隣の部屋には何の表記もない…

類

けど、向かいの部屋には"山茶花"の表記があるね。

司

名前がある部屋とない部屋がある…

彰人

まぁ、とりあえず入ってみます？部屋探索しないことには始まりませんし。

類

そうだね。じゃあ"桔梗"から入ってみようか。

司

む、和室か。

冬弥

隠されているなら押し入れとかでしょうか？

類

畳の下とかあるかな？

司

そ、それは潰れてしまうんじゃないか？

彰人

思ったんですけど、身体のパーツって…どんな感じなんですかね。

司

…と言うと？

彰人

本物の人間の身体か、作り物か。

冬弥

ぜ、前者は嫌だな…

類

そうだねぇ……

司

き、きっと作り物だろう。大丈夫だ。

司

むぅ……この部屋には無いみたいだな。

類

畳の下にも無かったねぇ

彰人

じゃ、さっさと次の部屋見ましょうか。

冬弥

？

司

どうした？

冬弥

いえ……入ってきた扉の隣に「菖蒲」の表記が…

類

え？

彰人

えっと…外から見た時の扉には"桔梗"で、内側からは"菖蒲"？

司

廊下の名前が"菖蒲"…ということか？

類

…ちょっと、一旦出てみよう。

類

おや…

司

む、

彰人

あれ、"桔梗"の表記消えてますね。

冬弥

でも、何も無かったさっきの部屋には"菫"の表記が…

類

ふむ……

類

……もしかしたら、とても高難易度なゲームかもしれないよ。

司

何っ？！

類

さっきのは部屋の名前じゃなくて、「家」の名前かもしれない。

司

い、家？

冬弥

…家が複数存在するという事ですか？

類

あぁ。そして、それぞれに「桔梗」や「山茶花」など、花の名前が付けられている。

類

扉の横にある表記はその部屋ではなく、その家自体を表す名前で、扉を開くことで僕らは別の家に移動している…とか。

彰人

んん……？？

彰人

えっと……オレの解釈が正しければ、ここってとんでもなく広いんじゃ…？

類

あぁ。この仮説が正しければ、とても高難易度なゲームだ。

司

……その仮説、正しい気がしてきた。

司

あの人形は最後に、「"桜"で待っている」と言っていたな。

彰人

あぁ、たしかに言ってたような…

冬弥

となると、最初にいたのが"桜"の家…

類

"菖蒲"の扉を開いたから、今のここは"菖蒲"の家…と。

司

…時間内に最低3つ、終わるだろうか、

彰人

まぁヤバそうですよね。家がいくつあるのか分かりませんけど、それにしたって１階だけで4部屋あるんだし。

冬弥

時間制限もありますし…手分けして捜索した方がいいのでしょうか、

類

たしかに手分けしたいけれど…連絡手段が欲しいねぇ…

類

情報の共有も随時したいし、何より安否の確認もしたいし…

司

スマホならあるぞ。使えるかは分からんが。

彰人

あれ、でも使えそうじゃないすか？

冬弥

都合よく連絡アプリだけは使えるみたいですね。

類

ふむ…

司

どうした？

類

いやぁ、手元にスマホが無くてね。

司

お前、割といつも持ってないよな…

類

ほとんど使わないからねぇ

彰人

えぇ、マジすか。

司

(類と離れるのは不安だったし、丁度いいな。)

司

じゃあ、オレが類と一緒にいるとして…

司

…二手に分かれて捜索するか。

彰人

オレらはスマホ持ってるし、分かれるなら三手の方が良くないですか？

司

む、いやしかし…お前らは一緒にいなくていいのか？

冬弥

正直いたい気持ちはありますが、効率を優先すべきだと思います。

冬弥

失敗すれば、身体の一部が無くなるそうですし。

彰人

そうそう。とりあえず、最低3つ見付けるのを優先すべきですから。

彰人

じゃあ、パーツを見つけたり、何かあったらすぐに連絡するってことで。

冬弥

あぁ。俺はそこの"金木犀"から行ってみます。

彰人

じゃ、オレは"紫陽花"行ってきます。

司

あ、あぁ。ならオレたちは"菫"に行こう。

類

2人共、何があるか分からないから気をつけてね。

冬弥

はい。先輩方も。

類

さてと、"菫"だったね。行こうか。

司

あぁ。…

羨ましい？

司

？！

司

な…っ！お前……！？

類

司くん？

羨ましいんでしょ。あの2人のこと。

司

……何を、

あの2人の信頼し合ってる関係が、羨ましいんだろう？

君らには無かったもんね。

司

うるさい！！

司

無かったんじゃない！！無かったわけでは……

類

司くん！

類

何か分からないけど、幻覚なんだろう？気にすることないよ。

司

……

司

あぁ…すまん。早く行こう。

"菫"

