No.7 橘ゆかり タチバナユカリ
最近、ニュースで知った。
愛莉の近くで、たくさんの人が死んでること。
橘 ゆかり
愛莉、大丈夫かな…?
そして、今日もまた、誰かが死んだこと。
その、「誰か」は
愛莉だった。
橘 ゆかり
愛莉!?
橘 ゆかり
愛莉が、愛莉が…死んだ…?
私も、近いっちゃ近いよな
同じ区だし。
田舎だし、区の一つ一つが大きくて。
橘 ゆかり
愛莉に関係している人が、死んでる?
橘 ゆかり
ううん、違う
橘 ゆかり
あの人とかは、違う
橘 ゆかり
あっ、そうだ
橘 ゆかり
私たち、保育園のとき…
愛莉と、私
呪いかけたんだ
明確に言えば、私は勧めただけだけど。
橘 ゆかり
あのときの、呪いって…
本を開く。
その本はすごく不気味。
あのときの、村で言い伝えられている
ただものじゃない雰囲気の本。
橘 ゆかり
そうだ、この呪いだ…
その呪いとは
呪いをかけた人がすごく楽しいと感じたとき
そのときに一番嫌いな人本人と、その人に関わってしまった人は
全員死ぬ。
橘 ゆかり
じゃあ私、大丈夫じゃん
橘 ゆかり
愛莉の友達と友達になったのは一人だけだし
橘 ゆかり
愛莉はその…凛のこと
橘 ゆかり
好きみたいだったし
橘 ゆかり
凛も…死んじゃったけど。
橘 ゆかり
愛莉と凛は
橘 ゆかり
愛莉の嫌いな人に関わってしまったってことでしょ?
橘 ゆかり
我ながら、私なんでその呪いをお勧めしたんだろうか
高野 凛
(ゆかちゃん)
高野 凛
(ごめんなさい)
橘 ゆかり
え?凛、なんで…?
謝られたのも
幻聴だろうし
橘 ゆかり
そろそろ寝よう
橘 ゆかり
おやすみ。
ゆかりはそのまま目覚めることはなかった。