TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

E.2

手が動かない、

頭は真っ白、

見えているはずの数式も 何を書いてるかさっぱり分からない

だって、

目の前には芸能界を引退したばかりの推し、深澤辰哉くんがいる、

ジロっと目の前にいる推しの姿を見て視線をテキストに戻す

深澤辰哉

なーに?

瀬戸内菜美

え、あ、いや、

瀬戸内菜美

なんでもないです、

深澤辰哉

ふーん

深澤辰哉

じゃあ鞄にあるキーホルダーは誰の?

瀬戸内菜美

え?

深澤くんが指さしたのは私の鞄に着いた BLACK GOLDのキーホルダー

これは3年前にデビューライブのグッズとして発売されたアクリルキーホルダーで

かっこいいロゴマークが描かれた私のお守りのようなものだった

深澤辰哉

これ見覚えあるんだよなぁ

瀬戸内菜美

えっと、

これは、はいそうです私は大ファンなんですって言うべきなのか?

それとも素直にお守りですつて言うべき?

あーもうわかんないよ、

瀬戸内菜美

BLACK GOLDのキーホルダーですか、?

深澤辰哉

うん

瀬戸内菜美

えっと

深澤辰哉

あれ?

深澤辰哉

紫好きなの?

深澤辰哉

靴下のワンポイントも筆箱も薄紫でそれに…

バレてる?

私は日頃から紫や薄紫のものを身につけている、

だって深澤くんのメンバーカラーが紫だから、

それがわかっているなら、

もうこれは言うしか、

瀬戸内菜美

あの、!

深澤辰哉

ん?

瀬戸内菜美

私、元々BLACK GOLDのファンで

瀬戸内菜美

デビュー前から深澤くんを追いかけてました、

言っちゃったよ、

勢いに言葉を任せすぎた自分に反省する、

深澤辰哉

ふふーん

深澤辰哉

やっぱりね〜

瀬戸内菜美

っ、

授業中なのにも関わらず雑談を始めた挙句、

アイドルとファンの交流会のようになってしまっていた、

そしてその空気に顔が自然と赤く染ってきていたのを感じた、

深澤辰哉

あ、赤くなった

深澤辰哉

かあいいじゃん

真っ赤な顔をした私に手を伸ばして頭をぽんぽんと心地いいリズムで撫でてくる

そんなことされたら、

好きになっちゃうよ、

いや、もう既に好きだよ? でも、これは、

深澤辰哉

応援してくれてたんだもんね

深澤辰哉

よし、

深澤辰哉

じゃあ俺がその応援に応えて

深澤辰哉

俺が瀬戸内さんを応援するね

まだ頭に手が乗ったまま少し距離が近くなっていて 心臓がバクバクと鳴っている

画面で見たり聞いたあの声とあの綺麗な素肌が目の前にあるのだから、

甘くて優しいキャラメルのような声に思わず耳もとろけてしまいそうで、

深澤辰哉

頑張ろ一緒に

そう言って私の頭から手を離した

瀬戸内菜美

っ、はい!

私は好きでは無い数学の問題を 必死に解いた

きっと深澤くんも好きではなかったはず、

瀬戸内菜美

ダメだ、わかんない、

深澤辰哉

んー?どれどれ?

深澤辰哉

あ〜ここね

深澤辰哉

ここはちょっと難しいと思うんだけど

深澤辰哉

こっちXがYに係ってんじゃん?

深澤辰哉

だからこう

すらーっと伸びた白く長い指が 数式を簡単になぞっていく

まるでなぞられた数字や文字は 生き生きと答えを導いてくれているようにも感じた

深澤辰哉

どう?こういうのでわかったかな?

瀬戸内菜美

はい!とても分かりやすかったです!

深澤辰哉

なら良かった

深澤辰哉

じゃあ応用問題もやってみるか

深澤辰哉

分からなかったらいくらでも教えるし

深澤辰哉

頑張るぞ

右手で小さくグッドポーズを作り私に見せる

ファンサだ、なんて ぽやぽやしている場合ではない、

今の深澤くんは塾の先生、

だから、今は集中しなきゃ、

ずっと私の担当は 深澤くんがいいから、

褒めて欲しかったから、

私は応用問題も深澤くんと一緒に頑張って解いた、

そして100分と言う普段なら長く感じる一コマがあっという間に終わって

深澤辰哉

おつかれ

深澤辰哉

よく頑張ったな

深澤辰哉

だってこの応用問題難関大学の模試とかに出てくる問題だぞ?

深澤辰哉

俺より頭いいんじゃない?

なんて褒めてくれて嬉しくなって つい目を逸らしてしまった

深澤辰哉

来週も頑張ろうな

瀬戸内菜美

はい!

そういえば深澤くんってなんでここに、?

瀬戸内菜美

あ、あの、!

深澤辰哉

ん?どした?

瀬戸内菜美

深澤くん、、深澤先生って、

瀬戸内菜美

どうしてここに、?

深澤辰哉

うーん

深澤辰哉

瀬戸内さんに勉強を教えるため、かな?

深澤辰哉

あ、そうそう

深澤辰哉

俺がここにいることは

深澤辰哉

塾の人以外には言っちゃダメだよ

深澤辰哉

じゃあ気をつけて帰ってね

そう言って塾の職員室に向かっていった

瀬戸内菜美

私、長い夢でも見てるのかな、?

幻?夢?死ぬ前の走馬灯?

どれも頭に浮かんだけど

ほっぺをつねるととても痛くて 現実だと納得する

私は、

前世に一体どれほど徳を積んだのだろうか、

思考が未だにオタク思考のままで、 あのキャラメルのような甘い声を思い出す

きっと私は、

またすぐにあの甘い声を聞きたくなるだろう、

そして撫でられた頭のてっぺんをふんわりと触る

まだ残っている、

深澤先生に撫でられたあの手の感触が、

瀬戸内菜美

残ってる、

私の塾の担当は、

松本先生じゃなくて、

“推しである深澤辰哉くんだった”

E.3まで ❤400以上

推しに会えたら何されたいですか? ちなみに私は肩組んでツーショット撮りたいです📸🧡´-((

❤連打と感想💬沢山待ってます✨

ー推しが私の“担当”になりましたー

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2,704

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