椿
・・・・・・・・
椿
(あと1ヶ月・・・か
俺がそんなことを考えていると
永琳
椿、起きてるかしら?
椿
?ああ
永琳
あなたに会いたいっていう人がいてね
椿
…?
琴葉たちなら永琳なんかには言わずに来るはずだから、俺は首を傾げた
幽々子
ガラッ君が椿君?
椿
・・・そうだが
幽々子
私は西行寺幽々子
幽々子
冥界の管理をしてるの
椿
そんな場所もあるんだな
椿
それで、俺に用があるのはお前か?
幽々子
いいえ、私の友人ね
幽々子
紫からその子のことを聞いてねぇ
幽々子
椿君のことを話したら、会いたいってね
椿
そいつはどこだ?
幽々子
もうすぐ来るはずよ
エレン・フィルム
ガラッ幽々子お待たせ
エレン・フィルム
初めまして、水原椿くん
椿
・・・誰だ?
エレン・フィルム
私はエレン・フィルムっていうの
椿
フィルム…?
俺はその名前に聞き覚えがあった
椿
・・・・!
俺はその時、「あること」を思い出した
それは、琴葉の昔の名前
『リーナ・フィルム』
椿
・・・・琴葉の、母親か?
エレン・フィルム
ふふっ、よくわかったわね
エレン・フィルム
それに、あの子の名前も覚えててくれたのね
椿
・・・琴葉の母親が、俺に何の用だ?
エレン・フィルム
・・・貴方、こっちに来て能力を貰ったでしょ?
椿
ああ
エレン・フィルム
能力名は分かっているの?
椿
いや、使ったことは何度かあるが、名前は
エレン・フィルム
その能力の名前を、知りたいと思う?
椿
・・・お前は知っているのか?
エレン・フィルム
ええ、勿論
椿
なら教えてくれるか
エレン・フィルム
わかったわ
エレン・フィルム
貴方の能力は、「華を使役する程度の能力」
椿
使役?
エレン・フィルム
簡単に言えば、貴方が思い浮かべた花の能力・・・つまりは花言葉
エレン・フィルム
花言葉にはそれぞれ特殊な力が備わっていてね
エレン・フィルム
花言葉によっては、ここ幻想郷を壊すことだってできる
椿
・・・なんでお前がそんなことを知っているんだ?
椿
八雲にでも聞いたか?
エレン・フィルム
どちらかというと、私が彼女に教えた側よ
エレン・フィルム
でも、そうね…そろそろ言ってもいいかしら
エレン・フィルム
レーナの昔についてはもう聞いたのかしら?
椿
ああ
エレン・フィルム
・・・なら、あの子の父親のことも?
椿
たしか・・・創造神だったか?
エレン・フィルム
ええ
エレン・フィルム
そして私は、あの人に一番近い存在
エレン・フィルム
創造神の妻となった者は、自然と「創神使」となるの
椿
創神使?
エレン・フィルム
説明が難しいのだけれど、創神使は創造神を傍から見守り、手助けする役割を担っているの
エレン・フィルム
だから私は、創造神であるグラン・フィルムの創神使として沢山のことをこなしてきた
エレン・フィルム
そして、ここで初めの話に戻るのだけれど
エレン・フィルム
創神使となった者には、それぞれ能力が与えられるの
エレン・フィルム
なんの能力を与えられるかは、最高神である次元神様の判断
エレン・フィルム
そこで、私に与えられた能力は…
貴方の持つ、「華を使役する程度の能力」だった
椿
は…?
椿
じゃ、じゃあなんで俺が今その能力を持っているんだ?
エレン・フィルム
それは、私自身が貴方に能力を譲渡したから
椿
能力を・・・譲渡‥?
エレン・フィルム
そう
エレン・フィルム
だけど、能力を譲渡すればもう元には戻ってこない
エレン・フィルム
だから、あの人にも次元神様にも猛反対をされた
エレン・フィルム
だけど、これは私が決めたこと
エレン・フィルム
貴方を信じてやったことなの
エレン・フィルム
だから、責任は負わないで頂戴ね
椿
・・・ああ、分かった
エレン・フィルム
それじゃあ、最後に1つだけ
エレン・フィルム
さっき、花言葉にはやろうと思えばこの世界をも壊せると言ったわ
エレン・フィルム
だけどその中に、代償を払って使うことができるものが1つだけあるの
エレン・フィルム
刻華「黒く染まった呪い華」
エレン・フィルム
これは、クロユリの花言葉を具現化したもの
エレン・フィルム
そして、代償は…
エレン・フィルム
「自分自身の命」
椿
・・・・・・・・
エレン・フィルム
貴方も知ってはいるでしょう?
エレン・フィルム
強力な能力は、それ相応の代償を伴う
エレン・フィルム
クロユリの能力は、やろうと思えば相手の命を簡単に奪えてしまう
エレン・フィルム
だけど逆に、それを使うには自分の命を差し出さなければならない
エレン・フィルム
これは禁忌とされているから、神の中ではあまり上がらないし、次元神様にも使うことを止められていたの
エレン・フィルム
そして、クロユリの能力は
エレン・フィルム
「誰かを助けたい、守りたい」という想いが強ければ強いほど、その効力を発揮する
エレン・フィルム
できることなら、貴方にはこれは使ってほしくないと思っているわ
エレン・フィルム
だけど…貴方が、自分の命を差し出してでも誰かを助けたいと思ったら、使って
椿
・・・・・・
エレン・フィルム
それじゃあ、そろそろ行くわね
エレン・フィルム
私は冥界に良くいるから、来る機会があったら来てね
エレン・フィルム
あ、それと、このことはレーナには言っちゃダメよ
椿
・・・なんでだ?
椿
お前は、実の娘には会いたくないのか?
エレン・フィルム
・・・・勿論、レーナには会いたいわ
エレン・フィルム
だけど…あの子には、嫌なお別れの仕方をしちゃったからね
エレン・フィルム
会うに会えないわよ
椿
・・・そうか
エレン・フィルム
それじゃあね、椿くん
幽々子
永琳、また来るわね
永琳
そんな頻繁に来られても困るのだけれど…
椿
・・・・(会うに会えない…
椿
(それは…本当にお前の本音なのか、?
椿
(…もう会わないことを願っておくよ