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〜 デビルズパレス・ホール 〜

ベリアン

…。

ラムリ

…ッ。

ナック

…。

ルカス

なるほどね…。

ムー

そんな…。

💍

…。

💍

(…私が…救わないと…)

フセル

…グスッ…

💍

…話を聞かせてくれてありがとう。

私は彼女を見上げながら 頭を撫でてあげた

フセル

…どうしよう…。

💍

…なら…、

💍

この屋敷でしばらくの間一緒に生活するのはどうかな…?

私は彼女に 自分でも思いがけない提案をしていた

ルカス

…!主様…?

💍

…追い出されてしまった彼女を放っておくなんて私には出来ないよ…。

彼女は母子家庭の元で育てられ 昨晩姉だけを残し 家を追い出されてしまったらしい

行く宛てもなく ひたすら歩き続けた彼女は偶然にも この屋敷に辿り着いたのだと言う

💍

せめて…!
引き取り先が見つかるまでの間だけでも…。

ナック

そうですね…。

💍

食費諸々かさむようならしばらくは自分の世界で食事を済ませる。

💍

もちろん他にも協力出来ることがあれば何でも…、

ナック

いいえ。
屋敷の出費に関する心配は無用ですよ。

ナック

たった一人幼い子供が増えたところで軽く節約を心掛ければ何の問題もありません。

ベリアン

そうですね。

ベリアン

費用に関する問題は特にないとして…部屋はどうしましょうか…?

💍

それなら私の自室で良ければぜひ。

ルカス

え…?主様のですか…?

💍

きっとその方がフセルちゃんにとっても気が楽なんじゃないかな。

ラムリ

それは確かにそうですけど…。

ルカス

…いいんじゃないかな。
主様も良いと仰って下さってるんだし。

ルカス

今回ばかりは主様のお言葉に甘えた方が彼女のためにもなりそうだよ。

ラムリ

ルカス様…。

ベリアン

えぇ、そうですね。

ベリアン

では主様。
彼女をお任せしてもよろしいでしょうか?

💍

もちろんだよ。
ムーもそれでいいよね?

ムー

はい!もちろんです!

フセル

…!猫がしゃべった…。

ムー

僕は喋る猫執事なんです!

ムー

よろしくお願いしますね!

💍

フセルちゃん。
今日からよろしくね。

フセル

うん…ありがとう…!

数週間後・・・そして今に至る

〜 デビルズパレス・自室 〜

💍

(…)

フセル

〜♪〜♪〜♪

💍

…よし!結べたよ。

フセル

わぁ…!ありがとう!

💍

フフッ…どういたしまして♡

コンコン

💍

は〜い!今開けるね。

ガチャ

ハナマル

おはよう主様。

ユーハン

おはようございます。
主様。

テディ

おはようございます!
主様。

💍

みんなおはよう。

フセル

おにいちゃんたち!
おはよう!

ハナマル

おぉ、フセルもおはよ。

テディ

…あっ!
2人とも髪型お揃いにしたんですね…!

💍

今日はフセルちゃんのリクエストでね。
お揃いにしてみたの♡

ユーハン

2人ともよくお似合いです。素敵ですよ…♡

ハナマル

やっぱり主様は何でも似合うね〜。

💍

あ、ありがとう。

ユーハン

あらら?
そういえばムーちゃんが見当たりませんね…。

💍

ムーならロノの手伝いをしに厨房へ向かったよ。

テディ

もう少ししたら戻ってくるんじゃないですか?

コンコン

ムー

主様〜!
ただいま戻りました!

💍

噂をすれば…。
どうぞ、入っていいよ。

ムー

失礼します!主様。

ハナマル

お、やっと戻ってきたか。

ユーハン

お疲れ様です。
ロノくんのお手伝いをしていたんですか?

ムー

はい!

ムー

手伝ってくれたお礼にって今日の夕食に鶏のささみを約束してくれたんです!

テディ

へ〜!それはよかったね!

