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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

渡辺side

 

もう少し

あともう少し

あともう少しで

きっと

あともう少しのはずだ

辰哉

ねぇ、なべまだぁ?

渡辺

もう少しだと思うんだけど

お前運動不足なんだよ

辰哉

んなこと言わないでぇ

涼太

大丈夫、ふっか

辰哉

こういう時優しいだてさんすき

亮平

地図でもあともうちょいじゃない?

亮平

踏ん張って

大介

がんばるでやんすー!

あーもう引っ張ってやるから

よっかかっんなって

なんていつもみたいに

やりとりしてる俺の大事な仲間を横目に

俺はあの日見た景色を

もう一度見るために

1歩1歩前に進んでいく

あの頃は俺も

佐久間に引っ張ってもらう側だった

今度は行く時は喚くであろう

あの"二人"を引っ張るかー

どうせ目黒はやる気満々で歩くしなー

なんて、ふっかと笑ってたのに

またこの光景を見るなんて

でもあの頃と変わらない立ち位置だな

先頭に佐久間、次に俺

真ん中に阿部ちゃんと涼太がいて

照がふっかを引っ張ってる

涼太

もう佐久間前見て歩かないと危ないよ

大介

気をつけるでやんす!

亮平

いや前向きなよ

渡辺

その会話聞いた事ある……

辰哉

お、そっちもしてた会話?

渡辺

ふっかはこっちでも照に引っ張られてた

おいおい

涼太

翔太も引っ張られてたんじゃない

渡辺

え、お、なっ

大介

え?お前、なんで?

亮平

だてさん翔太のことならなんでもわかるんだね!

今のはどちっかといや佐久間だろ

辰哉

やっぱり俺ら変わんないんだねぇ

そうこうしてるうちに

もうだいぶ歩いたはず

渡辺

だっ

亮平

え、わっどうしたの翔太

涼太

急に立ち止まるから驚いたね

お?

辰哉

えーなになに着いた?

急に生き返るな

涼太

佐久間がだいぶ先に進んじゃったみたいだよ

涼太

後ろ向きに歩いてたから大丈夫かな!?

だてさんは何を心配してるの

大介

うおおおお!!

大介

ここだぁぁ!!!

大介

着いたぞおおおお!!!!

渡辺

……着いた

渡辺

朝焼け公園

やっとか

亮平

だいぶ歩いたね

涼太

よかった、転んでなかった

亮平

転げ回ってはいるけどね

辰哉

うぉったっけ

辰哉

そりゃ子供どころか誰も寄り付かないわ

亮平

でも綺麗……隠れた名スポットってわけね

翔太の言う通り夕方に時間合わせて良かったな

大介

めっちゃきれー!!

辰哉

広くて練習場所には打って付けだわなぁ

渡辺

……うん

"俺"も久しぶりに見たから

思わず黙り込んじゃうくらい見入った

渡辺

いつも夕方くらいから暗くなるまでいたんだ

渡辺

ダンスの振り入れしたり

渡辺

ジュースとかお菓子とか持ってきて

渡辺

ただひたすらに喋って時間を潰す時もあった

渡辺

はずいんだけどさ……

渡辺

俺らもう小学生くらいからジュニアって……

渡辺

練習生みたいな、感じで……

渡辺

普通とは違う生活してたから……

渡辺

ただここに、"普通に放課後遊びにくる"みたいな遊びをして

渡辺

学生だなって幸せを感じてたのかも

涼太

……青春だね

渡辺

……は、だっせぇ俺……

渡辺

こないだから泣いてばっか……

亮平

そんなことない

亮平

凄く素敵な思い出だよ

亮平

そんな思い出の記憶の中に俺たちがいるんでしょ?

亮平

そんな嬉しいことはないよ

泣くことがダサいなんて誰が決めたんだよ

大丈夫だ、絶対翔太を元の世界へ返すから

大介

そうだぞ!!あっ持ってきたお菓子食べる?

辰哉

慰め方下手選手権1位

大介

うるさいぞ!!

渡辺

っははぁ!ばーか!

涼太

……こんなに、笑っ……の……

亮平

……?だてさん?