司

ふむ…全体的に和だな。日本家屋か？

類

みたいだねぇ

類

おや、綺麗な壺がある。

司

…中にパーツが入ってたりしないよな？

類

見てみようか。

司

……違和感を感じるほどに、暗くて何も見えんな。

類

うぅん……ひっくり返すのは気が引けるし、手突っ込んでみる？

司

「手突っ込んでみる」？！？！

司

い、いやいや！！辞めとけ！！怖いし危ない！！

類

でも、あるかもしれないし。

類

えいっ

司

ああぁぁぁあああ？！？！バカ！！！

類

おや？何かある。

司

は、早く手を出せ！！！

類

ちょっと待ってよ。何か……

類

うわっ？！

司

何だ？！？！？！

類

な、なんか、今何かに手触られた……

司

？！？！

類

人の手みたいだった…

司

ひっ？！に、逃げよう！！今すぐ！！

ピコンッ

司

どわぁぁぁああ？！？！？

類

おや、君のスマホだよ。

司

ほ、本当だ。彰人から連絡が……

「さっき"紫陽花"から"朝顔"に移動したんですけど、その部屋にある壺から急に手が出てきました。触ったら引っ込んだんですけど、あれがパーツとか？」

司

……む？

類

あれ、これ僕の手のことかな？

司

状況的に、お前の手だな…

類

なんだ、彰人くんだったのか。良かった。

司

というか、普通壺から出てる手触らんだろ…

類

そうかい？僕なら触るけどねえ

司

命知らずめ…

類

それより、確かめてみようよ。

司

何をだ？

類

この壺の中が、彰人くんのいる部屋の壺に通じてるのか。

類

飴を入れてみるから、壺から飴が出るか確かめてって、連絡して。

司

わ、分かった。

"朝顔"

彰人

あれセンパイの手だったのか、

アイリ

壺から手なんて、ビックリしたわね…

彰人

しかも動いてましたしね。

ピコンッ

彰人

お、また司センパイから…

「類が壺に飴を入れてみるらしい。そちらで受け取れないか、確かめてくれないか。」

彰人

(あぁ、なるほど。了解っと…)

彰人

もしこの壺が各家の壺と繋がってるなら、何か物共有したい時に使えそうですね。

アイリ

そうね。使えるものは使っていきましょ。

アイリ

私、もうちょっとこの部屋探索してみるわね。

彰人

はい、お願いします。

ポトッ

彰人

！

彰人

(壺から飴が……成功ってことか。連絡しねぇと。)

彰人

(冬弥は……既読付いてねぇけど、大丈夫か…？)

彰人

(まぁでも、こういう探すゲームは冬弥も得意そうだし…大丈夫だろ。)

アイリ

やっぱり、この部屋には無さそうだわ。

彰人

あぁ、ありがとうございます。

彰人

えっと、ここから行けんのは…「秋桜」か。

"秋桜"

彰人

で、ここが"秋桜"の家と。

彰人

(この感じ…まだ、誰も2階には行ってないのか？)

彰人

(先2階行ってみるか。)

2階

彰人

暗っ

アイリ

暗いわね。足元気を付けてね！

彰人

ありがとうございます。

彰人

えっと、2階は…2部屋か。

彰人

(他に階段は見当たらないし、この家自体は合計6部屋…共有しとこ。)

アイリ

あら、どっちの部屋も違う家に繋がってるみたい。

アイリ

右が「撫子」で、左が「花水木」みたいね。

彰人

んー……じゃ、適当に「花水木」の方にします。

ピコンッ

彰人

(センパイか？)

