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じいちゃんのタイムマシーン

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じいちゃんのタイムマシーン

28 - 第二十八話:別れてください

♥

24

2022年05月19日

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恭也

一緒に来て欲しい

愛紗

え……

恭也さんの言葉に血の気が引いた

あんなことがあったのに

何事もなかったように接してくる

私は恭也さんを拒絶した

震える私を無視した行為に恐怖を感じ

ホテルから逃げたのに

どうして?

愛紗

行けない

恭也

理由は?

愛紗

理由?

愛紗

それを私に言わせるの?

恭也

あの日のことなら心配ない

愛紗

え……

恭也

向こうに行ってから考えればいい

この人は何を言っているのだろう

一体、何を考えると言うのだろうか

私の心はもう

恭也さんを拒絶している

恭也

カウンセリングを受けたりして

恭也

少しずつ解決していけばいい

愛紗

ちょっと待って……

愛紗

その前に大事なこと

恭也

大事なこと?

愛紗

私の気持ちは無視するの?

恭也

は?

恭也

気持ち?

恭也

そんなの決まって……

恭也さんの動きが止まった

何かを察したのか

信じられないと言う表情で私を見ている

恭也

まさか……

恭也

別れるなんて言わないよね?

愛紗

…………

恭也

どうしてだよ?

恭也

こんなに愛してるのに

やっぱりわかっていないんだ

私の気持ちを何一つ理解していない

自分の気持ちだけを並べ立てて

私も同じだと思っている

愛紗

(吐きそう……)

抱きしめられた時の腕や

首筋や頬を這った唇の感触

何もかもに嫌悪した

そしてトドメの一言

恭也

嫌なことを忘れるくらい……

恭也

気持ちよくしてあげるから……

凄く自分勝手な言葉

あれで私が頷くと思っていたのだろうか?

私のことを思うなら

あの場は引いて欲しかった

あのまま進めようとはせず

私の気持ちが落ち着くまで

恭也さんがそれをしなかったのは……

愛紗

もしかしてあの時……

愛紗

もう決まってたんじゃない?

愛紗

シンガポール

恭也

どうして……

愛紗

時間がないって言ってたから

図星だったのか

しばらく黙ったまま

運ばれてきたアイスティーを飲む

私の目の前にも運ばれてきたけど

一切口をつける気はなかった

恭也

三年も会えないなんて辛すぎるから……

愛紗

だからってあんなことして欲しくなかった

恭也

一緒に行こう

恭也

向こうでカウンセリングを受ければ何とかなるよ

恭也

離れたくないんだ

恭也

だから……

追加で頼んだホットコーヒーが運ばれてきて

私が目の前のアイスティを端にずらすと

恭也さんが端に追いやられたアイスティをじっと見つめる

恭也

三年も離れているなんて……

恭也

僕にとっては拷問だよ……

まだ私に気持ちがあると思っている

あんなことをしておいて

まだ私が恭也さんのことを好き?

あり得ない

恭也

別れるなんて言わないよね?

恭也

まだ七ヶ月だよ?

恭也

これから楽しいことがたくさん待っているのに

愛紗

だからって

愛紗

あなたが私にしたあの行為は消えない

恭也

愛しているから

恭也

当然のことをしたまでだよ

恭也

君のトラウマを消し去りたい

恭也

その為に……

恭也さんはあの日

私が何を言おうとしていたのかわかっていた

過去の辛い記憶が私の心を支配している

それなら自分が何とかしなければ

そう思っての行動だったと言う

恭也

ショック療法みたいなもので

恭也

もしかしたらって思ったんだ

斜め上すぎる発言に言葉を失う

あんなことをして本気で私が喜ぶと思ったの?

愛紗

むしろ私は……

愛紗

あなたへの気持ちが冷めました……

愛紗

別れてください

やっと言えた

七ヶ月間

素敵な思い出もちゃんとあった

だからあえてこう言う

愛紗

今までありがとうございました

これでいい

これでいいんだ

恭也

ちょっと待ってよ……

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