白尾町遊郭街の遊男子

僕の相手は誰なんだろう？

黒髪のその子は僕の好みの見た目をしていて

その子だったらいいなぁと思いつつ、他の子を見る

水色の着物の子と紫の着物の子

上司にニコリと笑った朱色の着物の子は"いつも通り"の子なのだろう

そんな事を考えていると店の人から声がかかった

隣に座るきりやんから笑い声が聞こえ僕も少し笑う

僕から名前を言ってけって事だよね？

名前だけでいいのかな？歳とかも言っといたほうがいいかなぁ？

そう考えているうちに上司が口を開いた

僕の向かいに座ったシャークんの顔が硬くなっていて

僕もそれに釣られて硬くなる

全員にそう言うと一息ついていった

良い夜を

そう残して店の人は部屋を出ていってしまった

蒼、そう呼ばれたあの男の子が僕元に近づいてくる

そう聞かれ僕もはいｯと答える

隣に座ると僕の背筋が伸びるのを感じた

隣からは優しいお花の匂い

人と話すのは得意だけど、今だけは…

今だけは、少し緊張している僕がいる

上司はそんな事を言うと隣の子と話し出してしまう

僕らは黙ってしまい

上司だけの声が部屋に響いた

話すしか…‥ないかぁ…

僕は横を向いて声をかける

声をかけると少し大きめの声で反応した

なんか……

小動物みたいだなぁ

小さくて少し大きめな反応するところが

……可愛い

僕が笑い混じりにそう聞くと少し意外そうな顔をして

相手も緊張しているだろうし、僕が先導して話さなきゃ

一応来たわけだし…ね？

僕が話し出すと他の2人も話し出す

僕も何か聞こうかな……

色とか花かぁ…僕たちと同じ感じだ

あぁぁ話終わっちゃった

なんかいい話題……

スーツはね、仕事だし着るけどサラリーマンじゃないんだよねぇ

惜しいんだけど

僕、宣言したし言ってもいいよね？

聞き上手、確かにそうだった

僕がお酒を飲みながらただただ上司の愚痴とか話したり

英語が喋れるからって頼るんじゃないとか……

なんか色々言った

そうしたら少し緊張がほぐれてきて

ぎこちない感じも無くなった

まだ目は見れてないけど

上司は上司で盛り上がってたから僕の話は聞いてないだろう

と言うことにして、話してた

きんとき君はずっとお酒を注いでくれたり 頷いたり目を細めて聞いたりしてくれた

彼はお酒は飲まないらしく、弱めのお酒を教えたりした

あれ………なんで僕……

布団にいんの？

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