彰人

……あれ、冬弥だ。

「"金木犀"から"向日葵"の部屋に移動。続いて"向日葵"の家から"鬼灯"の家へ移動した。しかし、"鬼灯"の家は真っ赤なフィルターがかかったように赤く、不気味だ。他に赤い家は無いだろうか？」

彰人

……赤い家？

アイリ

えぇ……何かしら。不気味ね…

彰人

大丈夫なのか？体調悪くなったりとか、何かに襲われたりとか…

「赤いだけで、家自体は他の家と構造も同じで、何も変わりない。もう少し探索するが、今のところは問題ない。」

彰人

(何も無いなら良かったが…)

彰人

…ちょっと、赤い家探してみますか。

アイリ

えぇ、そうしましょう。

"鬼灯"

※部屋が赤いと思ってください

冬弥

(今のところ、赤いだけで他と変わりない…)

冬弥

(身体が隠されているとすれば、襖やこういった棚の中なのだろうが…)

冬弥

(……襖にも何も無し。)

冬弥

(……棚にも何も無い。)

冬弥

(この部屋もハズレか…いや、でも何かあるような…)

冬弥

(もう少しくまなく探してみよう…)

冬弥

……あっ

冬弥

(襖の中の天井に、天井口らしきものがある！)

冬弥

(暗くて気付かなかった…他の家にもあったのだろうか？)

冬弥

(……よし、開いた。)

天井裏

冬弥

(意外と広い…)

冬弥

(天井裏なんて入ったことないから、少し胸が踊るな…)

カサカサカサッ

冬弥

！

冬弥

(む、虫か？司先輩がいたら発狂するな…)

冬弥

(あ、奥に何か……)

冬弥

！

冬弥

(蜘蛛の巣に絡まっているが……腕、だよな。右腕か？)

冬弥

(…陶器のようだ。流石に作り物で良かった…)

冬弥

(と、早く共有しないと。)

"藤"

司

ふむ。2階の左側が1番大きい部屋みたいだな。

類

そうみたいだね。ちょっとあの棚見てくるよ。

司

あぁ、押し入れを見てくる。

ピコンッ

司

おぉ、冬弥か。

司

……何っ？！右腕を見付けただと？！

類

えっ、嘘！見つかったのかい？

司

あぁ！あの、「鬼灯」の家の…1階の天井裏にあったそうだ。

類

天井裏なんてあったの？！

司

オレも確認不足だ。どうやら、彰人も知らなかったらしい。

類

次からは僕らも確認しないとね。

類

この部屋の押し入れには無いのかな？

司

2階だし、あるかもしれんな。

ピコンッ

司

(む、また冬弥から…)

「完全な憶測で不確定な仮説なのですが、パーツは赤い家にある可能性があります。もしかすると、パーツより赤い家を探した方が良いのかもしれません。」

「俺は引き続き、赤い家を探してみます。」

司

お、おぉ……！なるほど、その可能性もあるな…

類

赤い家ねぇ……共通点とかあれば探しやすいけれど、まだ1つしか出会えてないみたいだから難しそうだね。

司

あぁ。とりあえず手当り次第移動してみるしか無さそうだ。

司

そういえば、天井裏はあったか？

類

いいや、無かったよ。棚も何もないし、移動しよう。

司

この家から行けるのは……"銀杏"か。

司

えっと、他の表記は……

司

2階に移動できる家は無いな。降りるぞ。

類

うん。

類

えっと、"銀杏"から移動出来るのは"鈴蘭"と"牡丹"みたいだね。

司

あぁ。それにしても、本当に広いな……

司

そういえばなんだが、最終的に"桜"の家へ戻らないといけないのか？

類

どうだろう。時間内にパーツを見つけて戻るまでがゲームなのか、時間がきたら最初の位置まで勝手に戻れるのか…

類

前者だったらかなり難しそうだ。

類

まぁとにかく、残りのパーツを最低2つ見付けてからにしよう。

司

そうだな。類は鈴蘭と牡丹だったら、どっちの方が好きなんだ？

類

僕？どちらも好きだけれど…

類

どっちだと思う？

司

む、そうきたか。

司

…………

司

牡丹の方が類っぽいが、好きそうなのは鈴蘭だな。

類

おや、僕って牡丹っぽいの？

司

大きいじゃないか。

類

あぁ、たしかにねぇ。

司

(華やかで綺麗……までは、言わんでもいいな。)