💍

フフッ…よかったね。

💍

みんな揃ったことだしそろそろ向かおうか。

ハナマル

そうだな。

ハナマル

…実は昨日楽しみすぎて眠れなかったんだよな〜。

ハナマル

ユーハンが。

ユーハン

…それ貴方が言いますか。

テディ

どちらかと言うとルンルンだったのはハナマルさんな気がします。

ハナマル

おいおい…それは言わない約束だろ…。

テディ

もちろん!
俺たちもずっと楽しみにしていましたよ!

ユーハン

えぇ。
何せ主様と共に居られる時間は私にとって何よりも幸せですから。

💍

みんなありがとう…♡

💍

私とフセルちゃんも今日がずっと楽しみだったんだよね。

フセル

うん!
だから早く行こうよ〜!

ハナマル

よし…。
じゃあそろそろ行くか。

ムー

はい!楽しみです!

〜 エスポワールの街 〜

ユーハン

さぁ、主様。
街に着きましたよ。

💍

ありがとう。

💍

フセルちゃんも私の手を取ってね。

フセル

うん…!

テディ

それにしても今日は天気も良くて最高のお出かけ日和ですね。

ハナマル

あぁ、そうだな。
今日はこのまま良い気分で帰れるといいんだが…。

ユーハン

何ですか?
その含みのある発言は。

ハナマル

そのまんまの意味だよ。
一応悪魔執事な訳だし。

ハナマル

こんな良い日に天使狩りなんてしたくないだろ?

テディ

確かにそうですね…。

💍

きっと大丈夫だよ。
…今日は楽しもう?

ハナマル

あぁ、そうだな。

フセル

…!

タッタッタッ

💍

あっ!フセルちゃん…!

ムー

追いかけましょう!

ユーハン

そうですね。
一体何を目掛けて…。

〜 お菓子屋さん 〜

フセル

…キラキラ♡

ハナマル

流石…目が輝いてるな…。

💍

フフッ…食べたいお菓子は見つかった?

フセル

う〜ん…。
飴も…クッキーも…チョコレートも…。

💍

…分かった。

テディ

主様…?

💍

すみませ〜ん!

店主

は〜い!

💍

これと…これと…、
このクッキーもください。

店主

はいよ!
たくさん買ってくれてありがとうね。

店主

あっそうだ…。
おまけにこのチョコレートもサービスしておくね。

💍

ありがとうございます…!
また来ますね。

店主

えぇ、待ってるわ。

💍

はい、お菓子をどうぞ。

フセル

わぁ…!ありがとう!

ユーハン

まさか欲しいお菓子を全て買い与えてしまうとは…。

テディ

俺もびっくりしました…。

ハナマル

主様…。
流石に甘やかしすぎじゃない…?

ハナマル

子供には少しくらい我慢を覚えさせることも大事だと思うけどねぇ…。

💍

…ウッ…そうだよね…。

💍

目が輝いてたからつい喜ばせたくなっちゃった…。

ムー

でもそれも主様の優しさですよね!

ハナマル

まぁ…確かに、
ムーの言う通りかもな。

ハナマル

俺もつい甘えそうになっちゃうし(ニヤッ)

ユーハン

…。

テディ

…。

ムー

ハァ…。

ハナマル

ハイ…すんません…。

フセル

…モグモグ…

ムー

もう食べてるんですか…!

💍

こんなところで…。
せめて少し端に寄ろうね。

ガヤガヤ

ハナマル

そろそろお昼の時間か。

💍

お腹が空いたね。

フセル

わたしもおなかすいた…。

ユーハン

ではそこのカフェで昼食にしましょうか。

テディ

そうですね!
主様もそれで良いですか?

💍

もちろん!行こうか。

ムー

僕もお腹ぺこぺこです〜!

〜 カフェ 〜

ハナマル

おぉ、
店に入った途端にコーヒーのいい香りがするな。

テディ

本当ですね…!
飲みたくなります…。

ユーハン

…主様の前ですよ。
我慢してください。

テディ

わ、分かってますよ…!

テディ

ハナマルさんと違って、
その辺はちゃんとしているつもりです。

ハナマル

テディちゃん…、
さらっと俺を落とさないでくれる?

