君になりたくて

第2回戦が終わり、日坂は学校に戻って練習をしていた。

練習の合間の休憩時間。

ボーッとする光に声をかける。

光はハッとして我に返った。

私も皆に告白シーンを見られて

すごく今、恥ずかしいんだけど……

優成はニヤニヤしながら2人の元へ近づく。

修也と凌が3人の元へ歩み寄ってきた。

凌はムッとしながら、こくりと頷いた。

数日後

ー西区 決勝戦ー

バァンッと凌のスパイクが相手コートに打ちつけられた。

25 ｰ 23

獲得セット数 2 ｰ 0

日坂 優勝

修也と光はぴょんぴょんと飛び跳ねて喜んだ。

すると廊下の奥から月葉たちがゾロゾロとやってきた。

雛の持つ真っ黒なうちわには「凌FIGHT」と大きく文字が書かれていた。

そして、月葉たちは手を振って

歩いていってしまった。

陽真はパチンッと手を叩く。

光と優成は2人並んで帰っていた。

光は優成から目を逸らし、苦笑をこぼす。

優成は歩みを止め、ジリ…と光に近づいた。

優成は光に手を振って、道を曲がって歩いていってしまった。

光は優成の後ろ姿をポカンと見つめていた。

でーと、ってやつ？

光はウンウン、と自分にそう言い聞かせていた。

ー次の日ー

光はキョロキョロと辺りを見渡しながら優成を探す。

光はため息をついて下を向いて自分の格好を見つめた。

光は声のする方へ顔を向けた。

顔を赤らめた女性は口を開く。

制服だとスカートだから声はかけられないけど

私服でズボン履くといつも男と勘違いされるんだよな

優成はじっと女性を見つめた。

赤くなっていた女性を見て、優成は「そういうことか」と呟いた。

優成は光の手を引いて歩き出した。

光は後ろを振り返って女性に声をかけた。

光は前を向き直し、手を引いて進んでいく優成の後ろ姿に目を向ける。

コイツ……なんか今日

イケメンじゃね？

なんかいい匂いするし！？

光の全身からぶわっと汗が吹き出す。

デートする気満々じゃん！？？