類

ちなみに、僕は鈴蘭の方が好きかな。

類

君みたいに小さくて可愛いし。

司

は？！？！お前今「小さい」って言ったか？？

類

"鈴蘭"の家に行こうか。

司

おい無視するな許さんぞ

"鈴蘭"

類

ここも赤い家じゃないねぇ。

司

お前がデカイだけで別にオレが小さいわけじゃ無いからな

類

あれ、まだ言ってるのかい？

司

お前が無視するからだろう！！

類

はいはい、ごめんね。

類

僕、押し入れ見てくるよ。

司

態度が腹立つが…まぁいい。棚を見てくる。

司

棚には相変わらず何も無かったぞ。

類

押し入れもだよ。やっぱりパーツは赤い家なのかな？

類

あれから、何か連絡来てる？

司

いいや、2人とも特に反応なしだ。

類

ふむ…砂時計はまだ半分以上あるけど、早いとこ残りの2つも見付けたいね。

類

見つけられなかったら、君は頭を取られちゃうわけだし。

司

お前は胴体だったか。無くなったらマズイな。

類

まぁ自分の心配はしてないけど、君は心配だな。

司

いや、自分の心配もしろ？胴体だぞ？

類

さ、次の家行こうか。

司

おい

"花水木"

彰人

この家も何も無かったっすね。

アイリ

そうねぇ。赤くもないし。

アイリ

パーツはあと2つだったかしら？

彰人

はい。時間はまだ半分ありますけど、ちょっと急がねぇと。

アイリ

この"花水木"から行けるのは…

アイリ

2階は"彼岸花"みたいね。

彰人

なんか赤そうだし、入りますか。

"彼岸花"

※部屋が赤いと思ってください

彰人

！

アイリ

あらっ、本当に赤い家じゃない！

彰人

てことは、ここにパーツがある可能性が高いと。

彰人

えっと、冬弥は天井裏で見つけたんだっけ？

アイリ

え〜っと……あっ、天井口あるわよ！

彰人

じゃあそこから上がっ

グイッ

彰人

？！

アイリ

彰人くん？

彰人

いや、何か足引っ張られたような…

アイリ

えっ？……特に何も見当たらないけれど、

アイリ

念の為、上は私が見てくるから、ちょっと待っててちょうだい。

彰人

すみません、ありがとうございます。

彰人

(えっと、この辺で引っ張られたけど…何も無いな。)

彰人

(引っ張って転ばせようとしたのか、それとも、上へ行くなっていう警告か、ただの気のせいか…)

彰人

(だが、転ぶほど強く引っ張られたわけじゃないし…)

アイリ

彰人くん、パーツあったわよ！

彰人

！

アイリ

ほら、左足みたい。

彰人

(しかも足か)

彰人

作り物っぽいですね。陶器みたいな。

彰人

(センパイたちに報告しねぇと。)

アイリ

えぇ。それにしても、彰人くんは行かなくて良かったわ。

彰人

え、何かあったんですか？

アイリ

結構怖い系の……ワンちゃんが、パーツの傍で寝ていてね。

彰人

？！

アイリ

起こさないようにそ〜っと取ってきたけど、中々ヒヤヒヤしたわ。

彰人

うわ…………

彰人

す、すみません。ありがとうございます…

彰人

1人だったら絶対取れてない…

アイリ

いいのよ！彰人くんが怖い思いをせずに済んで良かったわ。

アイリ

これで、パーツはあと1つね。時間にも余裕ありそうだし、もう少し探索しましょ！

彰人

はい。

"竜胆"

ピコンッ

冬弥

(彰人から、)

冬弥

(…パーツを見つけたのか！これで、残すところあと1つ、)

冬弥

(時間はまだ半分ある。)

冬弥

(彰人が見つけたのは…やはり、2階のあの部屋か。)

冬弥

(あの部屋の天井裏にあるのだろうか？それとも、偶然か…)

