柘榴
よし、これで全員...

ニーナ
あれー?何か真っ暗になっちゃったよー?

蘭丸
恐らく、さっき兎隠さんが言っていた鉄砲ヶ原さんが電源を落としたんじゃないっすか?

翠
でもよぉ、真っ暗じゃ脱出経路も分かんねーぞ?

蘭丸
俺は分かるっすよ?

翠
テメェみてーな動物野郎には聞いてねーっての。

ニーナ
おっ?ついたねー‼︎

翠
赤色...非常灯か?

琥珀
とりあえず、出口に向かうぞ。話はそれからだ。

《現在、所内の電源が落ちてしまったため、非常灯をつけています。》
《所内にいる研究者の方々は安全の確認が取れるまで、各研究室で待機をしていて下さい。》
柘榴
よし、今のうちに

《【C】・【G】を除く【A】〜【H】の実験場にて“抗体人間”が脱走しました。》
柘榴
なっ...‼︎

翠
おいっ‼︎何でバレてんだよっ‼︎

蘭丸
俺らを助けているところを監視カメラで見てたんじゃないっすか?

柘榴
そうだ...すぐ電源が切れると思ったから...

翠
クソッ‼︎こうなったら強行突破で行くぞッ‼︎

魃
む、無理だよぉ...そんなことしたら...また...

翠
ボソボソうるっせーなッ‼︎

魃
ひ、ひぃぃぃっ‼︎ごめんなさいごめんなさいごめんなさい...

翠
いざとなったら全員ぶっ殺せばいいだろうがッ‼︎

柘榴
ダメだよ‼︎人殺しは‼︎

翠
あ?テメェらが私達にやったこと覚えてねーのか?

翠
テメェらはなあッ‼︎人殺し以上のことやってたんだよッ‼︎

翠
それなのに何だ?人殺しはダメってか?ふざけんのもいい加減に

凛
そこまでです。

翠
...大将は少し黙っててもらえますか?

凛
黙りません。それに今はこんなところで争っている場合ではありませんよ。

凛
争いたいならここを出てからでお願いします。

翠
...チッ、覚えてろよ。

柘榴
....

琥珀
博士は悪くありませんよ‼︎悪いのは

柘榴
べ、別に落ち込んでないから‼︎フォローはありがたいけど...

凛
とりあえず、ここは柘榴さんに従って下さい。いいですか?

翠
...分かりましたよ。

柘榴
とりあえず、私達は出口に向かおう‼︎天望先輩とも連絡取ってるし‼︎

凛
では、行きましょうか。

ニーナ
誰もいないよー‼︎

琥珀
よし、なら今

柘榴
その声は...

安曇
随分と賑やかな様子で楽しそうですね笑

柘榴
そこを退いて、じゃないと撃つよ‼︎

安曇
ほぅ、今度は僕が脅される番ですか...

安曇

安曇
調子乗んな、雑魚ども。

柘榴
!?

安曇
あーあ、俺がニコニコしてればいい気になりやがってよぉ...

安曇
兎隠先輩?きめーよ、ただの雑魚だろww

安曇
てか、せっかく育ててやったのに何で雑魚サイドに“モルモットども”はいるんだよ。

翠
育ててやった...だと?

翠
ふざけんなッ‼︎散々私達に恐怖と苦痛を与えておいてよ...あ?

安曇
うるっせーな、黙れよ筋肉女。

翠
あ?もう一回言ってみろ...

柘榴
ちょ、ちょっと‼︎落ち着いて、翠ちゃん‼︎

安曇
落ち着いて、翠ちゃんだぁ?

安曇
アッハッハッハッハッ‼︎

ニーナ
何がおかしいのー?

安曇
そんなんだから、舐められんだよww

安曇
飴と鞭じゃなくて、砂糖まみれじゃねーかwwww

翠
テメェ...

蘭丸
行くっすよ。所詮は1人なんすから相手にするまでもないっす。

安曇
チャラ男のくせに仕切んなよ。

安曇
あ、違うか。陽キャのフリした陰キャかwww

蘭丸
....

安曇
お?怒ったか?悪かったって‼︎代わりにいい話聞かせてやるからさ‼︎

凛
いい話?

安曇
お前らさ...

安曇

安曇
何のために生まれてきたんだと思う?

ニーナ
何のためって...何のため?

