小日向 瑞樹
九折 千歳
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
アナタのカラダが 好みです!!!
九折 千歳
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
九折 千歳
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
小日向 瑞樹
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
小日向 瑞樹
九折 千歳
アナタのカラダが好みです!! 番外編「願掛け」
─────…… その日は耳障りなほど そこかしこで蝉が鳴き喚き 入道雲が天高くそびえ立っていた夏の夕方だったのを、今でも覚えている。
今から遡る事15年前。
東京ではなく、京都にある実家で 「あの人」に出会ったのは 千歳が高校受験を来年に控えた 中学2年生の頃だった。
その日はいつもどおり学校を終え 部活に入っていなかった千歳は まっすぐ家路に着いた。
九折 千歳
いつも通りの時間。 いつも通りの帰宅の挨拶。
母の趣味であるルームフレグランスが 甘く香る玄関は、いつものように千歳を迎え入れる。
たった一つ、違う事といえば 来客用のスリッパが一つなく 見知らぬ大きな男性のスニーカーが一足 きちんと揃えて置かれてあるぐらいだろうか。
九折 千歳
リビングへと続くドアを開けると 20代くらいの青年がソファーに座りながら母と親しげに談笑していた。
母
九折 千歳
母と会話しながらも おずおずと視線は穏やかな笑みを浮かべる青年に向けられていた。
九折 千歳
恐らくはあのスニーカーの持ち主だろう。
ぺこりと小さくお辞儀はするものの 見知らぬ若い男がこんな時間に家に上がりこんでいる事に 千歳は少なからず警戒心を抱いていた。
???
九折 千歳
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
母
母
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
当たらずも遠からずだが どちらかと言えば、知らない間に家庭教師を充てがった母に対して憤りを感じていた。
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
渋々受け入れたものの 橘の教え方は学校の先生よりも 丁寧でわかりやすかった。
苦手だった英語も、千歳が理解するまで 根気よく、そして優しく教えてくれて 問題が一つ解ける度に、橘は大袈裟なほど褒めてくれた。
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
そう言って橘は優しく千歳の頭を撫でる。
家族以外の人間に頭を撫でられるなんて初めてで、何だか妙にくすぐったい気持ちになる。
最初こそ自分が望んで頼んだ家庭教師ではないからと、多少の警戒心はあったものの
橘の勉強を教える際の真摯な姿勢と熱意に少しずつ心を開くようになっていった。
九折 千歳
九折 千歳
初めて出会ったその日から 橘が家庭教師として家に来る度 問題を解いて褒められ、頭を撫でられる度 千歳の心は甘い疼きを覚える。
九折 千歳
優しく響く低い声に名前を呼ばれたい。 無骨ながらも、大きくて暖かなその手に もっと触れられたい。 その想いは日増しに強くなっていった。
もう蝉の鳴き声も聞こえなくなり 風が冷たさを孕みはじめた頃になると 橘が訪問する回数は両の手では数え切れないほどになっていた。
九折 千歳
九折 千歳
期待に胸躍らせながら 玄関のドアを開く。 見覚えのあるスニーカーが いつものようにきちんと揃えられていた。
九折 千歳
橘は先に来ていたとしても、部屋の主である自分に許可なく入っていたりはしない。 だとすれば、またリビングで千歳の帰りを待っているのだろう。
九折 千歳
リビングのドアを開こうとした瞬間 ドアのガラスの向こうで一番上の姉と橘が親しそうに話しているのが見えた。
九折 千歳
きっと2人は 何気ない会話をしているだけだろう。 それでも千歳は見てしまった。
姉に向けた橘の表情に、自分が見たこともないような熱がこもっているのを。
九折 千歳
楽しそうに話す2人を見て 急に心臓が重くなったように感じた。
九折 千歳
胸が締め付けられる。 これ以上楽しげな2人を見たくなくて 千歳は2人に声もかけず自室へと逃げ込んだ。
部屋に入ってすぐベッドに潜り 己の中にある、暗く渦巻く感情を鎮めるように枕に顔を埋める。 腹の底でぐるぐると煮立つようなその感覚が何なのか、千歳は薄々気づいていた。
九折 千歳
九折 千歳
兄のように慕っていた存在を取られたように思っただけかもしれない。 だが、今抱えているその感情には、それ以上の想いがあるように思えた。
あの熱のこもった視線を 自分にも向けてほしい。 生徒としてではなく、千歳として 自分を見てほしい。
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
その答えに行き着いた瞬間 ストンとパズルのピースがハマったような感覚がした。 同時に、焦がれるように身体が熱くなる。