💍

フフッ…遠慮しないで。
良かったら今日はみんなで食事にしない?

ユーハン

…え?
ですが主様…、

💍

私は気にしないよ。

💍

何より家族連れのお客さんも多いし逆に悪目立ちしそうじゃない…?

ハナマル

確かに…それもそうだな。

ハナマル

ユーハン、
今日は主様のお言葉に甘えようぜ。

ユーハン

…そうですね。
本来は主君と共に食事などあってはなりませんが…、

ユーハン

今回だけはご一緒させていただきます。

テディ

では主様。
俺たちも座らせていただきますね。

💍

うん、どうぞ楽にして。

ムー

僕も失礼しますね!

フセル

おいしい…!

💍

それはよかった…♡

ハナマル

こっちのパスタも中々美味いな…。

テディ

このコーヒーも苦すぎず甘すぎずで美味しいです!

ユーハン

主様はハナマルさんと同じものを頼まれたのですね。

💍

うん。
すごく美味しいよ…!

ハナマル

意外と俺と主様って味の好みが似てるのかもね〜。

💍

フフッ…確かにそうかもね。

ムー

…モグモグ…
この鶏のささみも美味しいです〜!

フセル

猫さん…そんなにおなかすいてたの?

ムー

はい…!

ムー

いつもならこの時間はロノさんの美味しい料理を食べている頃ですからね!

💍

確かにそうだね。

ハナマル

まぁそれにしても食べすぎたとは思うけどな…。

テディ

う〜ん…。
そういえばダイエットはどうなったんですか?

ムー

ギクッ…。

ハナマル

この食いっぷりを見るに今回も諦めたようだな。

ムー

あ、明日から頑張ります!

ユーハン

ハァ…何度同じ言葉を聞いたことか…。

💍

美味しかったね〜♡

ムー

はい!
また行きたいですね!

ハナマル

あぁ、俺もそう思うぞ。

フセル

〜♪〜♪〜♪

💍

…フセルちゃんもかなりのご機嫌みたい。

ハナマル

歌まで歌っちゃって。

ムー

可愛いですね…!

テディ

楽しんでもらえてるみたいで良かったです!

💍

じゃあ…このまま少し歩いて見て回ろうか。

ユーハン

えぇ、そうですね。

フセル

…あっ…!

💍

…ん?

フセル

この指輪…きれい…!

ユーハン

本当ですね。
これは…蝶ですか?

ハナマル

みたいだな。
確かに凄く綺麗だ。

テディ

色は2種類あるみたいですね!

フセル

…ジーッ…

💍

…欲しいの?

フセル

おそろいにしたい…!

ムー

お揃い…?

💍

…もしかして私と…?

フセル

うん…!
だってきれいでしょ?

💍

…確かにそうだね。
じゃあお揃いにしようか。

フセル

…!

ユーハン

お揃いですか。
フフッ…とても素敵ですね♡

ハナマル

あぁ、きっと良い思い出になるだろうな。

テディ

はい!間違いないです…!

💍

はい、どうぞ。
どっちの色がいいかな…?

フセル

…こっちの色がいい!

ムー

即答です…。

💍

フフッ…♡
分かったよ。

私は彼女に彼女が選んだ色の 指輪をはめてあげた

フセル

わぁ…!

彼女の指で宝石のように美しい蝶が 陽の光を浴びて輝いている

ムー

綺麗ですね〜!

ハナマル

主様も今付けてみたらどうだ?

💍

うん、そうだね。

彼女から期待の視線を向けられながら 私も彼女と同じ指に指輪をはめた

フセル

おそろい…!
おそろいだね…!

💍

フフッ…そうだね…♡

テディ

主様…幸せそうですね。

ユーハン

えぇ、素敵な笑顔です。

💍

(…幸せ…)

💍

(…でも…あの子とも…)

その時

幸せを噛み締めながらも 考え事をしてしまっていた私の耳に 最悪の知らせが届く

 

ヴー ヴー ヴー ・・・

𝐄𝐩𝐢𝐬𝐨𝐝𝐞 𝟑 𝐞𝐧𝐝.

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