膝の上に座らせられて、海斗が話し出した。
雨宮 海斗
あのさ、
田中 結海
??
そこで沈黙が流れた後、海斗が口を開く。
雨宮 海斗
いや、なんでもない。
田中 結海
え!?気になるじゃん?
雨宮 海斗
いや、なんでもないから、
雨宮 海斗
ただ、今お前をそばに置いときたい。
田中 結海
え!?//
雨宮 海斗
勘違いすんなよ?
雨宮 海斗
俺はただ、今誰かにそばにいてほしいだけだからな?
そう真顔で言われた私は、まだ好きになってもらえないなーと心の中でつぶやく。
田中 結海
わかってるよ、、。
そう話していたとき、ふと、推理小説の本棚の方に目を向けると、。
田中 結海
!?え、、。
田中 結海
わ、洹!?
その声に海斗も振り返った。
柏木 洹
あー、ごめん、話し声が聞こえたから。
田中 結海
えっと、その、、。
雨宮 海斗
、、。
黙り込んでしまった私たちに洹は一言だけ言った。
柏木 洹
二人って、、、。
柏木 洹
付き合ってるの?
雨宮 海斗
いや、付き合ってねーけど
私より先に言った海斗のその言葉に胸がチクリと痛んだ。
田中 結海
、、。
田中 結海
そうだよ。
しばらく私の様子をうかがった洹は、口を開く
柏木 洹
あのさ、僕が言うのもあれなんだけど、
雨宮 海斗
何
田中 結海
、、。
柏木 洹
付き合ってもないのに、そうやって女の子に触れていいもんなの?
雨宮 海斗
は?
田中 結海
、、。
柏木 洹
僕が女の子だったら勘違いするけどね
雨宮 海斗
なんで
柏木 洹
だってさ、そばにいてほしい=私のこと想ってくれてるって思うくない?
雨宮 海斗
、、。そうなのか?
田中 結海
あ、、。えっと、、。
柏木 洹
結海ちゃん、ちょっと話せない?
田中 結海
あ、うん、いいよ
そう答えた後、洹は私を誰もいない体育館へと連れて行った
雨宮 海斗
おい!
後ろから呼ぶ声が聞こえたけど、それも無視して。
今日は運動部は休みらしい。
柏木 洹
あのさ、海斗のこと好きだよね?
体育館のステージへ続く階段まで来て手を離された後に聞かれて
田中 結海
なんで分かったの?
と、つい聞いてしまった。