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酷く荒い息づかいが
耳に届く
何度も何度も
短く息を吸い
それに見合わないほど吐き出して
また縋り付くように吸い込む
なんて苦しそうなんだろう
そんなに慌てなくても
そんなに焦らなくても
あなたが欲するものは目の前に溢れるほどあるのに
溺れるような
その呼吸の
小さな隙間から漏れ出る
声
小さな小さな
か細い糸のようなそれは
必死に絡みつこうとしているように
聞こえる
小さな声でなにを言ってるの?
苦しそうな呼吸
ねぇなんて言ってるの?
溺れるような呼吸
ねぇ…ねぇ………
か細い糸のような
ねぇ
小さな小さな
ごめんなさい
やっぱり聞こえない
紡がれた言葉
ごめんね
━━━━━━━━━
主
そこはベットの上だった
主
荒い呼吸
酷い汗
早鐘を打つ拍動
私はベットの上に上半身を起こしながら
自分の身に起こった出来事について
思考を巡らす
主
主
主
主
主
嫌に早く回転する頭が
薄霞となったそれの原型を更に乱していく
主
主
主
主
主
ラト
主
デビルズパレス
主の部屋
ラト
主
目を開くと
突然の眩しさに頭の奥が痺れた
主
ラト
主
私のベットの隣には
椅子に腰かけたラトがいた
主
まだ薄ぼんやりとした頭は
上手く言葉を紡いでくれない
主
主
主
主
私の言葉を聞いたラトは
小さく首を傾げ
ラト
とても不思議そうな顔をした
ラト
ラト
主
主
どういうこと?
主
主
ラト
妙に重だるい体とズキズキと痛む頭
主
主
ラト
ラト
ふいに
主
額に冷たさが広がる
ラト
ラト
ラト
主
私の額に手を置いたラトは
さっきよりもぐっと距離が近かった
ラト
ラト
ラト
ラト
主
ラトは淡々とした口調でそう言いながら
手を離した
主
主
主
額にじんわりと残る
冷たさ
ラト
ラト
ラト
それが湧き上がる熱によって
急速に失われていく
ラト
ラト
主
ラト
ラト
主
そう…だった?
主
主
主
ラト
ラト
ラトは席を立つ
主
私は慌ててラトの袖を掴む
ラト
主
意味もなく湧き上がる不安が
黒々と胸に広がっていく
主
主
主
主
主
この手を
離してはいけない
ラト
ラト
綺麗に細まる青い瞳に
目が釘付けになる
ラト
ラト
主
主
ラト
ラト
楽しそうに肩を揺らすラトは
袖を掴む私の手を優しく離し
また椅子に腰かけた
主
ラト
ラト
ラト
まるで
幼い子どものように
彼は
無邪気に笑った
ラト
それがなんだか懐かしいような気がした
デビルズパレス
主の部屋
主
健やかな寝息に混じって
漏れ出たのは彼の名前だった
???
???
???
???
主
???
???
ベリアン
ベリアン