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あたしは愛を知らなかった

家に帰っても親は居なくて、

あるのは机の上に置かれた生活費だけ

母親はホスト狂いで滅多に帰ってこない

父親はそんな母親に嫌気がさして私が小学校へ入学するのと同時に蒸発。

だからわからなかった。

どうしてみんなは帰ると温かいご飯があるんだろう

どうして撫でられる感覚を知っているのだろう

どうして家族の絵をそんなに生き生きと描けるのだろう

不思議だった

知りたかった

ああ、羨ましいな

ガラッ

中学生の伊織

おはよ

うわ、また来たよw

よく来れるよねー親無しのくせにw

ちょっとーw親無しじゃないよ!ホスト狂いと蒸発w!

やばぁ、親がそんなんとか私だったら恥ずかしくて死ぬわww

中学生の伊織

.....

キイ

中学生の伊織

...はぁ

学校にも居場所はない

中学って同小から上がる子多いからすぐにバレちゃった

中学生の伊織

あたしが何かした訳じゃないのに

中学生の伊織

なんでこんなに不自由なの、

中学生の伊織

生きづらい世の中だなぁ。

愛も知んない。

友情も知んない

ね、あたしってそんなに悪いことしたっけ?

ただ普通に生きてるだけじゃんか

中学生の伊織

もしも、この世に神様がいるのなら...

中学生の伊織

                

コツコツ

あたしは中学に上がってすぐに夜歩きをするようになった

月明かりしか目の前を照らすものはない

それでも心地よかった

中学生の伊織

スッ(手をあげる)

こうして夜空に手をかざすと自分までも溶けていけるような気がしたから

中学生の伊織

フッ、ばかばかし

中学生の伊織

悲劇のヒロインかよ

そんな時、もう一つ足音がした

殺気とかはなかったからスルーしてたんだけど、

中学生の伊織

った

おもっきり空き缶をぶつけられた

中学生の伊織

(いったいなぁ、だr)

顔を見ようと思って振り返った瞬間、

雷に打たれたような感覚を覚えた。

今までずっとモノクロだった景色が彩られていく

中学生の伊織

(ああ、この子だ)

中学生の伊織

(この子が...)

中学生の伊織

もしも、この世に神様がいるのなら...

中学生の伊織

あたしの世界を彩る人に合わせてよ

中学生の伊織

(あたしの女神だ)

中学生の伊織

ね、ちょっといい?

中学生の琴音

あ、はい

中学生の伊織

あはっそんなにビビんなくていいって

中学生の伊織

この時間あんまり人見ることないからさ、誰だろーって

あれ?もしかしなくても怖がられてる??

あ、名前か

中学生の伊織

あ、ごめん名乗んないと怖いよな

中学生の伊織

伊織って言うんだ。君は?

中学生の琴音

私は琴音。えっと、伊織君でいい?

名前まで可愛い!って、君?

中学生の伊織

あー、実はあたし女、なんだけど...

中学生の伊織

ぱっと見わかんないよね、こんななりだし

中学生の琴音

え?ほんと?

中学生の琴音

嘘とかじゃなく?

中学生の伊織

うん、マジ

そこからすぐにあたし達は仲良くなった

ここってあだ名もつけたしね

毎日会うようになってちょっとした頃、ここの家庭を知った

その小さな背中には抱えきれないほど大きなものを持っていて、

助けれない自分が嫌になった。

ねえ、ここ。

あたしにもその荷物、わけてよ

あたしも背負うからさ、

ずっと、ずっと

一緒に居させてよ

 

 

毎日25時にここで待ち合わせ

学校や家にいる時間より短いはずなのに

ここがあたしにとって一番大切で

離れたくない人になった

オハイアリイの花束

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コメント

1

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更新遅くなってすみません!期末テストに追われていまして....

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