TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

カラダの関係は、お試し期間後に。

一覧ページ

「カラダの関係は、お試し期間後に。」のメインビジュアル

カラダの関係は、お試し期間後に。

45 - カラダの関係、お許し下さい![葵の実家編]Pt.6

♥

14

2021年08月19日

シェアするシェアする
報告する

綾乃

そうだったんですね…

綾乃

お兄さんが…

保篠陽子

私は…っ

保篠陽子

私は、デザイナーとしては一流でも「母親」の資格なんてなかった…

保篠陽子

ずっと、この手であの子たちを犠牲にしてきたんだから…っ

保篠陽子

潤も……そして、葵も…

綾乃

………

綾乃

あの、お母様…

綾乃

葵って……お父さんにそっくりなんですよね

保篠陽子

……ええ

保篠陽子

親子でもあそこまで似てしまうなんて、あの子を産む前は予想もしなかった…

保篠陽子

先日、大人になったあの子の顔を見て…驚いたわ

保篠陽子

まさに、別れたはずの夫だったんですもの(笑)

綾乃

お父さんのこと…今でも愛してらっしゃるんですね…

保篠陽子

……っ!!

綾乃

私…わかりますよ

綾乃

自分以外の他の女の人からモテてしまう彼への気持ちも…

綾乃

どうしようもないぐらい、好きだっていう気持ちも…っ

保篠陽子

……っ

保篠陽子

……怖かったのよ

綾乃

…え?

保篠陽子

私は一流の世界的ファッションデザイナーだから、彼を愛して、夢中になって、溺れてしまうのが…何よりも怖かった!

保篠陽子

一緒にいればいるほど…

保篠陽子

仕事よりも……彼に魂ごとのめり込んでしまいそうで…っ

綾乃

お母様…

保篠陽子

そんな私に対する彼の気持ちが冷めていくのにも…薄々は気づいていたわ

保篠陽子

それでも…出て行く彼を引き止めることなんて、できなかった…!!

保篠陽子

そして、葵が私の元から去ってしまった時だってそれは同じ…

綾乃

………

保篠陽子

あの子が成長するにつれてどんどん彼そっくりになっていくのが…辛かった

保篠陽子

あの子を見てると、彼のことを思い出して辛くてどうしようもなくて…っ

保篠陽子

だからね…私はあの子には嫌われて当然なのよ

綾乃

……そんなことないと思います

保篠陽子

…どうして?

綾乃

葵が今、すごく幸せだからですよ

綾乃

だからきっと、今のお母様と葵だったら…分かり合える

保篠陽子

綾乃さん…っ!

綾乃

家に帰ったら、私の方からも葵に話しておきますから…

綾乃

ですから、次にお会いする時には……葵の顔を、しっかり見てあげて下さいね

保篠陽子

…わかったわ

保篠陽子

ありがとう、あなたのような人があの子を選んでくれて…私…っ

保篠陽子

母親として、これほど幸せなことなんて…ない…!!

ウスラハゲ部長

ほ、保篠さま…!

ウスラハゲ部長

もう、お帰りになられるんですか?

保篠陽子

ええ、お忙しい中のご対応ありがとうございました

ウスラハゲ部長

あ、あのですね…っ

ウスラハゲ部長

ぜ、ぜ、ぜひとも、今後も我が社をご贔屓に、事業提携などさせていただけないものかと存じましてですね…!!

保篠陽子

………

保篠陽子

そうねぇ…

保篠陽子

……「薄毛の悩みをカバーするニット帽」なんて物をデザインした時には、ぜひそちらに広告や宣伝をお任せしようかしら?

ウスラハゲ部長

うす…げ…ですか

保篠陽子

…ええ♡

保篠陽子

では、また機会があればその時はぜひともよろしくお願いしますね♡

保篠陽子

それでは、失礼致します

ウスラハゲ部長

………

ウスラハゲ部長

なんだか、あの爽快感かつ皮肉が込められたあしらい方、デザイン部の誰かに似ているような…

ウスラハゲ部長

き、気のせいか…

廊下を歩きながら、違う区画に足を踏み入れて陽子は立ち止まる

保篠陽子

………

曲がり角の先の壁には、「デザイン制作部」と書かれたオブジェが掛かっていた

お電話代わりました、Webデザインプロジェクトチーム責任者の桐矢と申します

……はい…はい……

…ええ、当初の予定通り、濃い青をベースにしたトップ画面には商品のスポーツシューズの中でもカラフルな物をピックアップし、左サイドにテキスト文を挿入しています

……はい、デザインに変更などがあった場合には早急にご連絡差し上げますので……

Webデザイナー①

ディレクター!

