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月島蛍.
急に突拍子もないことを言い出した私を不自然に思ったのか、読んでいた本から顔を上げ、眉間に寄せていた皴を隠そうともせずにこちらを向いた
月島蛍.
月島蛍.
やりたいことを思い浮かべて指折り数える私を見て、彼は呆れたようにため息をついた
呆れながらも先程まで手にしていた本を裏返しにして机に置いたから、どうやら話を聞いてくれる気になったらしい
月島蛍.
月島蛍.
月島蛍.
変なプライドが邪魔するのか素直に言わない彼の姿に、その姿が既に弟っぽいなぁ、とぼんやり思った
月島蛍.
月島蛍.
膝の上に置いていた手を上から覆うようにして握られ咄嗟に彼を見ると、ほんの少し熱の篭った視線を向けられていた
その意味がわからないほど私は鈍感ではなかった
月島蛍.
月島蛍.
熱っぽい視線から逃げるように顔を逸らしてから、机に腕を伸ばして裏返して置かれた本を閉じ、再び机に置いた
私の返事を聞いた彼は一瞬動きが止まったかと思えば、拗ねた様子で自分の頭を掻きむしりながら絞り出すように声を出した
月島蛍.
グイッと力強く引かれた肩にバランスを崩しながら彼を見たあと、しまったと思ったけれど遅かった
自分でも分かるくらいに火照った頬を見て、彼は呆れた顔でポカンと口を開けた
かと思えば、一瞬にして嬉しそうににんまりと口の頬を上げた
月島蛍.
月島蛍.
fin.