冬弥

(しかし、彰人が見つけたのも赤い家だったそうだから、パーツは赤い家にあると思っても良さそうだな。)

冬弥

(赤い家の名前にも、何か共通点があるのだろうか？)

冬弥

(俺が見つけた家は「鬼灯」で、彰人は「彼岸花」…)

冬弥

(鬼灯はお墓に供花として使われることも多い花だ。)

冬弥

(対して彼岸花は、「死」など不吉なものを連想させることから、墓には供えないが、よく墓場に植えられている。)

冬弥

(共通点…花言葉とかも、何か関係するのだろうか？そういうのは詳しくないから、何とも言えないが…)

冬弥

(まぁ、共通点なんか無く、ただランダムの可能性もあるし…)

ゴトンッ

冬弥

？！

冬弥

(い、今の……壺が動いたのか？)

冬弥

(たしか、この壺は他の家の壺と繋がってると言っていたな…)

冬弥

(誰かが今、別の家の同じ部屋にいるのか？)

冬弥

(まぁ、いいか。ここから移動できるの家は…)

"木五倍子"

冬弥

(ここも普通の家か……)

彰人

えっ

冬弥

え？

アイリ

あら。

冬弥

あ、彰人…と、モモイさん…？！

冬弥

な、何故ここに……

彰人

いや、何故っつーか……適当に移動してた。

冬弥

お、俺もだ。まさかこんな所で合流できるとは…

アイリ

この状況で出会っちゃうなんて、運命的ね。

彰人

どうする？せっかくだし、ここからは一緒に行くか。

冬弥

あ、あぁ！そうしよう。

冬弥

先輩方にも報告しないと。

アイリ

冬弥くん、パーツ見付けたんですってね。どのパーツだった？

冬弥

これです。右腕でした。

彰人

こっちは左足だった。

冬弥

足……

彰人

お前は腕か。代償の部位と同じだな。

冬弥

あぁ。偶然かもしれないが…そうじゃないなら、先輩方は頭か、胴体を持ってくるのだろうか…

彰人

ちょっと見たくねぇな。

冬弥

俺もだ。

アイリ

あと1つよね。引き続き探しましょ。

"百合"

司

むっ、彰人と冬弥が合流したそうだ。

類

えっ、合流？

類

示し合わせたとかじゃなくて？

司

あぁ、たまたま会ったらしい。

類

えぇ、すごい確率だねぇ…あの2人、何かしらで繋がってるんじゃない？

司

たしかに運命的だな。

司

それにしても、まだ見つけられてないのでオレたちだけだぞ。

類

赤い家にもまだ出会えてないもんねぇ…

司

手当り次第移動していくしかないから、実質運ゲーみたいなものだしな…

類

運ゲーねぇ……法則性とか無いのかな？

司

むむ、法則性か…家の名前とか？

類

僕らが今まで移動して来たのは、桔梗、菖蒲、菫、燕子花、風信子、藤、銀杏、鈴蘭、百合…

司

ぜ、全部覚えてるのか？！

類

そりゃあね。

司

うぉ……やっぱり記憶力いいな…

類

君は忘れんぼさんだもんね。

司

ぐっ！な、何も言い返せん…！！

類

で、ここから行けるのは「梔子」と「椿」か…

類

ふむ…………

司

オレは頭が痛くなってきたんだが…

類

なんとなく法則性は分かったけど、分かったところでって感じだね。

司

分かったのか？！

類

あぁ。けど、別にこれはパーツを探す上でそこまで重要じゃない気がする。

類

それより考えるべきは赤い家の法則性の方だったよ。

類

冬弥くんは「鬼灯」、彰人くんは「彼岸花」でパーツを見付けたんだったね。

司

……赤い花が赤い家、とか？

類

鬼灯の実は赤や橙っぽい色だけど、花は白色だよ。

司

そうなのか？！

類

あぁ。それと、白い彼岸花とかもある。

類

だからと言って、白い花が赤い家ってわけじゃないみたいだけどね。

司

むむ…でも、どちらも不吉なイメージあるな。

類

鬼灯も彼岸花も、お墓で見かけたりするからね。

類

お墓イメージだと、仏花の菊とかかな？

司

ふむ、菊はまだ見てないな。

類

うぅん、あんまり法則性って分からないねぇ…考えるだけ無駄だったかも。

司

そんな事無いんじゃないか？とりあえず、これからは不吉に感じる花の家を選んでみよう。

司

「梔子」と「椿」だと、どちらの方が不吉だ？

類

どちらもそこまで不吉なイメージは無いねぇ…

類

あぁ、ただ……たしか「椿」は、花が首から落ちる様子から、江戸時代辺りでは縁起が悪いとか言われてたような、

司

く、首から……たしかに不吉だ…

司

よし、なら"椿"にしよう。

"椿"

