少し前の話
幸せは、思ったより短くて、長くて、
大切なものは、愛しいからこそ、脆くて、突然遠くに行ってしまいそうで。
二人のことを、声ですら忘れずに覚えておきたい。
ここに綴っておく。
永遠になんて言いません。
だから、どうか、これから私が感じるすべての幸せを、
二人と別れることなく、迎えられますように。
空
空が何かを持って駆け寄ってくる。
日帝
空
それは、淡い菫色や桜色の貝殻で丁寧に飾られた、櫛のようなものだった。
日帝
空
空
そう言って自慢気に櫛を見せてくる空をみると、思わず笑みがこぼれてしまう。
日帝
空
空が照れたように笑う。すると突然、なにかを思い付いたように言った。
空
空
日帝
空
あぁ、本当に......
日帝
日帝
独り言のつもりで呟くと、空にも聞こえたらしく、元気な返事がかえってきた。
空
日帝
日帝
海と空は、私のことをよく思ってくれているだろうか。
時々、不意にそう思ってしまう。
海と話す回数が、少しずつ減っていっているように感じるのは、思い込みだろうか。
空が日々、素っ気なくなっていっているように感じるのは、気のせいだろうか。
不安で仕方がない。
もしも、二人が私のことなど、もうどうでもいいと思っていたら?
もしも、あの日の約束を未だに真に受けているのが、私だけだったら?
違う、二人はそんなことを思ったりしない。
大丈夫。きっと大丈夫。
だけど、それでも、二人からの感情が、私そのものだから。
彼らにとっての特別になりたいと思ってしまう私は、やはり傲慢なのだろうか。
なら、せめてその視界の隅に置いておいてはくれないだろうか。
約束......したから。
コメント
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アップリケだから色々複雑な感情を無理やり組み合わせてまるで一枚の布、1人の人間のような感情に見せているって受け止め方をする私… 空が無邪気で好き!!