テラーノベル
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数時間後、しのぶは蝶屋敷に搬送され、命に別状はないと判断された。 傷は深かったが、臓器には届いていなかった。毒も使い切った後であり、自身の処置も的確だった。 しかし―― 百合香の胸に残ったのは、“助けられた”という記憶ではなく、“庇わせてしまった”という圧倒的な敗北感だった。 そして何より、 しのぶが最後まで微笑みを絶やさずにいたという、その事実だった。
近藤百合香
肩を庇われたときに見た、彼女の微笑。 鬼を倒すその背に浮かぶ 羽のような静けさ。 流れる血さえも、美しく見えた―― そんな自分が、信じられなかった。
近藤百合香
近藤百合香
近藤百合香
そう、骨の髄まで思い知らされた。
近藤百合香
近藤百合香
――数日前――
近藤百合香
平川すみれ
桂木夢乃
義勇が静かに語った一言
冨岡義勇
近藤百合香
平川すみれ
桂木夢乃
近藤百合香
どこが美しいんだ、何がそんなに惹かれるんだ·····と思っていた
でも····· 今なら少し、わかる気がした
近藤百合香
血に染まりながらも優しく、痛みを隠して舞い、すべてを背負ってなお、誰にも責めずに微笑んだ。 それは、恋の敵としての 胡蝶しのぶではなく、 “美しい柱”としての彼女の姿だった。
近藤百合香
まだ諦めるつもりはなかった。 義勇のことは好きなまま。気持ちを閉じ込めたくはなかった。
近藤百合香
近藤百合香
心の奥で、ほんの少しだけ、胡蝶しのぶという存在を“美しい”と認めてしまった自分がいた。 恋敵。でも、柱。 命をかけて誰かを守る、 柱という名の背中。 それは決して··········“顔だけ”なんかじゃなかった。
近藤百合香
百合香はしのぶの部屋の方向を向いて、小さく呟いた
近藤百合香
それはまだ声にならない想いだった。 ──だけど、いつかちゃんと、伝えよう。 その時こそ、恋敵としてじゃなく、“一人の鬼殺隊士”として。 そう、思えた。
主
主
コメント
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続きをお願いします‼︎神作なんです!