E.2
手が動かない、
頭は真っ白、
見えているはずの数式も 何を書いてるかさっぱり分からない
だって、
目の前には芸能界を引退したばかりの推し、深澤辰哉くんがいる、
ジロっと目の前にいる推しの姿を見て視線をテキストに戻す
深澤辰哉
瀬戸内菜美
瀬戸内菜美
深澤辰哉
深澤辰哉
瀬戸内菜美
深澤くんが指さしたのは私の鞄に着いた BLACK GOLDのキーホルダー
これは3年前にデビューライブのグッズとして発売されたアクリルキーホルダーで
かっこいいロゴマークが描かれた私のお守りのようなものだった
深澤辰哉
瀬戸内菜美
これは、はいそうです私は大ファンなんですって言うべきなのか?
それとも素直にお守りですつて言うべき?
あーもうわかんないよ、
瀬戸内菜美
深澤辰哉
瀬戸内菜美
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
バレてる?
私は日頃から紫や薄紫のものを身につけている、
だって深澤くんのメンバーカラーが紫だから、
それがわかっているなら、
もうこれは言うしか、
瀬戸内菜美
深澤辰哉
瀬戸内菜美
瀬戸内菜美
言っちゃったよ、
勢いに言葉を任せすぎた自分に反省する、
深澤辰哉
深澤辰哉
瀬戸内菜美
授業中なのにも関わらず雑談を始めた挙句、
アイドルとファンの交流会のようになってしまっていた、
そしてその空気に顔が自然と赤く染ってきていたのを感じた、
深澤辰哉
深澤辰哉
真っ赤な顔をした私に手を伸ばして頭をぽんぽんと心地いいリズムで撫でてくる
そんなことされたら、
好きになっちゃうよ、
いや、もう既に好きだよ? でも、これは、
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
まだ頭に手が乗ったまま少し距離が近くなっていて 心臓がバクバクと鳴っている
画面で見たり聞いたあの声とあの綺麗な素肌が目の前にあるのだから、
甘くて優しいキャラメルのような声に思わず耳もとろけてしまいそうで、
深澤辰哉
そう言って私の頭から手を離した
瀬戸内菜美
私は好きでは無い数学の問題を 必死に解いた
きっと深澤くんも好きではなかったはず、
瀬戸内菜美
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
すらーっと伸びた白く長い指が 数式を簡単になぞっていく
まるでなぞられた数字や文字は 生き生きと答えを導いてくれているようにも感じた
深澤辰哉
瀬戸内菜美
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
右手で小さくグッドポーズを作り私に見せる
ファンサだ、なんて ぽやぽやしている場合ではない、
今の深澤くんは塾の先生、
だから、今は集中しなきゃ、
ずっと私の担当は 深澤くんがいいから、
褒めて欲しかったから、
私は応用問題も深澤くんと一緒に頑張って解いた、
そして100分と言う普段なら長く感じる一コマがあっという間に終わって
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
なんて褒めてくれて嬉しくなって つい目を逸らしてしまった
深澤辰哉
瀬戸内菜美
そういえば深澤くんってなんでここに、?
瀬戸内菜美
深澤辰哉
瀬戸内菜美
瀬戸内菜美
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
深澤辰哉
そう言って塾の職員室に向かっていった
瀬戸内菜美
幻?夢?死ぬ前の走馬灯?
どれも頭に浮かんだけど
ほっぺをつねるととても痛くて 現実だと納得する
私は、
前世に一体どれほど徳を積んだのだろうか、
思考が未だにオタク思考のままで、 あのキャラメルのような甘い声を思い出す
きっと私は、
またすぐにあの甘い声を聞きたくなるだろう、
そして撫でられた頭のてっぺんをふんわりと触る
まだ残っている、
深澤先生に撫でられたあの手の感触が、
瀬戸内菜美
私の塾の担当は、
松本先生じゃなくて、
“推しである深澤辰哉くんだった”
E.3まで ❤400以上
推しに会えたら何されたいですか? ちなみに私は肩組んでツーショット撮りたいです📸🧡´-((
❤連打と感想💬沢山待ってます✨
コメント
7件
え、ヤバイヤバイ、 え、最高過ぎるんだが⁉ しかもヤバイよ! ニヤケが止まんないよ!w え、続き楽しみにしてます!