主
主
主
主
今回
は
背景
なし!
主
主
主
主
主
咲羅
ドスンって4人がけの木製のテーブルに座る。
私が座るなり店員さんがお水を持ってきてくれて私は定番オムライスを注文。
雅紀
先に来ていた雅紀はもう食べ終わった様子で携帯をいじっている。
誰のせいで遅くなったと思ってんの
咲羅
連絡先の書かれた紙を渡す。
なにこれ、って雅紀は眺めて
雅紀
私は幼稚園の頃からの雅紀の幼馴染ってやつで
ど定番のお家が隣っていうパターン。
だからずっと隣にいて仲のいい私に女子は寄ってくる
中学のときはラブレターを渡してくれって
高校以降は連絡先を渡してくれって。
もう何回目って感じで。
雅紀だってああ、またね、って慣れっこな感じで
咲羅
雅紀
なにも気にせずその連絡先をパパッと携帯に読み込む
優しい雅紀は毎回それを受け取って、女の子達の夢に答える。
咲羅
雅紀
LINEのトーク画面にはたくさんの赤い通知マーク
どんだけためてんだ、この色男
咲羅
雅紀
咲羅
そうだよ、そろそろ真剣にならないと一生独り身だよ
って私も人の心配してる場合じゃないんだけれども
咲羅
雅紀は学生時代に何度か付き合ったことはあったけど、全部女の子からって感じで
別に雅紀には気持ちがあったわけじゃなくてすぐに関係は終わってた。
そういえば、雅紀の好きな人、聞いたことないな
雅紀
咲羅
雅紀
咲羅
思いがけない返答に声が裏返る。
初めて聞いた、雅紀の好きな人
咲羅
雅紀
へぇ、この男も頑張ってるんだ
色恋沙汰なんてないと思ってたけどあるんだ
私は1人、取り残された気分
ずっとずっと好きな人はいるけどずっとずっと叶わない。
雅紀の好きな人がうらやましいな
和也
急に横からにのが割って入ってくる。
二宮和也
私と雅紀と同期入社した、できる男。
同期だからすごく仲良くなって、会社ではサンコイチなんて言われてる。
咲羅
はぐらかしてみるけど
どうせニノは知ってるじゃん
いつも雅紀のことでからかってくるんだから
和也
咲羅
雅紀
鈍感な雅紀は私の気持ちに気づいてくれたことなんてなくて
それよりも私に聞いてくることもなかったから
私にそんなに興味がないんだなって思ってたから
雅紀
この話に食いついてきたことはすっごくうれしかった。
だけど言えるわけなんてない。
咲羅
雅紀
ツンて口が尖るこの顔がたまんなく好き
少し顎をひいて上目遣いになってる感じ、ずるい。
そんな顔したって教えてあげないよ
和也
なんて1人、いつもの得意げな顔でいうニノは
私たちのまたやってるわ、っていう呆れ顔をみて
自分でたまらなくなって吹き出す。
それにつられて私たちも笑っちゃって。
この関係大好きだな
なんて思った、つかの間のお昼休み。
咲羅
金曜日
週末はよく会社の近くに独り暮らしをしている雅紀かにのの家でご飯を食べる。
今日はニノの家で鍋パーティ
最近寒くなってきたから鍋食べたいねってなって
だけどこの3人で仲良くなってもうすぐで8年
鍋の時はいつも決まって争奪戦
これが、醍醐味(だいごみ)
咲羅
雅紀
咲羅
雅紀
めちゃくちゃ幸せそうな顔を見せつけてくる雅紀
あー、腹立つ
楽しいけど
腹立つ
和也
ほどよく野菜とかを追加してくれるにのが顔をしかめる。
初めはにのはいつも争奪戦に参加しないで1人もくもくと平和に食べていて
だけどそろそろにのにも参戦してもらわないと
あ、にのの前にある肉、食べごろだ
咲羅
和也
咲羅
咲羅
ほどよい火の通り加減。
火が通りすぎてなくて柔らかくて甘い。
これだからにのの育てる肉は取りがあがあるよね(笑)
和也
今度は1人でひっそりと食べようとしていた雅紀の肉をにのがとる
雅紀
すっごい大声(笑)
こうやってずっと争奪戦
すんごく、楽しい。
咲羅
大分お酒回ってるのかな
頭がぼーっとする
今週は結構忙しくて疲れていたからかな
立ってもフラフラするし
もうめんどくさいし
このまま泊まっていきたくなった
いつもは多少なら頑張って帰ってたけど今日はほんと、無理。
雅紀
和也
咲羅
何気なく聞いたのに
冗談ぽく聞いたのに
雅紀
そんな真剣な顔で答えられたら困る。
急に変わるからどうかえしたらいいかわかんないや
和也
うーん、て腕を組んで私を見る
そんなに酔ってるのかな
雅紀
和也
雅紀
和也
雅紀
そう言ってでーんって手を広げてにのを受け止める体制の雅紀。
いや、にの、本気で嫌がってるから
雅紀、まじで変態だから
雅紀も酔ってるんだな
だけど結局なんだかんだ言って2人ともお互い大好きで2人で寝ることになって
私は女子だからってにののベッドを独り占めしていいって言ってくれた。
フラフラな足取りで寝室へ行く。
ちょっと、やばいかも
咲羅
よろけてテーブルにぶつかりそうになる
それを雅紀が支えてくれて
お酒の匂いもあるけど雅紀の大人っぽい匂いが鼻をくすぐる。
咲羅
そのままベッドに連れて行ってくれて
寝かしてくれて毛布までかけてくれた。
さっきまで触れてた肩が愛おしい
このまま一緒に寝れたら幸せなのに
なんて叶うはずもなくて
ぽんって軽く頭をなでられて
雅紀
そう言って寝室から雅紀は出て行ってしまった。
かすかに残る雅紀の体温
一緒に寝れなくて残念、なんてとうに忘れて
おやすみって寝る前に聞く最後の声が好きな人の声なんて幸せだって
胸がほっこりしたまま眠りについた。
咲羅
心地よい暖かさの朝日で目がさめる。
頭ががんがんして少し気持ち悪い
飲みすぎた…
水を飲みに行こうと思ってベッドから起き上がろうとするけど
なんだかうまくいかない
身動きが取りづらい
寝起きで視界がぼやぼやの目をこすってクリアにすると
咲羅
目の前には相葉くんの顔
スースーと規則正しい呼吸をしている。
私、抱きしめられてる
ようやく状況を把握した。
なんでか、雅紀の長い腕に包み込まれていたらしい
理解した途端顔がかあって熱くなる
心拍数もどんどん上がってく
なんでこんな状態なのかさっぱりわからなくて
目をパチクリしてみるけどやっぱりわかんない
だけど
幸せ
久しぶりだな、雅紀の寝顔なんて
ちっちゃい頃と変わらない長いまつ毛に
スラッとした鼻
うらやましいくらいサラサラの髪
こんなに気持ち良さそうに寝てたら
昔の気持ちが蘇ってくる
…いたずらしてやりたい
控えめにほっぺをつねってみる。
そしたら
雅紀
って嫌そうな顔をするけど起きない
おもしろい
私って調子のりなんだな
えいって思いっきり鼻をつまんでみた
雅紀
咲羅
あはは、なんて笑ってた私、なんて能天気なの
怒ったのか、私の体を包んでた長い腕が私の手に伸びてきてガチッと捕まえられる。
身動きとれない
雅紀の鋭い目に捉えられた私
どう…しよう
コメント
1件
楽しみ😆✨