安曇
ヒントはお前らが持ってる“特殊能力”だ。

ニーナ
あっ‼︎正義の味方になって世界を守るとかー?

魃
お、おい...バカがバレるぞ...

安曇
正解だ。

魃
ええっ⁉︎

安曇
まあ、大甘採点で正解だけどな。

安曇
正しい解答は...

安曇

安曇
戦争で勝つためだ。

凛
戦争...?

安曇
何だ、ヒキニートどもはそんなことも知らねーのか。

安曇
今、俺達が生きているこの時代は戦争が絶えねーんだよ。

安曇
そんで、最近では中性子を使った兵器が主流になり、死者を多数出すようになったんだ。

安曇
だから俺達は死者を少しでも減らすために中性子に対する抗体を持った人間を生み出したんだよ。

蘭丸
そうだったんすか...

安曇
っていうのは、そこの雑魚の理由なw

蘭丸
...本当の理由は別にあるってことっすか?

安曇
言ったろ?戦争に勝つためだって。

柘榴
ま、まさか...

安曇
お前らはなぁ...

安曇

安曇
“生物型兵器”として生まれてきたんだよ。

琥珀
“生物型兵器”...?

安曇
簡単に言えば、戦争に勝つための“道具”ってことだなw

安曇
そうじゃなければ、わざわざ“特殊能力”とか要らねーだろww

魃
じゃ、じゃあ...今までの“実験”は...

安曇

安曇
戦争に備えた前準備の段階だったって訳だ。

安曇
そう思えば辻褄があうだろ?

柘榴
で、でも私はちゃんと所長に理由も説明して

安曇
はあ?雑魚な上にバカなのかよw

安曇

安曇
所長は俺とグルだよ。

柘榴
えっ...

安曇
あのクソジジイ、ちょっと脅したら簡単に釣れたからなw

柘榴
じゃあ...今まで私は最初から、安曇君の手のひらの上で踊らされてたってこと...?

安曇
今頃気付いたかwww

安曇
まあ驚くほど上手くいって楽しかったよ。

漸蔵
....

安曇
だけど、これからも上手くいくぞ。

蘭丸
どういう...

凛
何をしたんですか?

安曇
特殊警備隊を呼んだんだ。俺1人じゃお前らを捕獲出来ねーからな。

柘榴
ヤバイッ‼︎早く逃げないと...っ‼︎

安曇
ハハッ‼︎無駄無駄っ‼︎アイツらは呼べばすぐに来るからな。

安曇
お前らはもう袋の鼠だっ‼︎

安曇

安曇
あ?どうなってんだ?

安曇
足音すら聞こえねーぞ...

漸蔵
残念だが、ソイツらは来ないぞ。

安曇
あ?何でだ?

漸蔵
ソイツらの無線をオフにしたからな。

安曇
は?どういうことだ?

漸蔵
知らねーのか?俺の能力...

漸蔵

漸蔵
情報を操作することが出来るんだ。つまりその特殊警備隊だかなんだかの無線をいじるのなんて簡単なことだ。

安曇
何だと...ふざけやがって...っ‼︎

安曇
こうなったら、俺が捕まえ

凛
少し寝てて下さいね...

安曇
何だ...と...

柘榴
な、何したの⁉︎

凛
安曇さんの記憶を消したんです。

凛
いい加減、埒が明かないので。

凛
では、さっさと行きましょうか。

柘榴
あ、うん...

蘭丸
なんか容赦ないっすね...

翠
今はテメェに賛同するぜ...

柘榴
(天望先輩から全然連絡がない...)

柘榴
(そんな...天望先輩...約束したのに....)

柘榴
えっ...あ、来たっ‼︎

柘榴
えーっと...

柘榴

柘榴
『“彼ら”の脱出は寺院に任せて、後輩は1人で情報管理室に来い。』?

琥珀
...行ってください。

柘榴
で、でも‼︎そんな無責任なこと出来ないよっ‼︎

琥珀
...天望は博士を信じて、そのメールを送ったんだと思います。

琥珀
だから...博士はそれに答えるべきたと私は思います。

琥珀
すいません、何だか上から目線で...

柘榴
...分かった。じゃあ、お願いしていいかな?

琥珀
任せてください。ではまた後で合流しましょう。

柘榴
うん、また後でっ‼︎