涼太

ううん、俺、翔太の笑顔好き

亮平

ちょ、な、急

落ち着け

渡辺

おい、やめろ……

大介

あ、翔太くんてれてるぅ?

来てよかった

のかな

涼太

……泣くほど感動したのに

涼太

少し、複雑そうだね

涼太

やっぱりデビューしてから来たかった?

あ、だめだ涼太にはバレるわ

鋭いなほんと

亮平

え、なに?

デビューしてから来る予定だったのか?

渡辺

あぁ、いや

渡辺

ここ、朝焼け公園だろ……

渡辺

夕焼けでもこんな綺麗だけど

渡辺

ここから見る朝焼けってどんなもんなのかなって

渡辺

朝焼け公園っつうくらいだし

渡辺

ずっと話してたんだけど

渡辺

でもよく来てた時は終電前には帰ってたしさ

渡辺

大人になってからなかなか行く機会なくて

渡辺

1人で行く気にもなれなくて

渡辺

じゃあデビューしたら全員で朝焼け見に来るかなんて話してて

渡辺

3人も一緒に全員で……今日見たのは夕焼けだからいいんだけど

渡辺

そうじゃなくて

渡辺

なんか俺があの頃に戻ったみたいで、変な感じがする

辰哉

あーまぁーようは浸っちゃったわけね

渡辺

言い方

涼太

大丈夫、ちゃんと朝焼け見れるようにするからね

亮平

……みたいな、朝焼け

渡辺

……ねぇ、皆

少し

考えた

涼太

ん?

涼太

翔太……?

俺らはどこにいても

何をしてても

例えアイドルじゃなくても

きっと

共に居れるなら

いや

居てほしい

"お前らと一緒に居たい"から

それなら

それならさ

渡辺

友達、で

渡辺

いてほしい

渡辺

俺、戻っても

渡辺

今の、26歳じゃなくて

渡辺

ほんとの、俺と

渡辺

友達に、なってほしい

渡辺

涼太、は

渡辺

これからも

渡辺

……しん、ゆうでいてほしい

涼太

……っは

亮平

もっ……

あっ

辰哉

な、

大介

ズッ友ー!!!!!

大介

俺っちと翔太くんはズッ友だぜ!

亮平

もむ、もちろんだよ!!

あたりぃ、まえらろ!!

辰哉

やべぇ1人残らず動揺して噛み倒してる

辰哉

ふっかさんだけはいきのこりょぅ

お前もじゃんか!

涼太

あー!!

大介

およ?

亮平

だ、だてさん……?

辰哉

急な声量お化けびびるわよ

涼太

もう……

涼太

なんもわかってないんだなぁ

涼太

あのね

渡辺

おう

涼太

口下手で

知ってる

涼太

世話がかかって

ん、ごめん

涼太

心配ばっかかけて……!

お互い様

涼太

でも優しくて

お前の方が優しいよ

涼太

だけどそれを見せるのが恥ずかしいから

涼太

隠してて

別に隠してない

涼太

でも優しいから口下手なくせに誰かの為ならぶつかれる

すぐ噛み付いて悪かったな

涼太

怖がりなくせに勇敢な翔太は

涼太

翔太だから……!

涼太

俺の自慢の幼なじみで

涼太

親友なんだよ?

涼太

こっちのセリフだよ

渡辺

そっか

渡辺

それちゃんと本人に言えよ

そうな風に思ってくれてたなんて

知らなかったから

涼太

……そうだね

渡辺

約束

渡辺

俺が元に戻って

渡辺

皆も日常を取り戻せたとしたら

渡辺

自分のしたいように選んで

渡辺

その上で俺ともう一度友達になってくれるなら

渡辺

……ずっと親友でいてくれるなら

渡辺

またここに来て遊んでよ

涼太

……約束する

涼太

絶対

涼太

ここにくるよ

渡辺

今日はありがとう

なんだか

清々しい気分だった

久しぶりにこんな気持ちなった

絶対くる

大介

俺が一番のりー!

亮平

そういう問題じゃないから

辰哉

気持ちの問題はあるでしょー?

早く

会いたいな

皆に

あともう少し……

だといいな

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