ガラガラガラ
レイカ
おはよう。
生徒
それでさー
生徒
えーやば!
レイカ
(よし、屋上行こう。)
レイカ
今日は誰にしようかな〜
アイザワ
何が?
レイカ
!?
アイザワ
あ、ごめん
アイザワ
驚かせちゃったね。
レイカ
いえ、
レイカ
大丈夫です……
レイカ
(聞かれてた…よね。)
私は彼に背を向けて、少し離れた所に座った。
程なくして静まった屋上に響いた声は、アイザワの声だった。
アイザワ
ここの屋上っていい所ですね。
レイカ
そうですか?
アイザワ
1人で考え事をするにはもってこいの場所だ。
レイカ
(案外私と同類だったりして笑)
レイカ
(まぁそんな訳ないけどね)
アイザワ
さっき何を考えていたんですか?
レイカ
え?
アイザワ
いや、屋上に来た時に言っていたでしょう。
アイザワ
「今日は誰にしようかな」って
レイカ
あー
レイカ
言ってましたっけ
レイカ
そんな事
アイザワ
覚えてないのならいいんですが・・・
きゃあぁぁぁ!
誰かの叫び声かドアから響いた。
アイザワ
!?
レイカ
…何かあったんでしょうか……
アイザワ
・・・。
ざわざわざわ……
ガララッ
先生
どうしたんだ!?
生徒
先生っ!
生徒
皆が机に張り付いて動かないんですっ
カスミ
マキっ!
カスミ
マキったら!
マキ
・・・。
アイザワ
これは・・・
レイカ
どういうこと・・・?
悲鳴の聞こえた教室は「高校2年2組」の教室だった。
教室には生徒が大勢いたが、その大半が机に突っ伏していた。
アイザワ
ダメだ・・・
アイザワ
皆死んでる・・・
先生
そんな!
カスミ
マ・・・マキも・・・?
アイザワ
・・・
アイザワ
残念ながら…
カスミ
そんな……
カスミ
返事をしてよ!
カスミ
マキぃ!
レイカ
カスミさん…
レイカ
落ち着いて・・・ね。
カスミ
うっ…うう……
先生
こんな光景・・・
先生
見た事ない
先生の顔は絶望感に満ちていたが、その端には「興奮」の色が見えた。
生徒
どうなってんのよ・・・
生徒
こんなに一斉に・・・
アイザワ
有り得るのか・・・こんな事。
レイカ
もしも有り得なくても、現に起こってしまった。
レイカ
(感情が溢れるフリでもしようか。)
レイカ
先生、どうするんですか・・・
先生
どうもこうもないよ・・・
先生は肩を落として教室を出ていった。
レイカ
まずは何から…?
アイザワ
そうだな・・・
アイザワ
死因を調べる事から始めようかな。
レイカ
はい。
レイカとアイザワは助かった生徒を教室の外へ出し、死体を1人ずつ確認し始めた。
アイザワ
どうだった?
レイカ
やはりこっちも「始め」と同じ状況みたいですね。
アイザワ
同一人物か・・・
レイカ
?
レイカ
何故そう思うんですか?
アイザワ
簡単だよ。
アイザワ
死因は恐らく青酸カリ。
アイザワ
しかもこんなに一気に殺すことが可能な方法は俺の知る限りではただ1つ。
レイカ
教室のどこかに青酸カリを塗った…
レイカ
という事ですか?
アイザワ
その可能性は高いだろうな。
レイカ
なるほど。
レイカ
ただいまー
ドサッ
レイカ
制カバン重いったらありゃしない。
レイカ
・・・
レイカ
(やっぱり一気にやったのは不味かったかな・・・)
彼らの検死の結果、 死因は青酸カリだと断定された。
あの後アイザワは、教室の中を1つずつ見て回った。
レイカ
(結局各自の机に塗ってた事も見つけられちゃったし…)
レイカ
(まぁでも、)
レイカ
(あのクラスは後5人。)
レイカ
上手いこと死んでくれたなぁ〜
レイカの顔は、様々な思いが入り交じっていた。
例えるならば・・・ そう。
独裁者。
レイカ
ミスをした時のことも考えとかなきゃね。