海の見える道路の縁

俺は今から、死のうとしている

理由は単純

生きてても楽しくないからだ

命を繋ぐためだけに勉強して働いて人生が終わる。 そんな世界に生きてても仕方ないしな

不意に、目の前にボールが転がる

俺はボールを追いかける女の子を すかさず引き留める

その瞬間、目の前を猛スピードで 車が通過した

手を振って去っていく女の子を 見えなくなるまで見送る

俺は改めて、道路に目をやる

一台のスポーツカーが、 遠くから迫ってくるのが見えた

そう呟いた俺は…

そのまま迷わず、 車に飛び込んだ

気がつくと、そこは教室だった

クラス中から笑いが起きる

マジデス子め、覚えてろよ…

幼なじみのありかまで、俺を見て笑う

不意に、学級委員の真紀が立ち上がる

こいつ、いつもまじめで…

空気読まねえんだよな…

いつも雰囲気凍らせて、つまらねえ女

そのとき、俺の目に変な物が映る

真紀の頭上に…

1週間と3時間5分と書かれた カウンターが回っていたのだ

おそらく周りに見えてないこいつに 答えた時点で俺は不審者なので

無視しておく

自殺？

あいつが？

へえ、なるほどね

そう言ってマジデス子が消える

ため息を吐いて俺をにらむ真紀

まるでゴミを見るような瞳…

これからこいつを俺に惚れさせて、

そのあと俺が、殺せばいいってことか

ため息を吐く真紀を見て…

俺はゆがんだ笑みを浮かべるのだった