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雪晶奏
やなと
らお
あなたの残り時間:71:58:43
目の前で、数字が減っていく。
まるで、命そのものを削られているみたいに。
やなと
そう言って、スマホを伏せた。
布団をかぶり、目を閉じる
数を数えて、無理やり寝ようとした。
でも。
脳裏に焼き付いた赤い文字が離れない
数分後、恐る恐るスマホを開く。
71:46:12
減ってる。
確実に減ってる。
全身に鳥肌が立った。
やなと
声が震える
スクショを撮ろうとした瞬間、画面が一瞬暗転した。
そして、別の文字が浮かび上がる。
【ルール】 この通知の内容を、他人に話してはならない スクリーンショットを撮ってはならない 逃げようとしてはならない 【違反した場合、残り時間は即座に“0”となる】
息が止まった。
まるで、俺の行動を見透かしているかのようなタイミング。
背中に、冷たい汗が流れる。
そのとき。
ぶぶっ
また、通知音。
心臓が跳ね上がり、スマホを落としそうになる。
恐る恐る画面を見ると、そこには
新しい犠牲者が選ばれました
名前。
それは、俺のよく知っている人物だった。
やなと
同じクラスの、らお。
昼休み、一緒にダンスの話をする、ごく普通の友達。
すぐに、通話ボタンを押す。
コール音。
一回。二回…
らお
繋がった。
やなと
らお
生きてる。
普通の声。
少しだけ、安心しかけたその瞬間。
らお
らおの声が、急に低くなった。
らお
心臓が、凍りついた。
らお
耳鳴りがする。
偶然じゃない。
これは、確実に。
やなと
らお
その先は、聞けなかった。
――ザッ
ノイズ。
らお
ブツッ。
通話が切れた。
何度かけ直しても繋がらない。
既読もつかない
画面には、冷たい文字。
通話中の相手は、現在この世に存在しません
やなと
喉の奥から、変な声が漏れた。
らおらおが……消えた?
まだ、72時間も経っていないのに?
その瞬間。
俺のスマホが、再び震える。
あなたの残り時間:23:59:59
やなと
さっきまで、71時間以上あったはずなのに。
一気に、減っている
警告:あなたは“ルール違反”を犯しました
頭が、真っ白になる。
俺は、何をした?
通話?
それとも――
気づいた瞬間、背筋が凍った。
俺は、「この通知のこと」を、らおらおに話した。
ルール1。 他人に話してはならない。
次の違反で、あなたは“即死”します
画面いっぱいに、そう表示された。
残り時間は、
23:59:58
23:59:57
一日。
俺に残された時間は、たった一日。
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