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兄弟いるの羨ましい。

月島蛍.

は?

急に突拍子もないことを言い出した私を不自然に思ったのか、読んでいた本から顔を上げ、眉間に寄せていた皴を隠そうともせずにこちらを向いた

私もお兄ちゃん欲しかった…

それかお姉ちゃんでも可。

月島蛍.

急にどうしたの。

だって、蛍くんってお兄さんいるでしょ?

月島蛍.

まぁ。

それが羨ましいの!

私もお兄ちゃんかお姉ちゃんがいたらまずはディズニー行くでしょ。

オシャレなカフェも行きたいし…

あと、とにかく甘やかされたい。

やりたいことを思い浮かべて指折り数える私を見て、彼は呆れたようにため息をついた

呆れながらも先程まで手にしていた本を裏返しにして机に置いたから、どうやら話を聞いてくれる気になったらしい

月島蛍.

○○が思ってるものじゃないよ。

月島蛍.

兄弟って。

そうかもだけど…

私一人っ子だからやっぱり羨ましく見えるんだよね〜

それに蛍くんだってお兄さんのこと好きでしょ?

月島蛍.

…まぁ嫌いって言ったら嘘になる、

変なプライドが邪魔するのか素直に言わない彼の姿に、その姿が既に弟っぽいなぁ、とぼんやり思った

はぁ、いいなー!

兄弟。

月島蛍.

…そんなに欲しいならなる?

え?

月島蛍.

僕なら○○にお兄サン作ってあげれるけど。

膝の上に置いていた手を上から覆うようにして握られ咄嗟に彼を見ると、ほんの少し熱の篭った視線を向けられていた

その意味がわからないほど私は鈍感ではなかった

蛍くん。

月島蛍.

なに?

私、蛍くんのお兄さんに甘えようだなんて命知らずな真似できない。

月島蛍.

は?

あと私、本をそうやって置く人も嫌。

熱っぽい視線から逃げるように顔を逸らしてから、机に腕を伸ばして裏返して置かれた本を閉じ、再び机に置いた

私の返事を聞いた彼は一瞬動きが止まったかと思えば、拗ねた様子で自分の頭を掻きむしりながら絞り出すように声を出した

月島蛍.

○○さぁ、少しは照れるとか可愛い反応してくれない、の…

ちょっ!

グイッと力強く引かれた肩にバランスを崩しながら彼を見たあと、しまったと思ったけれど遅かった

自分でも分かるくらいに火照った頬を見て、彼は呆れた顔でポカンと口を開けた

かと思えば、一瞬にして嬉しそうににんまりと口の頬を上げた

月島蛍.

前言撤回。

月島蛍.

やっぱ超かわいい。

fin.

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