ライ
ライ
ライがやや興奮気味に声を上げる横で、男が声をひそめる。
ソウシ
ソウシ
ライ
ライ
ミリア
ミリア
ジョナサン
サブロー
サブロー
ソウシ
ケイナ
サブロー
ライ
ライ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ソウシがポケットから取り出したのは、スタンガンだった。
ライ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
サブロー
サブロー
サブロー
サブロー
ジョナサン
ジョナサン
ミリア
物陰に隠れて、月夜に照らされたモンスターの動きを伺う。
そこにいるのは、理科室にある模型そのもののガイコツ――それを二回りほど大きくしたスケルトン。
その手には大振りの剣を持ち、思い出したように咆哮を上げている。
ライ
ライ
ライはソウシが持っていたスタンガンのほうへと視線をやる。
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ジョナサン
ジョナサン
ジョナサン
ジョナサン
ケイナ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ミリア
ソウシ
ソウシ
ソウシ
サブロー
サブローがソウシをなだめる中、ふとライが声色を変える。
そこには恐怖の色が混じっていた。
ライ
ライ
ミリア
ミリアが言いかけた途端。彼女の首の位置がややずれた。
目を見開いた彼女の首は、そのままストンと地面に落ちる。
首から上を失ってしまった体。
切り口から鮮血がほとばしる。
ライ
まだ状況が理解できていない一同。
間抜けな声をライが上げると、風を切るような音がした。
ジョナサン
ケイナとサブローの両手がぼとりと落ちる。
それに一刻も早く気づいたであろうジョナサンが背中を見せて逃げ出した。
ソウシ
そう言うソウシの後ろには、いつのまにかケイナとサブローの生首が落ちていた。
ライ
ライ
ライはパニックを起こすことしかできない。
少し離れたところにいたジョナサンの背中から、羽が生えたように鮮血が飛んだ。
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ソウシ
ライ
ソウシ
ライ
ライがソウシのほうへと視線をやった時のことだった。
ソウシの口元から血がたらりと流れる。
ソウシ
ソウシ
それがソウシの最期の言葉だった。
彼の両手、両足が綺麗に切断され、最後に首が落ちる。
ライ
もう、頭の回転が追いつかない。
パニック、パニック――それに相次ぐパニック。
ふと、音を立てて落ちたスタンガンを手に取る。
そのライの手は大きく震えていた。
ライ
ライ
ライ
ヘイトとは、モンスターが攻撃対象の優先度を決める順位のようなもの。
プレイヤーの強さや、パーティーへの貢献度などが反映されるらしいが、最後までシステムについては運営からも言及されなかった。
ライはスタンガンを構えながら待つ。
ライ
ライ
手は大きく震え、スタンガンが発する電撃は心許ない。
ライ
ライ
彼が叫ぶ少し前、風を切る音が辺りに響き、ライの視界はゆっくりと地面へと近づいたのであった。
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