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
胸が焦される感覚を誤魔化すために 枕をきつく抱きしめる。 灯ってしまった火をかき消すかのように 千歳は何度も自分に違うと言い聞かせた。
それでも胸の熱は消えてくれなくて むしろ酷くなった気さえした。 熱くて、あつくて、苦しい。
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
多少嘘をついたとはいえ 引かれる事を覚悟していた千歳にとって 橘の返答は予想外だった。 まるで自分が受け入れられたかのようで ざわついていた心が凪いだ気がした。
初めて出会ってから数ヶ月。 橘に勉強を見てもらいはじめてからの学力の開花は目覚ましいものだった。
学校では学年トップをキープし 志望校も難無く合格できるであろうラインにまで既に来ている。
それでも橘はそれが当たり前になると言うことはなく、どんな点数を取っても変わらずに褒めてくれた。
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
橘はそう言って、いつものように千歳の頭を優しく撫でる。 千歳は心地良さそうな顔で、その手を受け入れた。
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
それから何度も、テストでは高得点を取ったものの、また次も受かるようにと言って伝えるのを先延ばしにした。
そうしているうちに冬が過ぎ、年が明けて春を迎え、気づけば千歳は、中学三年生にあがっていた。
夏になり、再び蝉がけたたましく鳴きわめく今でも、願掛けは未だ絶賛更新中だ。
九折 千歳
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
二人きりの空間に、唇に触れようと思えば触れられてしまうこの距離感。 否が応でも妙な気分にさせられてしまう。 千歳は気を紛らわそうと、もぞりと脚を擦り合わせた。
橘 昴
九折 千歳
ひやりとした大きな手が 千歳の頬に触れる。 無骨な指先の感覚に、びくりと反応した。 たったそれだけの触れ合いで、千歳の身体の熱はさらに燃え上がる。
橘 昴
九折 千歳
もう限界だった。 膨れ上がった熱は千歳の思考を溶かし 判断を鈍らせる。 夏の暑さに浮かされたのだと言い訳をしながら、千歳は橘の手を取り頬擦りをした。
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
窓の外の蝉の声が遠く感じる。 麦茶で溶けて小さくなった氷が、グラスにぶつかる音が響く。
千歳の頭の中は、橘に触れてもらう事でいっぱいだった。 橘の手を掴んだまま、徐々に頬から胸元へとずらしていく。
九折 千歳
次の瞬間、両肩を掴まれ引き剥がされる。 さっきまで柔和な笑顔を浮かべていた橘の表情は、一変して真剣な顔になっていた。
橘 昴
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
橘 昴
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
橘 昴
九折 千歳
九折 千歳
さっきまで遠いように思えた蝉時雨が 静かになった部屋を埋めるように響き渡る。 不思議と涙は出なかった。
橘の後ろにある窓から見える、夕陽に照らされて赤く染まった入道雲が 空の青さの中にポツリと佇んでいて
まるで熱を孕んだまま置いていかれた 千歳の心のようだった。
それからは橘への気持ちを封印し 家族や橘にはいつも通り振る舞いながら 勉強に専念した。
その甲斐もあって志望した高校には無事に入学し、姉と橘は晴れて結婚した。 結婚式で2人は、とても幸せそうだった。
九折 千歳
九折 千歳
九折 千歳
姉は家を出て、もう橘が勉強を教えに家に訪れる事はない。 それが唯一の救いだった。
それでも、共に過ごした部屋の思い出は そう簡単には消せない。 ふとした瞬間に思い出してしまう。
九折 千歳
そうして千歳は、東京の大学に進学するとともに上京した。 生活費を稼ぐ為ために入った居酒屋のバイトで仲間から体つきを褒められた事から、興味本位でデッサンモデルのバイトを始める事となる。
髪も染めた、ピアスも開けた、20歳になってからは煙草も吸うようになった。 まるで過去の自分を塗りつぶすかのように 千歳は自分を変えていった。
今は純粋に2人を祝福できるくらいには 大人になったつもりだ。 もうあんな身を焦がすような恋をする事はないだろう。
小日向 瑞樹
九折 千歳
「好きな人と結ばれますように」 あの日願った願掛けの効果は 15年の時を経て ようやく叶うという事を この時の千歳はまだ知らない────……
コメント
39件
口角が下がらない…
初めまして。 まず、シーズン2連載開始おめでとうございます♡ 私はBLを好きになってだいたいな月日は経ってるんですけど アナタのカラダが好みなんですはTELLERをはじめて知った作品です!! 小日向くんと千歳くんは最高に素敵なカップルです♡
結局千歳さんは大人の時でも子供の時でもエロい。