case.2
luz×センラ
関係:両片思い
センラ
luz
センラ
センラ
今、俺がluzくんと来とるのは、 とあるドラッグストア。
今日はluzくん家でお泊まりして 遊ぶはずやったんやけど、
冷蔵庫開けたら まさかのもぬけの殻。
本当、普段どんな食生活しとるんや…
まぁ俺も人の事言えへんのやけどさ、あまりにも心配になって。
食料品の買い出しにと、 luzくんを無理矢理引っ張り出した。
……のは、いいんやけど。
その当人であるluzくんは 食材の入ったカゴを抱えたまま、
とあるスペースから 全く動こうとしない。
長身の彼が身を屈めながら 必死になっているのは、 柔軟剤のサンプルの香りを嗅ぐこと。
ひとつひとつ、 キャップを開けては鼻に近づけ、
また別のサンプルに鼻を近づけ。
首を捻って、眉間にしわ寄せて、
また、別のサンプルに手を伸ばす。
どれくらい、繰り返しただろうか。
彼はうーんと悩むような顔をして、 それから、ぱっと輝かせた。
それを見て、思わず微笑んでしまう。
luzくん、買うやつ 決まったっぽいな。
彼は、 考えていることが表情によく現れる。
こういう あどけないみたいな 子どもっぽいとこ、好きやなぁ。
まあ本人には言わへんけど。
彼はサンプルを 三つ手に取ると、
たたたっ、と俺の傍に駆けてきた。
そしてそれを俺の眼前に掲げる。
luz
luz
センラ
センラ
luz
センラ
センラ
俺は笑いながら ゆっくりと顔を近づけ、 ひとつひとつ香りを嗅いでいく。
センラ
センラ
luz
そう言って彼が 買い物カゴに突っ込んだのは、 白色の、柔軟剤。
驚いて、俺は思わず引き止めた。
センラ
センラ
luz
luz
luzくんは、 きょとんとして首を傾げる。
センラ
luz
luz
さらっと、まるで「明日は雨だよ。」 って何気ない事を言うみたいに。
……彼はとんでもないことを言った。
心臓がどくんと波打って、 一瞬、思考が固まる。
センラ
センラ
luz
luz
センラ
どうも本人は、自分の発言の重大さに 気づいていないらしい。
こんなにドキドキしてんの、 なんで俺だけやねん……
luzくんから顔を逸らして 必死にそれを悟られないようにする。
……たぶん俺、今、顔真っ赤や。
当の本人は、 丸くて澄んだ、純粋すぎる目で こちらを見ている。
……天然って、 ほんま恐ろしいんやな。
センラ
luz
俺の突然の大声に、 一瞬ビクッと身体を震わせて そう抗議する。
センラ
センラ
必死になって誤魔化していることに、 彼は気づかんでくれるやろうか。
今まで通りの、 友達よりも近くて、恋人よりも遠い この距離から、
変わらんでくれるやろうか。
自分の臆病さに、たまに悲しくなる。
ぱたぱたとレジに駆けてく 背の高い後ろ姿を見つめ、
恥ずかしさで 火照る顔を仰いで醒ましながら
そんな風に、思った。
case.2
─To be continued…?
コメント
2件
はよくっついてください…(願望)