Webデザイナー①

デバイス動作のチェックお願いします!

あ……、それでは失礼致します

電話を切った葵がデザイナーのPCデスクへと向かう

どれどれ…

…うん、PC…タブレット…スマホ…各デバイスの動作もレイアウトもオッケー!

…って、この画像リンク切れしてるじゃん!

Webデザイナー①

あぁ…っ!!すみません!!

デバイスの前にっ、先にチェックすることあるだろー?

Webデザイナー①

は、はいっ!!

Webデザイナー②

あの、すみませんディレクター!

…はいはい…っ

Webデザイナー②

また…プログラムがバグっちゃいました…ワラ

ワラじゃねぇよっ!またお前か…っ!!

何っ回コーディングミスしたら気が済むんだ…っ

Webデザイナー②

だって…文字列見てると眠くなっちゃって…ワラ

あのなぁ…アプリケーションとかと違って、Webはコーディングの言語もソースコードも少ないんだからっ!

Webデザイナー②

だって、HTMLとかCSSとかJavaScriptとかややこしいんですもん!ワラ!

寝る暇惜しんで覚えろっ!ワラ!

保篠陽子

………

開いた扉の影から、陽子は葵の姿を静かに見つめていた

webデザイナー③

あ、あの…ディレクター!

webデザイナー③

最終チェック、お願いします♡

あれ、また?

webデザイナー③

い、いや、その…ちょっと不安でして////

webデザイナー③

できれば、今度はもっと近くで…そのっ…////

……大丈夫大丈夫、キミすっごく優秀だから♡

自信持って頑張ってね♡

webデザイナー③

………はい

…ん?

ふと視線に気がついた葵と、陽子は目が合った

保篠陽子

あ……っ

気まずそうに目を逸らすと、陽子はその場から離れた

………

保篠陽子

………

会社を一度見上げて、陽子は足を踏み出した

…母さん!

保篠陽子

……!!

背後から息を切らした声が聞こえた瞬間、その足を止めた

保篠陽子

あ、葵っ…

……っ

いつかの…授業参観みたいに、また勝手にいなくなるのか?

保篠陽子

………

何しにこんな遠いとこまで来たんだよ…

保篠陽子

綾乃さんに……話があったのよ

綾乃に…?

保篠陽子

まずは、潤がしたことの謝罪と…

保篠陽子

あなたのこと…そして、私のことも…

なんで今さら…

保篠陽子

…あなた、本当にお父さんそっくりに成長したのね…

保篠陽子

その、左耳のホワイトゴールドのピアスだって…私はよく覚えてる

………

保篠陽子

仕事熱心で、活き活きしながら働いてる姿も…女性にモテて軽くあしらう所なんかも…

保篠陽子

何もかも、私が愛した人にそっくり!(笑)

母さん…

保篠陽子

…ごめんね、葵

保篠陽子

私はあまりにも弱かった…

保篠陽子

あの人とそっくりな幼いあなたから愛情を向けられるたびに私は…

保篠陽子

目を逸らすことしか…できなかったの…っ!

………

保篠陽子

中学の頃にはもう自立してたあなたですもの、もう今さら「母親」なんて必要ないことだってわかってるの

保篠陽子

でもね、これだけは言わせて…

……何?

保篠陽子

私の子供に……生まれてきてくれてありが───

言い終わらないうちに抱きしめられ、広い胸が体を包み込んだ

保篠陽子

あ……っ?!

……ちっちゃ(笑)

保篠陽子

葵…!!

ほら…俺、もういつも母さんにかまってもらいたがってた子供なんかじゃないだろ?

いつも母さんの胸に抱きしめられたいって願ってた子供なんかじゃ…ないんだ

保篠陽子

……っ!////

でも…それでも、俺にとって母さんは母さんでしかない

ずっと……待ってた

保篠陽子

あ…おい…っ

母の小さな肩が震えるのがおさまるまで、葵は抱きしめ続けていた…

つづく

カラダの関係は、お試し期間後に。

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

14

コメント

4

ユーザー

今回もすごく良かったです!続き楽しみです!

ユーザー

Webデザイナーの仕事風景や流れは、薄い知識で成り立っているので実際と相違があってもご容赦下さいませっw

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