彼女がこたつを買った
一人暮らしの決して広くない部屋にこたつなんかいるん?って聞いたら実家にあったからどうしても欲しかったらしい
こたつ自体にさして興味もなかったし、結局は○○の好きにすればいいことだから、そうか、なんて適当な返事をした
そうしたら少しむっとして、こたつの良さについて懇々と話し始めたのは一昨日のこと
こたつ布団を引き寄せてにこにこ、満足そうな笑顔で暖を取る彼女を横目で見る
まぁ確かに、言う通りあったかい
北信介.
北信介.
北信介.
半分ずつ持っていかなきゃだね、と彼女が言う
そんな事しなくても俺一人で持って行けるから、他にクリーニング出さなきゃ物を持たせた方が効率良い
…それはまたその時言えばいいか
彼女が出してくれた麦茶を飲む
それからみかんを取って皮をむいた
このまさに、っていうようなものを用意したのはもちろん彼女で、こたつがきたことに浮かれているのがよく分かる
日本の冬の定番が揃って嬉しいらしい
彼女はしばらく黙って好きなテレビ番組を見ていた
じんわり、暖かさが脚を包んでいって、そこから全身へ巡っていく
そうしてだんだん、眠気が忍び寄ってきた
このままここ入ってたら、寝る
こたつで寝ると風邪の原因になりやすいからそれは避けたい
ふと彼女の方を見ると姿が消えていた
まさかと思って覗き込むと、案の定、クッションを枕にうたた寝している
いつの間に寝入ってたんだ
北信介.
北信介.
ちょっとだけ
魅惑の言葉のように聞こえた
まぁ確かに、とか思ってしまった
普段なら絶対叩き起こしているところなのに
北信介.
そう宣言してちゃんとアラームをかける
15分だけなら、まぁこの心地良い暖かさに身を任せてもいいか
クッションを枕代わりにして彼女の方を向いてごろりと横になった
カーペットさえも温かい
すぐに夢へと誘われる
15分後、しっかり起きた俺はまだ昼寝をする彼女を抱きかかえてベッドに潜った
起きたらこれからはこたつで寝ないように彼女にはよく言い聞かせようと思った
気持ちよく眠る彼女の寝顔に思わず笑みが溢れる_______
fin.
ずんき
コメント
8件
リクエストいいですか? 出来ればツッキーやって欲しいです 是非お願いします!
リクエストありがとうございます🫶 北さん可愛いッ、 これからも投稿頑張ってください✊🏻 ̖́-