※部屋が赤いと思ってください

司

どわっ？！

類

わっ、本当に赤いね。

司

じ、実際来てみると…たしかに異質な感じがするな…

類

ここの押し入れに、天井口があるんだっけ？

司

あぁ、2人ともそうだったらしいな。

司

えっと、天井口は……

司

おぉ！あるぞ！

類

天井裏かぁ。ちょっとワクワクするね。

司

子供か

天井裏

司

く、暗いな…

類

けど、意外と広いね。

カサカサカサッ

司

ギャアアアアアアア？！？！？！？

類

うわっ、何！？

司

お、おおお、音！！！不吉な音が！！！！

類

天井裏なんだし、虫の1匹や100匹いてもおかしくないよ。

司

100匹はおかしいだろ！？！？！

司

というかそんなにいるのか？！？！

類

え、言っていいの？

司

な、何を……？！

類

さっきそこで卵見付けたんだよね。しかも孵ってた。

司

ーーーーッ？！？！？！？！(気絶)

類

ご、ごめんって！帰ってきて〜！！

類

…しまった。反応がない……

類

仕方ないねぇ…よいしょっと。

類

ち、ちょっと重い…

類

さっさとパーツ見付けて降りよう……

司くん見て見て！てんとう虫だよ！

ふふ、小さくてかわい……えっ、虫苦手？！

ご、ごめんね！知らなくて…えっと、この子は帰してくるから！

本当にごめんね。怒ってる…？

うん、もうしないよ。以降気を付けるね。

僕？あぁ…まぁ、割と好きな方だけど、

大丈夫。君が苦手なら、今後こういった事は控えるから。さっきは本当にすまなかったね。

違う

そんなに謝ってくれなくていい

お前が好きなものを否定したいわけじゃない

やっぱり、お前は…

オレじゃなくて、もっと合う相手が

司

る…

類

あっ、やっと起きた。

司

む……ここは？

類

"楓"の家だよ。"椿"から移動してきたんだ。

司

椿…そういえば、天井裏に上がったあとの記憶が、

類

僕が余計なこと言ったせいで、気絶しちゃったんだよ。

類

本当にごめんね。

司

あ、謝らなくていい！！

司

お前は……できれば、今後もオレに謝るな。

類

えぇ？

類

悪いなと思った時は、謝るけど…

司

お前は何も悪くない。やっぱり、全部オレが

べシッ

司

痛っ？！？！

類

あぁいや、少し腹が立ってね。

類

次それ言ったら、怒るから。

司

？！

類

本当だよ。本当に怒って、しばらく口聞いてあげないからね。

司

す、すまん！！それは困る！！

司

分かった。もう言わないようにするから、

類

うん、もう言わないでね。

類

それはそうと、ゲームはもうクリアしたんだ。

司

？！？！

類

見て。頭。

司

「頭」？！？！？！

類

"椿"の家にあったパーツだよ。

司

あ、頭……というか、生首だな…

司

お、お前よくこんな不気味なもの触れたな…？

類

まぁ、陶器製の作り物だと思えばね。

司

それにしたってなんだが、

司

しかし……これは、女性の頭だろうか？

類

どうだろう。中性的で分かりづらいね。

類

まぁ、どちらでもいいんじゃないかな。

類

それより、彰人くんたちに連絡しないと。

司

そ、そうだな！

"百日紅"

