(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
自分で書いた文章なのに、
希余は見返すことすらためらわれた。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
震えた声で言い、
頬を撫でる。
人畜無害そうな
人の良さそうな笑みを浮かべているけれど、
同じ笑みを浮かべて
人を切り刻み、
内臓を引きずり出し、
あっさりと燃やす。
(希余)香坂仁
重いため息を一つ。
(希余)香坂仁
廃墟に向かうのは徒歩が多いように思えたが、
その記憶も途中から始まるので
それ以前に何を使って来たのか、ということがわからない。
また、殺したあと現場を綺麗に片付けたその後の記憶もはっきりとしない。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
パソコンの画面に表示させた地図。
ほとんどの殺人現場が
人里離れた廃墟で行われ、
そこまでの道中で
現場が何県何市なのかを示す標識を見ていない。
いや、見えないと言った方が正しいかもしれない。
現場に向かう時間帯のほとんどが夜で、
辺りは真っ暗。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
そして、廃墟に凶器となる物があるということも
予め知っておいての犯行だった。
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
実に楽しそうに笑いながら
目的も無く
人をバラバラにするその姿は
異常
の一言だろう。
恐ろしい、
恐ろしいと思うのに、
心惹かれるのは
何故だろう。
何故、こんなにも
このサイコパス殺人鬼のことが
気になって仕方ないのだろう。
他に誰を殺しているのだろう。
どうしてこんなことをしているのだろう。
わからないからこそ。
明確になっていないからこそ。
人は知りたいと思うのだろうか。
・
・
いつも通りの時間に帰ってきて、
いつも通り夕飯の準備をするその姿は、
まるで主婦のようだと思った。
話す言葉も立ち居振る舞いも丁寧で、
まともな人間にしか見えないが、
この丁寧は振る舞いで、
こいつは人を殺すのだ。
(仁)瀧澤希余
そう言って微笑む。
(希余)香坂仁
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(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
ミネストローネをじっと見つめたまま
一切動かない私を不審に思って
おずおずと尋ねてくる。
(希余)香坂仁
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(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
顔を上げると、
そこにはいつも通り
笑みを浮かべる
私の姿が。
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(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
ミネストローネを一口運ぶ。
野菜の旨味がたっぷり出たスープは、
荒んだ心と体に温かく沁み渡った。
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
”そこそこ自信はあったのですが”と付け加え
仁もスープを口に運ぶ。
(希余)香坂仁
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(仁)瀧澤希余
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(仁)瀧澤希余
じっと私を見つめる目は、
いつになく真剣で、
自分の目は
あんなにも黒かったのかと思うほど
深い闇を湛えていた。
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
(希余)香坂仁
サイコパス殺人鬼なんかでなければ。
きっと、
私は
漫画や小説の中で語られるような
心ときめく恋愛が出来たんじゃないか。
そんな
馬鹿なことを
考えてしまう。
(仁)瀧澤希余
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(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
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仁は首を傾げる。
(希余)香坂仁
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(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
そう言って笑う。
(仁)瀧澤希余
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(希余)香坂仁
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(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
どうしてそんなことを
満面の笑みを浮かべて言えるのだろう。
不思議でならなかった。
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(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
調子が狂う。
もっと、
どうしようも無いほどダメ人間なら
すぐにでも警察に突き出してやるのに。
……
あ、そうか入れ替わってるんだった。
いや、間違いなく狂ってはいるんだろうけど、
どうにも私の中で
殺人鬼=香坂仁になりきれていないのかもしれない。
まだ、
心のどこかで
それを否定している自分がいるんだ。
あれだけ凄惨な記憶を垣間見たというのに。
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(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
明かりを消した部屋。
仁は床に敷いた布団に横になっている。
(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
すかさずつっこむと楽しそうな笑い声が聞こえた。
(希余)香坂仁
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(希余)香坂仁
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(希余)香坂仁
(仁)瀧澤希余
(仁)瀧澤希余
仁は欠伸を噛み殺しながら言う。
(仁)瀧澤希余
(希余)香坂仁
ほんと、
調子狂う。
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コメント
5件
キヨは、かなり影響を受けていますね……。続きが気になります!!