テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
夜
この日は風通りがよく涼しかった。 窓を開け4人で寝ていた。
空気が冷たくなる。
その時。猗窩座と名乗った鬼に会った時のような。 鼻がツン、となる風の匂いに変わった。
キヨ、スミ、ナホは気づかず眠っていた。
唯乃
辺りを見渡した。
その時
童磨
その声。 真っ暗な夜空の下自分と同じ虹色の目と金の髪ー ーーー童磨がそこに立っていた
唯乃
童磨
童磨
童磨
童磨はにこにこと笑っていた。 けれどその目だけは、唯乃から一瞬も離れていない
唯乃
唯乃
童磨
童磨
唯乃
童磨
体が動かない。 足がすくむ。
童磨
童磨
童磨
唯乃
頭がぐちゃぐちゃになって涙がこぼれる
童磨が静かに近づく。
童磨
童磨
童磨
童磨
童磨
童磨は、ゆっくりと手を引っ込めた。 その指先が、ほんのすこしだけ震えていた。
童磨
その時だった。
実弥
唯乃
すぐに我に返るが動けない。声も出なかった。
童磨
童磨はちらりと唯乃の方を見て、声のトーンを少しだけ落とした。
童磨
童磨
ふわりと風が吹いたと同時に、童磨の姿は夜に溶けるように消えた。
実弥
実弥
唯乃
実弥
実弥
不器用なその言葉が、唯乃の胸を少しだけあたためた。 けれど心の奥では、童磨の声が、優しいあの日の声のままで―― まだ、消えてくれなかった。
主
主
コメント
2件
作品面白いのでもっとモチベあげてもらえるように頑張りますね!