彰人

おっ、センパイたちパーツ見つけたって。

冬弥

ということは、一応クリアか。一安心だな。

アイリ

良かった〜！じゃあ、もう大丈夫ってことね。

アイリ

ふわぁ…安心したら眠くなってきたわ、

アイリ

おやすみなさい。また何かあったら会いましょうね。

彰人

はい。ありがとうございました。

彰人

センパイたちとも合流したいな。

冬弥

あぁ。しかし、この家で会うのは中々難易度が高いが…

彰人

せっかくだし、あの"桜"で待ち合わせにするか。まだ一回も見てないから、行けるか分からねぇけど。

冬弥

あぁ、あの最初の家か。いいな。

冬弥

移動できる家には法則性があるから、桜も見つけられると思う。

彰人

え、法則性？？何それ？？

冬弥

花の色や成り方とか、そういうのが法則的になってる。

冬弥

この"百日紅"から行ける家は"金木犀"だろう。

彰人

おぉ、

冬弥

俺は"桔梗"から最初に行ったのが"金木犀"だったんだが、そこから行けるのが"菊"と"木槿"だった。

彰人

うん…

冬弥

俺はあの時"菊"の方に進んだが、"木槿"を選べばいつか"桜"に着くと思う。

彰人

んん……？

冬弥

えっと、すまない。説明が下手で、

彰人

いや、まぁ…お前が分かってるならいいや。センパイにも連絡したし、とりあえず行こうぜ。

冬弥

いいのか？

彰人

これ以上聞いてたら頭パンクする。

冬弥

そ、それは大変だ。辞めておこう。

"楓"

司

おぉ、類。"桜"で待ち合わせらしい。

類

あぁ、たしかに集合場所としてはいいね。

司

しかし、見つけられるかが不安だな、

類

大丈夫。法則性あるから。

司

あぁ、そういえば言ってたな。

類

えっと、ここは"楓"だから…うん、結構すぐ行けそうだね。

司

おぉ、そうか！

類

早いとこ移動しようか。あ、生首よろしくね。

司

う"ッ？！……わ、分かった…！！

類

冗談だよ。僕が持つから大丈夫。

司

いや、お前は道案内を頼む。オレが持つ。

類

そう？

司

お前に全部させるのはちょっとな。

類

ふふ、分かった。じゃあ行こうか。

"桜"

類

彰人くんたちはまだみたいだね。

司

そうだな。

あら、ゲームクリアおめでとう♪

パーツは預かるわね。

司

あ、あぁ！

まだ2人来てないけれど…貴方には先に、ゲームの参加報酬をあげるわね♪

司

(参加報酬とかあるのか。)

貴方にはこれをあげる♪

司

……これは、

貴方が失くしていた、イルカのキーホルダーよ。

司

キー…ホルダー…

類

あっ、それ、

ズキッ

司

……こんなキーホルダー、身に覚えが…

ズキッ

貴方が3年前に失くしたキーホルダーのはずよ？

司

3年、前…？

ズキッ

類

ま、まぁまぁ。覚えがなくても、折角だから貰っておきなよ。

類

中々可愛いイルカさんじゃないか。

司

……

冬弥

あっ、先輩たちが先だったんですね。

類

あぁ、2人とも。何だか久しぶりだね。

彰人

そっすね。

ふふ、おかえりなさい。ゲームクリアおめでとう♪

パーツは預かるわね。

冬弥

はい。

彰人

どーぞ。

貴方たちにも参加報酬をあげるわ。

貴方にはこれをどうぞ。

彰人

…えっ、一昨年失くしたCD？！

貴方にはこれね。

冬弥

…5年前に紛失したスコア、

ふふ、みんなゲームお疲れ様。

司

類は？

類

ん？

司

参加報酬とやら、

その子には無いわよ。

だって、参加出来ていないからね。

司

え？

冬弥

えっと……どういうことですか？

そのままの意味よ？代償がないと参加出来ないもの。

彰人

え？でも胴体が…

あら、そろそろ時間ね。

ふふ、改めてみんなありがとう。さようなら。

司

えっ？！まだ話は、

司

(はっ……)

手には、寝る前までは無かったはずのキーホルダーが握られていた。

司

…

ズキッ

司

(知らない……はずだ。)

司

(でも…)

それは何故か手放し難く、もう一度手の中に握った。

司

(……失くさないように、しっかり仕舞っておこう。)

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