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光はタンタンタンと階段を登っていく。

水木 光

(トイレは2階だったよね)

水木 光

(優成お腹痛いのかなー)

「ねえ!」

後ろから呼ばれ、振り返る。

水木 光

……!

桃園 芽衣

……君、

桃園 芽衣

日坂のマネの子だったよね

マスクをしていた芽衣はマスクを取った。

水木 光

(この人は__)

今年のインターハイぶりに会った__

キャプテンの元カノ!!!!!

水木 光

は、はい

光は警戒するように固まった。

桃園 芽衣

……

水木 光

なにか"また"キャプテンに御用ですか?

桃園 芽衣

…ううん

桃園 芽衣

陽真に会いに来たんじゃない

水木 光

え……

水木 光

(この人数ヶ月と雰囲気変わった…?)

桃園 芽衣

もう陽真のことは諦めた

桃園 芽衣

インターハイの時、迷惑かけてごめんね?

水木 光

……

桃園 芽衣

私は今日、ただの日坂の元マネとして試合を見に来ただけだからさ

桃園 芽衣

……すごく強くなったね、本当

桃園 芽衣

涙出ちゃった

光はじっと芽衣のことを睨みつけた。

桃園 芽衣

ま、信用されてないのもわかるよ

水木 光

そういう訳じゃ__

水木 光

(ないわけではない!)

水木 光

……キャプテンに会わなくていいんですか

水木 光

その気持ち、本人に伝えるのが1番だと思いますけど

本当は元カノになんか会って欲しくない……

モヤモヤが止まらないけれど

私がキャプテンを独り占めできる権利なんてないし

桃園 芽衣

ううん

桃園 芽衣

会わなくていい

桃園 芽衣

ていうか、二度と顔見せんなって言われたし!

水木 光

水木 光

(別れた原因って桃園さんの浮気…だっけ)

水木 光

(キャプテンがそう言うのもわかる…)

桃園 芽衣

尾瀬くんには「次顔見せたら殺す」って言われたし!

水木 光

(あの人そんなこと言ったんか!!!)

桃園 芽衣

尾瀬くんの殺気やばかった〜!

水木 光

そんなルンルンで言うことですか……

桃園 芽衣

とりあえず、

桃園 芽衣

私は陽真たちに会う権利なんてないの

桃園 芽衣

陰でそっと見てるだけで幸せなんだから

水木 光

……そうですか

桃園 芽衣

ごめんね、えーと……

水木 光

あ……水木光です

桃園 芽衣

光ちゃんにこんな話しちゃってごめんね

水木 光

ぜ、全然大丈夫です

桃園 芽衣

なんかね

桃園 芽衣

光ちゃんと私、似てるような気がしたんだ

水木 光

え!?

水木 光

(私は浮気しない!!)

桃園 芽衣

だって光ちゃん。陽真のこと__

水木 光

芽衣の言おうとしている言葉を察知して、光の顔はカッと赤く染まる。

その時、

志保 優成

おい、光

2階から降りてくる階段の踊り場から優成が声をかけた。

志保 優成

何してんだ、ここで

水木 光

優成!

志保 優成

……って、誰?この人

水木 光

(優成は桃園さんのこと知らないのか!)

水木 光

え、えーと……

桃園 芽衣

ごめんね。そろそろ行くね!

桃園 芽衣

光ちゃん。わざわざ話聞いてくれてありがとう

桃園 芽衣

また試合そっと見に来るね?

水木 光

は、はい

水木 光

お願いします!

芽衣は光に手を振って歩いていってしまった。

志保 優成

誰、あの人

水木 光

ん、んー……

水木 光

(なんて説明すべき……?)

水木 光

んーーー……

志保 優成

まあいいや

優成はポン、と光の頭に手を乗せた。

志保 優成

迎えに来てくれたんだろ?

志保 優成

戻るぞ

水木 光

水木 光

うん!

陸は足を止め、振り返った。

桐山 凌

……なんだよ?

