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ジーパンバナナ
れいの母親
金野優輝
れいには誰の声も聞こえないようだった。
俺と母親は人混みをかき分け、必死に後を追った。
れいの母親
金野優輝
金野優輝
金野優輝
れいの母親
浮かれていた人々もようやく騒ぎの正体に気づいた様子で、
れいの名前を大声で呼んでいた。
女性
女性
男性
男性
男性
俺はただ、速く走ろうとすることとれいを見つけることしか考えていなかった。
もう俺の進む速さは体育祭でリレーに出た時を超えているだろう。
途中で何個かものをはね飛ばしたかもしれないが、そんなことはどうでもよかった。
れいが戻ってきてくれれば、無事でいてくれればそれでいいと俺は心から思っていた。
そこが、新しい故郷だった。
レポートNo.7 人魚病
患者に多い属性 10代後半の男女 9歳男児にも発症を確認している(1件)
主な症状 体が人魚になっていき、運命の人を道連れにして海に行けなければ泡になって消える。
薬 成人向けに開発済み。
その他の治療法
れいの声に触れていられることが、
人生でいちばんの幸せだ。
ーFin.
もう何分走っただろう。
海の見える崖に出た。
周囲には草も木も何も生えておらず、
酷く見通しが良かった。
俺は昇りきったばかりの月に叫んだ。
何だって縋りたい気分だった。
金野優輝
声は虚しく、暗い海の底に吸われていった。
金野優輝
金野優輝
何か手がかりはないかと辺りを見回す。
すると、右手にもう一つ大きな崖があるのを見つけた。
そして、その上に、
ただ静かに海を見つめている人影があった。
れいの母親
母親と合流した。
金野優輝
れいの母親
れいの母親
金野優輝
金野優輝
俺は母親に何度も頭を下げた。
哀しい口論が落ち着くと、俺はようやく言いたいことが言えた。
金野優輝
れいの母親
れいの母親
れいの母親
金野優輝
金野優輝
れいの母親
金野優輝
俺たちは容赦なく吹き付ける冷たい風に逆らい、
必死で崖への道を進んだ。
今度は人の代わりに自然が邪魔をしたが、
相手が誰であろうと止まるわけにはいかない。
草をかき分け木の下をくぐり抜け、俺たちはようやくたどり着いた。
金野優輝
金野優輝
人影はまだ一歩も動いていなかった。
れいの母親
れいの母親
れいの母親
れいの母親
母親は近寄ることも忘れて叫び続けている。
金野優輝
れいの母親
金野優輝
俺にはかける言葉がわからなかった。
ただ黙って手を引いて、人影の元に連れていくことしかできなかった。
金野優輝
金野優輝
ゆっくりと、これまでに無いほど丁寧に呼びかける。
すると彼はゆっくり振り返って、ようやく口を開いた。
れい
れい
れいの母親
れい
れい
金野優輝
その時俺はようやく、
れいが完全な人魚になっていることに気がついた。
海のように深い色の鱗が、月明かりに照らされてきらきらと輝いている。
れい
れい
れい
れい
れい
れい
れい
金野優輝
れい
れい
れい
れい
俺は確信した。
これは間違いなく、
れいの運命を左右する選択だと。
そしてその選択権は、
全て俺に委ねられている、と。
金野優輝
その時俺は、小さい頃に聞いた人魚の話を思い出した。
???
???
???
???
???
???
???
???
???
???
金野優輝
金野優輝
れいの母親
金野優輝
金野優輝
行きます
金野優輝
れいの母親
金野優輝
金野優輝
れい
れい
金野優輝
金野優輝
れいの母親
れい
れいの母親
れいの母親
れいの母親
崖下で優しく音を立てるさざ波が、母親の震える声と共鳴する。
俺は、ゆっくりと歩み寄り、
れいの手を握った。
金野優輝
金野優輝
金野優輝
からだが人魚になっていくのを感じる。
俺はまだわずかに機能する足で岩を蹴って、
深い、深い海に飛び込んだ。
あれから数ヶ月後、
俺たちは人間のいない時間を見計らって地上の空気を吸っていた。
その時、れいが見つけたのがこのレポートだった。
金野優輝
金野優輝
れい
金野優輝
俺は急いで海に飛び込み、海底の家を目指した。
金野優輝
れい
金野優輝
金野優輝
俺にとっては、
ここにいられるのが、ここが家だということが、