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勝手にフォローさせてもらっちゃいました… 主の作品大好きなので、これからも頑張ってください!!
フォローさせてもらいました頑張ってください続きが楽しみです(((o(*゚▽゚*)o)))
いつも楽しみにしてます!続き頑張ってください!
勇太
気づけば俺は夢中で街の中を走っていた。
勇太
勇太
勇太
〇〇の家へと足を動かしているが、近づくにつれて足がすくんでしまう。
あんな酷い別れ方をしてから1週間して、久しぶりに会って、〇〇は俺をちゃんと受け入れてくれるのだろうか。
想像すればするほど、マイナスな考えしか思いつかなかった。
きっと、冷めた目で俺の事を見るんだろうな……
でも、そんなの自分が積み重ねてきた顕著に出ただけ……
自業自得だよね…
分かってる…
分かってるけど、無理なんだ……
〇〇がいないと…俺は生きていけない…
〇〇を放っておけない!
お願いだから…"今更とか言わないで"…
〇〇が住んでいる近くの商店街の入口に差し掛かると、なんだか懐かしい気がした。
"意外と商店街似合うんだね。勇太は笑"
〇〇の笑い声が聞こえる…
あの頃に戻りたい…
考え事をしながらとぼとぼ歩いていると、ふと見慣れた後ろ姿にピントがあった。
勇太
どこか寂しげな空気を纏った女性は、間違いなく〇〇だった。
いつものような、明るくて元気な姿とは思えない…
まるで、何かを失ったかのようにゆっくり歩いている。
勇太
今すぐに呼び止めたい……
抱きつきたい……
そんな夢のようなことは現実では起こらない……
こんな大勢の人がいる中で〇〇にハグなんてできない。
俺の視界から離れていく〇〇の後ろ姿をじっと見つめる。
身を屈めながら、人混みを避けているその時………
勇太
"奇遇だね〜?ここら辺よく来るの?"
俺の目の前に現れたのは、上條さんだった。
上條さんよりずっと奥の方に歩いている〇〇の姿が見えなくなっていく。
勇太
上條
勇太
上條さんの考えていることや、何がしたいのかがさっぱり分からない。
ただ、どう考えたって〇〇の家の近くの商店街に上條さんがいることはおかしい。
勇太
頼むから………〇〇のところに行かせてくれ。
上條
上條さんが放った言葉を、周りの騒音で聞こえないフリをした。
そして、俺はどんどん遠くへ遠ざかっていく〇〇の姿を追うために足を動かした。
はずだった……………
上條
商店街を歩く人々を止めるほどの上條さんの声量でその言葉が響き渡った。
女子高生
女子高生
女子高生
勇太
あっという間に、俺の周りに人だかりが出来てしまった。
女子高生
女子高生
女子高生
この状況に1番驚いているのは俺だった。
この通行人たちを利用して、上條さんは俺と付き合ってるということを演じているのか……
気づいたら、俺たちが一緒に買い物をしているような場面になっていた。
勇太
また、上條さんの仕掛けにハマってしまった。
勇太
上條
勇太の姿を見て、上條さんはニヤニヤと笑う。
勇太
ダメだ…………
この女、狂ってる……………
そんなこと、前からちゃんと知っておけばよかった。
だんだん、上條さんと俺を取り囲む人だかりが大きくなっていく。
けど、俺は〇〇のところに行かなくちゃいけないんだ。
勇太
こうして、やっとの思いで俺は人だかりから抜けることができた。
そんな俺は、やっと〇〇のことを視界に入れることが出来た。
〇〇
〇〇が、こっちを振り返った。
勇太
〇〇
なんだよ……その顔………
なんでそんな悲しそうな顔してんだよ……
こんなの……あんまりだ………
〇〇…………これは全部嘘なんだよ
この状況も……今まで〇〇が抱え込んできた不安も…………
全部全部………………嘘なんだよ
俺は〇〇のことしか見てないのに……なんで……
こんなにすれ違ってしまったけど…
これだけは信じて欲しい…………
〇〇………俺は……
俺は〇〇と出会ってから1度も心が揺らいだことなんてなかったよ。
そう今すぐ伝えたい……
すぐそこにいる〇〇との距離が凄く遠く感じてしまう。
勇太
俺の小さな叫びは、〇〇に届くはずもなく地面に打ち付けられた。
俺に背中を向けた〇〇は、ついに視界から姿を消してしまった。
続く