桐山 凌

試合終わりに急に呼び出しやがって

桐山 凌

俺、忙しいんだけど

水木 陸

…………

陸の目元は泣いた跡で赤く染まっていた。

水木 陸

今日…月葉は負けた

桐山 凌

……おう

水木 陸

最後のポイント……

水木 陸

スパイクが凌のブロックに止められてて

水木 陸

気づいたらボールが床についてたんだ

桐山 凌

……

水木 陸

お前はすごいよ、ほんと

水木 陸

やっぱ敵わないな…

陸は俯いて、肩を震わして泣いていた。

桐山 凌

……

桐山 凌

そうだな

桐山 凌

俺は最強だから

陸は目を丸くさせ、笑みを零した。

水木 陸

くくっ……

水木 陸

五条悟かっての

桐山 凌

"敵わない"で諦めるな

水木 陸

桐山 凌

俺を超えるくらい練習して強くなればいいだろ

桐山 凌

俺はその上を行くけどな

水木 陸

はぁー!ムカつく……

水木 陸

………あのさ

水木 陸

昨日言ったこと覚えてる?

桐山 凌

……ああ。

水木 陸

今日の試合、月葉が勝てば

水木 陸

俺は明里さんに告白するって約束。

水木 陸

……今日月葉は負けた

陸はゆっくりと深呼吸をして、口を開けた。

水木 陸

もう明里さんのことは諦めるよ

水木 陸

告白もせず、ゆっくり俺の中から消していく

桐山 凌

……

桐山 凌

お前はいいのか、それで

水木 陸

おう!

水木 陸

これが"正々堂々"と戦った結果だ。

桐山 凌

"正々堂々"か……

凌は口ずさみながら陸の元へと歩み寄り、陸の顔を覗き込んだ。

水木 陸

桐山 凌

なら、最後まで"正々堂々"と戦えよ

水木 陸

……なっ

陸は意味を理解し、目を丸くさせた。

水木 陸

正気で言ってるのか!?

桐山 凌

ああ。

桐山 凌

"正々堂々"と、

桐山 凌

気持ちを伝えろ__

涌井 明里

あ、戻ってきましたよ

光と優成は廊下の奥から歩いてくる。

水木 光

連れてきましたー

志保 優成

すみません。お待たせしました

倉見 修也

……凌、帰ってこないな

菊池 陽真

はぁ……

志保 優成

桐山さんいないんですか?電話したら__

倉見 修也

じゃーん!

修也はスマートフォンを優成の前に差し出した。

倉見 修也

凌のスマホ☆

志保 優成

……。なるほどです。スマホ置いてどこかに行ったんですね

尾瀬 一颯

はぁー

尾瀬 一颯

もういいじゃん、アイツは

涌井 明里

ええっ

尾瀬 一颯

置いてこー

涌井 明里

えええっ

菊池 陽真

一理ある

涌井 明里

えええええ

菊池 陽真

時間ないからとりあえず先に日坂に向かっていこうか

志保 優成

了解です

涌井 明里

(バイバイ、凌くん……)

明里たちは会場から出て、足を止めた。

涌井 明里

桐山 凌

……あ

水木 陸

……あ

会場の外で凌と陸が話をしていた。

倉見 修也

なーんだ!ここにいたのか凌!

涌井 明里

(2人で話をしてたんだ…)

その時、凌が陸の背中をバシッと叩いた。

水木 陸

陸は目を丸くさせたが、キッと覚悟を決めたような表情を見せた。

陸は明里のことをじっと見つめ、ゆっくりと歩み寄っていく。

涌井 明里

…?

水木 陸

……ごめんね、明里さん

水木 陸

雰囲気とか皆無だし、

水木 陸

日坂の人たち、皆いるし

水木 陸

絶対言うのは今じゃないって思う__

涌井 明里

……え?

涌井 明里

(なんだか、陸くんの雰囲気が__)

ドクッ、ドクッ…と妙に心臓が飛び跳ねてしまう。

水木 陸

でも今、言わなきゃ

水木 陸

後悔する。

陸はゆっくりと息を吸って、

吐くと同時に言葉を明里に放った。

水木 陸

好きです

涌井 明里

菊池 陽真

……おぉ

倉見 修也

尾瀬 一颯

へぇ

志保 優成

……すご

水木 光

えええっ!?

涌井 明里

……

涌井 明里

えええええええっ!?

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コメント

2

ユーザー

なんか、最初にみんな状況理解できずに「おぉ」とか言ってんのオモロすぎるw まぁ、この告白の結果は分かってるけど… 正々堂々 と戦った陸くん、偉いよ‼️ 頑張れ〜〜〜っ🔥💪

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